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長寿遺伝子「サーチュイン」 解明進み、寿命をコントール!?[JHM]

[ 2011/10/24 ]
NHK放映からメディア過熱

人間の寿命を50歳と捉えその昔、唐の詩人杜甫が「人生七十古来稀なり」と詠じたことをご存じの読者も多いことだろう。漢詩で詠んだ『古稀』すなわち、70歳の別称として残るものの、今やその寿命は100歳とも120歳とも言われるようになった。そして先ごろNHKで放映されたスペシャル番組「夢の長寿遺伝子発見」は、そんな今は遠い過去の寿命観を見事に打ち砕くことになる。長寿の鍵を握る「サーチュイン遺伝子」の存在が解明され、遺伝子活性化のためのスイッチをONにすれば、夢のアンチエイジング120歳は決して叶わない夢ではない。

一方、ではどうしたらこの長寿遺伝子の働きを強めるのか?その答えはお決まりの「正しい食生活」、「たばこ、飲酒を控え、ストレスを取らない」などライフスタイルの改善ということになるだろうか。しかし市場ではもっぱら赤ワインのもとブドウの皮に含まれる「レスベラトロール」の有用性に、その答えを見出す声も高い。ランセットやネイチャーなど一流の学術誌にここ数年多くの研究論文が掲載され、そのエビデンスの数はこの種の機能性素材の中で他に類をみない。その結果、市場には百花繚乱のごとく「レスベラトロール」配合のサプリメントが投入されてきたが、その原種となるブドウや原料ソースに疑わしい商品も少なくない。背景には、通販などで安価に発売されている製品にとって安い原料を配合せざるを得ないという事情があるようだ。そうした中、「紫イペ」のパイオニアとして知られるイペ販売が、厳格な成分分析はもちろん、もとになる原料のブドウも確かな栽培と原産地を特定しながらエキス精製して製品化したレスべラトロール「延寿」を発売、「紫イペ」で培ったチャネルの医療機関、相談薬局などに出荷し始めた。「丁寧なカウンセリングでホンモノのレスベラトロールを薦めていただきたい」と相談薬局、医療機関に限定で販売していくという。患者やクライアントから指名買いしてもらうだけの自信作だと同社。流通店(施設)にはそのための“後方支援”を惜しまない。まずは、書店に並ぶ全国版の健康雑誌に定期的な記事紹介を予定し、その巻末に取り扱い店(施設)の掲載をしていく考えだ。

話題の長寿遺伝子そしてレスベラトロールだが、本紙ではすでに一昨年、「PubMedで週に20件を超える研究報告〜レスベラトロールが長寿遺伝子を活性化」として、トップ紙面で報じた。
周知のとおり、脂肪分の多くとるフランス人に動脈硬化が少ないとする「フレンチパラドックス」説は、赤ワインに含まれるポリフェノールであるとしたランセットの学術論文が掲載されたのは1992年である。そして2000年にはいり、そのポリフェノールの一つとして「レスベラトロール」が研究者らの間で注目されるようになる。

