【5】エステ術なのに美容医療の施術効果に負けず劣らない
[ 2013/2/26 ]
バカにするなかれ!
医療、非医療で使える施術ツールこそ「患者の共有」
クリニックと提携して、美容医療とエステの患者(顧客)の共有をはかったり、さらには美容クリニックやデンタルクリニックがエステ部門の併設に動くケースが少なくない。「もはや美容医療とエステが敵対する構図は成り立たない。マーケット全体の委縮を招くことは明らかだ。だからこそエステと医療は共存繁栄するためにお互いの理解と協力が不可欠である」(JAAS理事・山本医師)誰もが気づいていながらなかなか、そうした方向に向かわないのはなぜだろう?お互いが施術や知識を知らず、交流が疎遠になってしまっていることが一つの要因なのではないだろうか。場合によってはエステ側は「エステの施術ですべて顧客の満足度を満たした」として、美容医療の良さを伝えない。
また美容医療側は「エステで行う施術は効かない、過度な施術は危険である」としてエステサロンをバカにする。この疑心暗鬼ともいうべき負の連鎖が、お互いの提携を阻む。エステに来る顧客に美容医療の良さを伝え、クリニックに紹介すれば顧客から喜ばれるはずだ。その顧客は必ず「エステでしか味わえない、癒せない施術」に帰ってくる。また美容医療の施術のあとに行うアフタートリートメント・ボディメンテナンスはクリニックではやれないか、あるいは不得手であるはずだ。だからこそ患者をエステに紹介してやる。この良好な循環がこれからは必要となる。
JAAS主催の認定エステティシャン資格講習会は、こうした背景から昨年スタートし、今年第2期目が2月24日から始まる(本紙107号既報)。サロンと美容医療、デンタルエステの知識と技術を4回にわたり入門編として修学してもらいながらメディカルエステティシャンの養成を行う。そして本稿の連載「エステ術なのに美容医療の施術効果に負けず劣らない」で紹介するサロン、美容クリニック、デンタルクリニックで活用できる施術や化粧品、機器への反響も高い。いうまでもなく医療、非医療で共有できなおかつ施術効果も高い施術ツールであるからだろう。シリーズ5回目は、今春5月から正式発売となる美顔器「Dr.EEL」を取り上げてみる。
「Dr.EEL]
ホットローラーからウルトラパルスなど真皮到達
本稿で紹介してきた「Dr ArrivoⅡ」、「Clione」さらには「Dr.Gavel」と、小型化、機能集約化を進め、エステ業務機器の『iPhone』化現象を象徴するような美顔器が次々誕生して、昨年から美顔器マーケットに新風を巻き起こしてきた。
先陣をきった「Dr.ArrivoⅡ」は全機種も含めて、累計15万台に迫る販売を記録しつつある。この美顔器の〟ガリバー〟に続き、相次いで市場に投入されてきたのが前述の製品であることはいうまでもない。
そしてこの5月、新たに市場にデビューするのが、「Dr.EEL」で英名にお気づきの読者もいるはずだ。そう「鰻」である。よくよく、装置スタイルを見れば納得してしまう。断るまでもなく、装置性能との関係性は一切ないが、「うなぎ表面がぬるぬるなのはタンパク質の一種、ムチンやムコプロテインが体表から分泌されるからです」と話すのは、開発・発売元のTeam。これが保水作用を助けて、皮膚呼吸をするのだと付け加える。
つまり、「Dr.EEL」は、うなぎのような瑞々しい体表(美肌)効果をも兼ね備えた新・美顔器といえよう。
さて本器が搭載する機能をみてみよう。
搭載されるホットローラーから約42℃の温熱が発生し、表皮から真皮にかけて「点」ではなく「面」に対して、均一に温熱し、肌深部までアプローチすることから、瞬時にフェイスラインの引き上げが可能となる。肌に温熱の刺激を与えることにより、肌本来の持つヒアルロン酸やエラスチンの産生力を高め、弾力のある肌にするという。また毛細血管を拡張し、血流を促進させることにより、新陳代謝を高め、赤ら顔などの改善にも効果が期待できる。
導入感覚は「まるでヒアルロン酸注入」と実感できる!
