発刊に寄せて科学の発展、進化のプロセスにおいて「常識はやがて非常識へと変わる」ことは歴史が証明してきた。著者は、文中《若返りに関する医学研究とその臨床応用が想像をはるかに超えるような進歩を遂げはじめた》として、老化の本質を改めて思索し、研究者としてその「ブラックボックス」にあえて挑んでいく。 |
科学の発展、進化のプロセスにおいて「常識はやがて非常識へと変わる」ことは歴史が証明してきた。著者は、文中《若返りに関する医学研究とその臨床応用が想像をはるかに超えるような進歩を遂げはじめた》として、老化の本質を改めて思索し、研究者としてその「ブラックボックス」にあえて挑んでいく。
そして、老化の対義後「若化NEO AGING」を提唱して、「新たな若い細胞を生みだしながら、老化した細胞も追いだしてしまう」という概念と、その裏付けとなる「ゲノムごとの若返り対策」を見出した。
巷間流通する若返り療法あるいは長寿革命などの切り口で出版される本は数多い。しかし本書は、外科医として臨床に従事する傍ら、教育者としても大学医学部で細胞生物学・生体構造機能学を教え、若返りに不可分の免疫学にも携わり、今でも治療の第一線で活躍する筆者だけに、専門知識と臨床の経験をベースに緻密な考察と理論構築から若返り医学(NEO AGING)の核心に迫る解説書となっている。
そして理論、知識に終わらず具体的な治療法のいくつかを提示し、同時に臨床医主導の学術団体JAASで賛同する医師らと症例を取りながら治療法の精査を行っている。とはいえ、専門知識をあわせもちながらも、これほどまでにわかりやすく平易に書かれた書籍はかつてない。「老化と若化」は多岐にわたる研究分野における専門性と、複雑極まる生体、生命体に対する多面的な臨床学が欠かせない。ある意味、筆者はこうしたそれぞれの専門分野を俯瞰し結びつけながらNEO AGINGという新たな医療を生み出していく「プラットフォーム」の役割を担っているといっていい。
本書をお勧めするにあたり、医療に身を置く医師、歯科医、パラメディカルの人たち、さらには薬学者、老化研究者の研究分野の方々のみならず、ぜひ一般の読者の方にも一読していただきたい。十分読み応えのある内容であると確信する。
私自身、美容アンチエイジング医療にジャーナリストとして長く関わらせていただき、学術団体JAASの事務局として筆者との関りをもたせていただく中で、その洞察、慧眼の才には常日頃、驚きをもって接し、お付き合いをさせていただいている。そうしたなか、本書の草稿段階から筆者から拝読の機会をいただくなか、本書「若化医療」の核心に触れ、わたしの中での「老化と若化」の思考はパラダイムシフトを経験した。きっと読者の方々も「老化細胞を補修」するアンチエイジング医療とは全く異なる「NEO AGING」医療の本質に気づいていただくはずだ。そして若返り・長寿に対する概念が一変しこれからの人生がより楽しく、元気になっていくことを願うばかりだ。
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