第6回「プラズマ・フィラー・セラピー」 [JHM]
[ 2010/8/25 ]
ヒアルロン酸注入は、プチ整形の代名詞として、完全に市民権を得たといっていいだろう。しかし、日本人のメンタリティーとして、体内に異物を入れるという行為に違和感を持つ消費者もいる。そうした消費者に対して、自己の血液から採取した血小板を注入するPRP注入療法は訴求力があった。しかし、その一方で効果を疑問視する声もあった。ヒアルロン酸注入の権威、銀座いけだクリニック院長の池田欣生MDは、それらの問題を一挙に解決し、なおかつ、PRP注入療法では捨てていたPPPをも有効利用し、ヒアルロン酸と同様のフィラーとして活用するプラズマフィラー療法を導入し、指導医として拡大に努めている。5月に行われた、第一回JAAS東京LiveForumでも講演されたこの施術、本格的なハンズオンセミナーが7月11日にJAAS主催で開催された。その中から、池田式プラズマフィラーについて解説する。
プラズマフィラー療法には2種類あり、プラズマフィラーⅠは、PRPにFGF、キシロカインを臨床的に有効かつ安全な比率で混ぜたもので、プラズマフィラーⅡは、PRPでは捨てていた血漿成分を加熱してジェル状に加工したものを、ヒアルロン酸のようにフィラーとして注入する施術のこと。
プラズマフィラーⅡはもともと欧州で開発され、美容医療の先進国、韓国で実用的に拡大したもの。ヒアルロン酸注入のスペシャリストである池田MDが、PRPの導入を検討する中で、韓国の美容外科学会KSAS生みの親でもあるKirosPlastic Surgeryのイム・ジョンハクMDより学び、日本に導入した。
PRP注入療法は、血小板に含まれる増殖因子を利用する治療法で、本紙でも何度か紹介しているが、クライアントから採取した血液から、血小板リッチな血漿を分離、皮膚に注入することで、チリメンジワなど肌質やくすみやタルミを改善する医療だ。
血小板に含まれる増殖因子には、線維芽細胞、平滑筋細胞、軟骨細胞を増殖させるPDGFや、コラーゲン、フィブロネクチンなどを形成促進するTGF-β、血管内皮細胞増殖と血管透過性を亢進させるVEGF、上皮細胞の分化・増殖を促進するEGFなどがある。
しかし、これらの増殖因子の含まれている量にはバラツキがあり、例えばPRP1ml中にPDGFは773pg、TGF-β1は1180pg含まれているのに対し、FGF-2は0.14pgしか含まれておらず、線維芽細胞などさまざまな細胞の増殖因子であるFGFを追加する必要があるのだという。
効果を重視する美容医療では、従来のPRP注入だけでは臨床的効果が乏しいという意見もあり、池田MDは、PRPにFGFを添加する方法を選択するが、肉芽腫ができて危険というリスクも十分に把握したうえで、遠心分離したPRP3ccに対してFGFを0.1cc添加している。また、無痛を追求する池田MDはこれにキシロカインを0.1cc添加して用いる。セルリバイブジータの改良版ともいえるのが、プラズマフィラーⅠだ。
新しさという点では、プラズマフィラーⅡの方が新しい。従来のPRP注入療法では、遠心分離したPRP=Plate rich plasmaのみを使用し、PPP=Plate poor plasmaは廃棄されていた。プラズマフィラーⅡは、この廃棄されていたPPPを特殊な加熱機器(PrasmaHeatingGellSystem)を用いて加熱し、含まれているたんぱく質をジェル状に硬化させ、ヒアルロン酸などのようなフィラー剤として用いるもの。まさしく自己血由来のヒアルロン酸と言っていい治療法だ。
PRPを使用するプラズマフィラーⅠと同時に行うことで、一度の採血でPRPもPPPも使用できるため効率がいい上に、従来のPRPでは即効性の少なかった、ほうれい線などの深いシワに対して、ジェル状のプラズマフィラーⅡが有効なため、クライアントは即自的な改善効果を体感できる。
JAAS主催の講習会では、PRPとPPPを得るための遠心分離の回転数や時間、薬剤の混入のタイミング、PPP加熱に使用する特殊器具とその使用法などが、詳しく解説され、実際にヒアルロン酸注入と併せ、プラズマフィラーⅠ・Ⅱをどのように使用するのかが、モデルに対して目の前で施術され、解説された。
もちろん注入に用いる注射針は、池田MDが開発したエンジェニードルを用い、限りなく無痛に近い施術を心がけながら、クライアントの顔を立体的に3Dでデザインする注入法はプラズマフィラーを用いても健在だ。