このホットローラーは単なるローラーではない。ローラーにエレクトロポレーション機能が備わっている。エレクトロポレーション(電気穿孔法)は肌表面に電気パルスをあてることによって、細胞間に瞬発的に隙間を作り、美容液を電気反発で導入させる技術であることは本紙で幾たびか紹介してきたが、このポレーションによってヒアルロン酸のような高分子が導入できる。
「導入する感覚は、ヒアルロン酸注射をしたかのようです」と、機器完成に進む中でその手ごたえをつかんだという。
熱を入れ温めながら美肌成分を肌深部まで導入できるという、まったく新しい理論と立証に基づいた美顔器「ホットローラー・エレクトロポレーションシステム」ということになる。ローラーの先端には、「ポレーションボール」が搭載されるため、目元周りや細かい部位までトリートメントもできる。さらに、反対側にはウルトラパルス(ARTISTIC実用新案)を搭載した機能が備わっているため、4つの素子から生まれるウルトラパルスを表皮に流すことにより、ウルトラパルス機能の他の出力EMSや中高周波が発生する。
EMSは筋肉に電気パルスを流すことにより、筋肉の収縮を促し、表情筋のたるんだ筋肉を刺激し、固くなった表情筋をほぐし、老廃物を流しやすくすることによってリフトアップを促進する。
「眼輪筋にウルトラパルスをあてると、眼輪筋がピクピクと動く。これは表情筋全体に作用している証拠で、一度あててもらえば例外なく体感できます」
もう一つのウルトラパルス、中高周波は血液やリンパの循環を促進させ、組織の新陳代謝を促進させる働きをもち、真皮の汗腺、血管、神経の代謝が活発になり、真皮内の繊維芽細胞の働きが強化され、コラーゲン繊維、エラスチン繊維の産出力が強くなり、弾力性、保水性が高まり、みずみずしいハリのある肌に仕上げていくという。
「Dr.EEL]には、肌のアンチエイジング機能として注目されるLED3種類の波長も搭載される。415nmの青色LEDは主にニキビの原因となるアクネ菌がもつポルフィリンに反応し、活性酸素を放出させる。黄色LEDはメラニン合成の抑制やターンオーバーを促進するといわれ、明るく透明感のある印象肌へと変化させる。そして、赤くなった肌色を沈静させる効果もあるという。
第3の波長620nmの赤色LEDは弾力促進や毛細血管を刺激して血行促進とリンパの流れを良くすることで、細胞間の修復を促し、皮膚組織を活性化させる。小じわやハリのある肌対応という。
◎本稿の機器、資材に関心の読者はJHM健康医療ジャーナル編集部あてにメールokano@e-jhm.jpもしくはFAX03-6222-3125まで、お問い合わせください。
(JHM108号より)
医療、非医療で使える施術ツールこそ「患者の共有」
クリニックと提携して、美容医療とエステの患者(顧客)の共有をはかったり、さらには美容クリニックやデンタルクリニックがエステ部門の併設に動くケースが少なくない。「もはや美容医療とエステが敵対する構図は成り立たない。マーケット全体の委縮を招くことは明らかだ。だからこそエステと医療は共存繁栄するためにお互いの理解と協力が不可欠である」(JAAS理事・山本医師)誰もが気づいていながらなかなか、そうした方向に向かわないのはなぜだろう?お互いが施術や知識を知らず、交流が疎遠になってしまっていることが一つの要因なのではないだろうか。場合によってはエステ側は「エステの施術ですべて顧客の満足度を満たした」として、美容医療の良さを伝えない。
また美容医療側は「エステで行う施術は効かない、過度な施術は危険である」としてエステサロンをバカにする。この疑心暗鬼ともいうべき負の連鎖が、お互いの提携を阻む。エステに来る顧客に美容医療の良さを伝え、クリニックに紹介すれば顧客から喜ばれるはずだ。その顧客は必ず「エステでしか味わえない、癒せない施術」に帰ってくる。また美容医療の施術のあとに行うアフタートリートメント・ボディメンテナンスはクリニックではやれないか、あるいは不得手であるはずだ。だからこそ患者をエステに紹介してやる。この良好な循環がこれからは必要となる。
JAAS主催の認定エステティシャン資格講習会は、こうした背景から昨年スタートし、今年第2期目が2月24日から始まる(本紙107号既報)。サロンと美容医療、デンタルエステの知識と技術を4回にわたり入門編として修学してもらいながらメディカルエステティシャンの養成を行う。そして本稿の連載「エステ術なのに美容医療の施術効果に負けず劣らない」で紹介するサロン、美容クリニック、デンタルクリニックで活用できる施術や化粧品、機器への反響も高い。いうまでもなく医療、非医療で共有できなおかつ施術効果も高い施術ツールであるからだろう。シリーズ5回目は、今春5月から正式発売となる美顔器「Dr.EEL」を取り上げてみる。
