第3世代に向かうPRP治療 [JHM]
[ 2011/10/21 ]
鍵握る「PROSYS」は韓国の製薬グループ開発
キットは分離、濃縮の2本セットで国内最安値
美容再生医療は、美容医療はもちろん歯科や他科診療などからも関心が高い。アンチエイジング診療のとって今やその技術は欠かせない。先ごろ行われたJAAS主催の「StemCell Therapyによる美容医療への応用現地派遣研修」、「Dr Limの驚異のプチ鼻形成HANAKO Rhinoplasty」でも、そのテーマは再生技術を取り入れたリジュビネーションだ。
そしてどんな医師でも最も身近で安心して施術に取り入れることができるのがPRP療法なのかもしれない。こうした医療需要は、PRP注入を行うために用いる分離用キットの改良をはかり、より簡単により低コストで治療効果の高い器材へと進化させてきた。それはあたかもヒアルロン酸製剤の改良に似ている。そんなPRPキットに今年、革新的な製品が生まれ、日本の医師らに徐々に浸透している。第3世代に向かうPRPキットの動向を追った。
PRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)は、患者からの自己血を採取した血液から、血球を除いた血小板リッチな血漿のことで、改めて説明するまでもない。これを真皮、皮下に注入することで、フィラー剤や手術では効果が難しい縮緬シワや肌の若返りが可能となる。どんな医師でも最も身近で安心して施術に取り入れることができるアンチエイジング再生療法と言えよう。
骨の接合あるいは熱傷、火傷の治癒など本来の再生医療として活用されるPRP治療では、輸血レベルの量が必要となるためキットを使ったPRP治療は難しい。やがて第1世代のPRPが登場し美容医療に用いられるようになる。しかし同じ患者の血液であっても試験管ごとにその成分にンバラツキが生じ均一性に著しく欠けていた。そして均一性を高めなおかつ、チューブ、セパレータ(フィルター)などの器材、資材の改良が進み飛躍的な普及に向かう。
とはいえ、そのコストに難点を抱えていた。1回のオーダーで30万円を超える資材価格のため、自ずと治療費を上げざるを得ない。富裕層の美容医療というイメージが定着しクリニックでは幅広い層に対するPRPt療法の普及には至らなかった。
こうした末、より簡単により低コストで治療効果のさらに高い器材へと改良は進み、今年そうしたPRPキットが登場。日本の医師らに徐々に浸透し始めている。第3世代型のPRPキットである。
本紙では先述したJAASのライブ講習会で、Lim医師が推奨するPRPを紹介しているが、ここにきてさらに低コストで操作性も簡単、なおかつ業界初!となるPRP中の成長因子の濃縮率を高めたPRPキットが供給されることになった。
すでに一部日本の美容医療クリニックにも紹介され、その評価は高い。
商品名『PROSYS』である。開発・生産メーカーは韓国ソウルに本社を置く、TOZAI HOLDINGSで親会社は、韓国有数の製薬会社である。日本のみならず、アジア圏の需要を見込み、この夏から一斉に『PROSYS』の供給を開始した。製薬グループ傘下のバイオ・カンパニーということもあり、KFDA、米国FDA、欧州CEの認可をすでに取得する。また各国への供給と同時にそれぞれの厚生省に対して医療機器の製造認可を申請中で、また日本も例外ではない。
そして日本窓口に韓国からの美容関連資材、機器の輸入業務を得意とするクラシブ社を据えた。
さて『PROSYS』だが従来のPRPと違い、圧倒的に優位な点はまずPRPに濃縮してできるGrowth Factor成長因子の有効量だろう。分離・濃縮されたPRP2ml中に、TGF-Bが3ng,PDGF18ng,VEGF7ng,bFGF-180ngと今までのPRP法で生成される成長因子の量とは明らかにその濃度は高い。メーカー側によれば、従来のキットに比べそのPRP濃縮率は10倍ともいう。
キットは分離キットと濃縮キットが2つセットで、25〜30ccの血液採取から、分離キットに注入し遠心分離機にかける。所要時間はたった3分間だ。取り出して、同キット独特の上下調整ハンドル部でBuffy Coatを上部に押し上げる(特許技術)。そして上部カバーを閉め振りながらまぜる。さらにそのPRPを今度は濃縮キットに移し、遠心分離機に再びかける、これもまた3分間で済む。
そして取り出した濃縮キットの調整ハンドルで濃縮率を調整していく。
PRPは何といってもその成長因子の質と量が決めてと言われる。治療効果が高ければクリニックにとっても、リピーターとなる確率は高まり、その上評判が評判を呼び新規需要はさらに高まる。しかし先に触れた資材コストがそのネックとなり、需要層は限られる。しかしこのキット、購入コストは驚くほど低い。1万円を優に切る価格だ。
おそらく今年から来年にかけてPRPの第3世代の時代が到来するだろう。その鍵を握るのが『PROSYS』だといっても言い過ぎではない。
○このキットを使うには専用の遠心分離機(日本電圧対応)が必要で、35万円の投資がかかることを断わっておく。
本稿についてのお問い合わせは、JHM編集部(03-6222-3121かクラシブ(06-6170-1753まで