しかしこの中で、「レスベラトロールが高カロリー食のマウスの健康と生存に対して有効」とするNATUREの報告もあり、今でもこの研究をもとに、「レスベラトロールを摂取さえすればカロリー制限なしに長寿を実現できる」と、誤解を招くうたい文句でレスベラトロールを喧伝するところもある。英ウイスコンシン大のアカゲザルを使った実験では、カロリーを70%制限したサルの行動が明らかに軽やかに、そして皮膚にもハリが出たことから、そのメカニズを長寿遺伝子の活性化に見出した報告は確かにある。しかしレスベラトロールとは一切関係ない。
ただ、その後の研究論文の数はおびただしい。そして世界の学術論文を掲載する検索ネット「PubMed」には、週に20件を優に超えるレスベラトロールの報告がヒットしたことは誤りではない。がんの抑制作用やβアミロイドの分解を促進してアルツハイマーの予防作用を確認する研究成果が次々と掲載されていく。 
日本ではお茶の間を通じて、俄かに脚光を浴びたことはご存じだろう。
NHKで放映されたスペシャル番組「夢の長寿遺伝子発見」である。番組では長寿の鍵を握る「サーチュイン遺伝子」の存在に迫り、遺伝子活性化のためにそのスイッチをONにすれば、夢のアンチエイジング120歳は決して叶わない夢ではないと暗示するかのようだった。もちろんこの長寿遺伝子と赤ワイン中のレスベラトロールの関係にも言及している。
放映ののち、さまざまなメディアで取り上げられ活字媒体もこぞって掲載した。
その中のひとつ、『週刊東洋経済』の特集紙面「シニア市場はこう攻める」でも、長寿遺伝子についてこうまとめている。
米マサチューセッツ工科大のR.ガレンテ博士が線虫などの実験で発見した「サーチュイン遺伝子」が、老化を抑制するメカニズムの解明は急速な進展をみせる。加齢と共に短くなる、染色体につくテロメアをこの遺伝子は保護し長さを保っていくことで、老化を抑制するという。

サーチュイン遺伝子はまた、寿命をコントロールするだけに止まらず、動脈硬化や糖尿病、神経変性疾患などの加齢性の疾患にも関与すると紹介している。ただ、この遺伝子は何もしなければ機能しない。活性化するためのスイッチをONにできれば働くのだという。
そして、その活性化を促すスイッチONの鍵となるのがカロリー制限と赤ワインなどの含まれるレスベラトロールだと報じている。  
しかし、赤ワインで長生きできるならと酒好きならありがたい話だが、そうは問屋がおろさないのである。
本紙創刊からのテーマ、アンチエイジング医学では
もう十年も前にこうした因果関係を医学的な見地から提唱している。『革命 アンチエイジング 米国アンチエイジング医学会後任の完全ガイド』(監修 岩本 俊彦 東京医科大学・老年病理教授)でも、オアイオニアたちが明かす長寿の秘訣(第22章)の中で、アンチエイジング医療を実践する世界有数の10人のドクターが自らが教訓とし実行する日常のライフスタイルを綴っている。運動、食生活、サプリンメントの摂取、ストレス解消法、習慣などそれぞれの項目の中で共通するものが「適度な飲酒、赤ワイン」であった。
この適度な…ということが肝心で、飲みすぎは当然ながらからだには良くない。

さてこうした過熱する「レスベラトロールと長寿遺伝子」報道から、市場には百花繚乱のごとく「レスベラトロール」配合のサプリメントが投入されてきたが、その原種となるブドウや原料ソースに疑わしい商品も少なくない。
背景には、通販などで安価に発売されている製品にとって安い原料を配合せざるを得ないという事情があるようだ。
そうした中、「紫イペ」のパイオニアとして知られるイペ販売が、厳格な成分分析はもちろん、もとになる原料のブドウも確かな栽培と原産地を特定しながらエキス精製して製品化したレスべラトロール「延寿」を発売した。
ブドウはフランス・ローヌ地方の赤ワインエキスとボルドー地方のブドウの若芽から抽出したエキスを使う。またレスベラトロール成分はトランス型の化学構造式をもち、各種研究論文で用いられる成分に準拠していることから、その有効性には信頼性は高い。

同社では「紫イペ」で培ったチャネルの医療機関、相談薬局などにすでに出荷を始めた。「丁寧なカウンセリングでホンモノのレスベラトロールを薦めていただきたい」と相談薬局、医療機関に限定で販売していくという。患者やクライアントから指名買いしてもらうだけの自信作だと同社。流通店(施設)にはそのための“後方支援”を惜しまない。まずは、書店に並ぶ全国版の健康雑誌に定期的な記事紹介を予定し、その巻末に取り扱い店(施設)の掲載をしていく考えだ。



(JHM101号より)
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