「Dr.EEL]
ホットローラーからウルトラパルスなど真皮到達
本稿で紹介してきた「Dr ArrivoⅡ」、「Clione」さらには「Dr.Gavel」と、小型化、機能集約化を進め、エステ業務機器の『iPhone』化現象を象徴するような美顔器が次々誕生して、昨年から美顔器マーケットに新風を巻き起こしてきた。
先陣をきった「Dr.ArrivoⅡ」は全機種も含めて、累計15万台に迫る販売を記録しつつある。この美顔器の〟ガリバー〟に続き、相次いで市場に投入されてきたのが前述の製品であることはいうまでもない。
そしてこの5月、新たに市場にデビューするのが、「Dr.EEL」で英名にお気づきの読者もいるはずだ。そう「鰻」である。よくよく、装置スタイルを見れば納得してしまう。断るまでもなく、装置性能との関係性は一切ないが、「うなぎ表面がぬるぬるなのはタンパク質の一種、ムチンやムコプロテインが体表から分泌されるからです」と話すのは、開発・発売元のTeam。これが保水作用を助けて、皮膚呼吸をするのだと付け加える。
つまり、「Dr.EEL」は、うなぎのような瑞々しい体表(美肌)効果をも兼ね備えた新・美顔器といえよう。
さて本器が搭載する機能をみてみよう。
搭載されるホットローラーから約42℃の温熱が発生し、表皮から真皮にかけて「点」ではなく「面」に対して、均一に温熱し、肌深部までアプローチすることから、瞬時にフェイスラインの引き上げが可能となる。肌に温熱の刺激を与えることにより、肌本来の持つヒアルロン酸やエラスチンの産生力を高め、弾力のある肌にするという。また毛細血管を拡張し、血流を促進させることにより、新陳代謝を高め、赤ら顔などの改善にも効果が期待できる。
導入感覚は「まるでヒアルロン酸注入」と実感できる!
このホットローラーは単なるローラーではない。ローラーにエレクトロポレーション機能が備わっている。エレクトロポレーション(電気穿孔法)は肌表面に電気パルスをあてることによって、細胞間に瞬発的に隙間を作り、美容液を電気反発で導入させる技術であることは本紙で幾たびか紹介してきたが、このポレーションによってヒアルロン酸のような高分子が導入できる。
「導入する感覚は、ヒアルロン酸注射をしたかのようです」と、機器完成に進む中でその手ごたえをつかんだという。
熱を入れ温めながら美肌成分を肌深部まで導入できるという、まったく新しい理論と立証に基づいた美顔器「ホットローラー・エレクトロポレーションシステム」ということになる。ローラーの先端には、「ポレーションボール」が搭載されるため、目元周りや細かい部位までトリートメントもできる。さらに、反対側にはウルトラパルス(ARTISTIC実用新案)を搭載した機能が備わっているため、4つの素子から生まれるウルトラパルスを表皮に流すことにより、ウルトラパルス機能の他の出力EMSや中高周波が発生する。
EMSは筋肉に電気パルスを流すことにより、筋肉の収縮を促し、表情筋のたるんだ筋肉を刺激し、固くなった表情筋をほぐし、老廃物を流しやすくすることによってリフトアップを促進する。
「眼輪筋にウルトラパルスをあてると、眼輪筋がピクピクと動く。これは表情筋全体に作用している証拠で、一度あててもらえば例外なく体感できます」
もう一つのウルトラパルス、中高周波は血液やリンパの循環を促進させ、組織の新陳代謝を促進させる働きをもち、真皮の汗腺、血管、神経の代謝が活発になり、真皮内の繊維芽細胞の働きが強化され、コラーゲン繊維、エラスチン繊維の産出力が強くなり、弾力性、保水性が高まり、みずみずしいハリのある肌に仕上げていくという。
「Dr.EEL]には、肌のアンチエイジング機能として注目されるLED3種類の波長も搭載される。415nmの青色LEDは主にニキビの原因となるアクネ菌がもつポルフィリンに反応し、活性酸素を放出させる。黄色LEDはメラニン合成の抑制やターンオーバーを促進するといわれ、明るく透明感のある印象肌へと変化させる。そして、赤くなった肌色を沈静させる効果もあるという。
第3の波長620nmの赤色LEDは弾力促進や毛細血管を刺激して血行促進とリンパの流れを良くすることで、細胞間の修復を促し、皮膚組織を活性化させる。小じわやハリのある肌対応という。
◎本稿の機器、資材に関心の読者はJHM健康医療ジャーナル編集部あてにメールokano@e-jhm.jpもしくはFAX03-6222-3125まで、お問い合わせください。
(JHM108号より)