(JHM101号より)
キットは分離、濃縮の2本セットで国内最安値
美容再生医療は、美容医療はもちろん歯科や他科診療などからも関心が高い。アンチエイジング診療のとって今やその技術は欠かせない。先ごろ行われたJAAS主催の「StemCell Therapyによる美容医療への応用現地派遣研修」、「Dr Limの驚異のプチ鼻形成HANAKO Rhinoplasty」でも、そのテーマは再生技術を取り入れたリジュビネーションだ。
そしてどんな医師でも最も身近で安心して施術に取り入れることができるのがPRP療法なのかもしれない。こうした医療需要は、PRP注入を行うために用いる分離用キットの改良をはかり、より簡単により低コストで治療効果の高い器材へと進化させてきた。それはあたかもヒアルロン酸製剤の改良に似ている。そんなPRPキットに今年、革新的な製品が生まれ、日本の医師らに徐々に浸透している。第3世代に向かうPRPキットの動向を追った。
PRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)は、患者からの自己血を採取した血液から、血球を除いた血小板リッチな血漿のことで、改めて説明するまでもない。これを真皮、皮下に注入することで、フィラー剤や手術では効果が難しい縮緬シワや肌の若返りが可能となる。どんな医師でも最も身近で安心して施術に取り入れることができるアンチエイジング再生療法と言えよう。
骨の接合あるいは熱傷、火傷の治癒など本来の再生医療として活用されるPRP治療では、輸血レベルの量が必要となるためキットを使ったPRP治療は難しい。やがて第1世代のPRPが登場し美容医療に用いられるようになる。しかし同じ患者の血液であっても試験管ごとにその成分にンバラツキが生じ均一性に著しく欠けていた。そして均一性を高めなおかつ、チューブ、セパレータ(フィルター)などの器材、資材の改良が進み飛躍的な普及に向かう。
とはいえ、そのコストに難点を抱えていた。1回のオーダーで30万円を超える資材価格のため、自ずと治療費を上げざるを得ない。富裕層の美容医療というイメージが定着しクリニックでは幅広い層に対するPRPt療法の普及には至らなかった。
こうした末、より簡単により低コストで治療効果のさらに高い器材へと改良は進み、今年そうしたPRPキットが登場。日本の医師らに徐々に浸透し始めている。第3世代型のPRPキットである。
本紙では先述したJAASのライブ講習会で、Lim医師が推奨するPRPを紹介しているが、ここにきてさらに低コストで操作性も簡単、なおかつ業界初!となるPRP中の成長因子の濃縮率を高めたPRPキットが供給されることになった。
すでに一部日本の美容医療クリニックにも紹介され、その評価は高い。
商品名『PROSYS』である。開発・生産メーカーは韓国ソウルに本社を置く、TOZAI HOLDINGSで親会社は、韓国有数の製薬会社である。日本のみならず、アジア圏の需要を見込み、この夏から一斉に『PROSYS』の供給を開始した。製薬グループ傘下のバイオ・カンパニーということもあり、KFDA、米国FDA、欧州CEの認可をすでに取得する。また各国への供給と同時にそれぞれの厚生省に対して医療機器の製造認可を申請中で、また日本も例外ではない。
そして日本窓口に韓国からの美容関連資材、機器の輸入業務を得意とするクラシブ社を据えた。
さて『PROSYS』だが従来のPRPと違い、圧倒的に優位な点はまずPRPに濃縮してできるGrowth Factor成長因子の有効量だろう。分離・濃縮されたPRP2ml中に、TGF-Bが3ng,PDGF18ng,VEGF7ng,bFGF-180ngと今までのPRP法で生成される成長因子の量とは明らかにその濃度は高い。メーカー側によれば、従来のキットに比べそのPRP濃縮率は10倍ともいう。
キットは分離キットと濃縮キットが2つセットで、25〜30ccの血液採取から、分離キットに注入し遠心分離機にかける。所要時間はたった3分間だ。取り出して、同キット独特の上下調整ハンドル部でBuffy Coatを上部に押し上げる(特許技術)。そして上部カバーを閉め振りながらまぜる。さらにそのPRPを今度は濃縮キットに移し、遠心分離機に再びかける、これもまた3分間で済む。
そして取り出した濃縮キットの調整ハンドルで濃縮率を調整していく。
PRPは何といってもその成長因子の質と量が決めてと言われる。治療効果が高ければクリニックにとっても、リピーターとなる確率は高まり、その上評判が評判を呼び新規需要はさらに高まる。しかし先に触れた資材コストがそのネックとなり、需要層は限られる。しかしこのキット、購入コストは驚くほど低い。1万円を優に切る価格だ。
おそらく今年から来年にかけてPRPの第3世代の時代が到来するだろう。その鍵を握るのが『PROSYS』だといっても言い過ぎではない。
○このキットを使うには専用の遠心分離機(日本電圧対応)が必要で、35万円の投資がかかることを断わっておく。
本稿についてのお問い合わせは、JHM編集部(03-6222-3121かクラシブ(06-6170-1753まで
(JHM101号より)