講習会では目の下のクマにプラズマフィラーⅠ、ほうれい線と頬にボリューム感を出すためにプラズマフィラーⅡが用いられ、その改善効果が示された。
先述したようにPPPを用いるプラズマフィラーⅡは、欧州で開発され、韓国で拡大した医療だ。韓国でも、PRPと併用で用いられることが多く、自分の血液由来だという安心感から多数の支持を得ているのだという。
異物を注入することを嫌う傾向は、韓国よりも日本の方が根強く、ヒアルロン酸注入がこれだけ普及した日本であれば、自己由来PPPを利用する池田MDのプラズマフィラーⅡは、大きな潜在需要があるといって間違いないだろう。
(JHM95号より)
プラズマフィラー療法には2種類あり、プラズマフィラーⅠは、PRPにFGF、キシロカインを臨床的に有効かつ安全な比率で混ぜたもので、プラズマフィラーⅡは、PRPでは捨てていた血漿成分を加熱してジェル状に加工したものを、ヒアルロン酸のようにフィラーとして注入する施術のこと。
プラズマフィラーⅡはもともと欧州で開発され、美容医療の先進国、韓国で実用的に拡大したもの。ヒアルロン酸注入のスペシャリストである池田MDが、PRPの導入を検討する中で、韓国の美容外科学会KSAS生みの親でもあるKirosPlastic Surgeryのイム・ジョンハクMDより学び、日本に導入した。
PRP注入療法は、血小板に含まれる増殖因子を利用する治療法で、本紙でも何度か紹介しているが、クライアントから採取した血液から、血小板リッチな血漿を分離、皮膚に注入することで、チリメンジワなど肌質やくすみやタルミを改善する医療だ。
血小板に含まれる増殖因子には、線維芽細胞、平滑筋細胞、軟骨細胞を増殖させるPDGFや、コラーゲン、フィブロネクチンなどを形成促進するTGF-β、血管内皮細胞増殖と血管透過性を亢進させるVEGF、上皮細胞の分化・増殖を促進するEGFなどがある。
しかし、これらの増殖因子の含まれている量にはバラツキがあり、例えばPRP1ml中にPDGFは773pg、TGF-β1は1180pg含まれているのに対し、FGF-2は0.14pgしか含まれておらず、線維芽細胞などさまざまな細胞の増殖因子であるFGFを追加する必要があるのだという。
効果を重視する美容医療では、従来のPRP注入だけでは臨床的効果が乏しいという意見もあり、池田MDは、PRPにFGFを添加する方法を選択するが、肉芽腫ができて危険というリスクも十分に把握したうえで、遠心分離したPRP3ccに対してFGFを0.1cc添加している。また、無痛を追求する池田MDはこれにキシロカインを0.1cc添加して用いる。セルリバイブジータの改良版ともいえるのが、プラズマフィラーⅠだ。
新しさという点では、プラズマフィラーⅡの方が新しい。従来のPRP注入療法では、遠心分離したPRP=Plate rich plasmaのみを使用し、PPP=Plate poor plasmaは廃棄されていた。プラズマフィラーⅡは、この廃棄されていたPPPを特殊な加熱機器(PrasmaHeatingGellSystem)を用いて加熱し、含まれているたんぱく質をジェル状に硬化させ、ヒアルロン酸などのようなフィラー剤として用いるもの。まさしく自己血由来のヒアルロン酸と言っていい治療法だ。
PRPを使用するプラズマフィラーⅠと同時に行うことで、一度の採血でPRPもPPPも使用できるため効率がいい上に、従来のPRPでは即効性の少なかった、ほうれい線などの深いシワに対して、ジェル状のプラズマフィラーⅡが有効なため、クライアントは即自的な改善効果を体感できる。
JAAS主催の講習会では、PRPとPPPを得るための遠心分離の回転数や時間、薬剤の混入のタイミング、PPP加熱に使用する特殊器具とその使用法などが、詳しく解説され、実際にヒアルロン酸注入と併せ、プラズマフィラーⅠ・Ⅱをどのように使用するのかが、モデルに対して目の前で施術され、解説された。
もちろん注入に用いる注射針は、池田MDが開発したエンジェニードルを用い、限りなく無痛に近い施術を心がけながら、クライアントの顔を立体的に3Dでデザインする注入法はプラズマフィラーを用いても健在だ。
講習会では目の下のクマにプラズマフィラーⅠ、ほうれい線と頬にボリューム感を出すためにプラズマフィラーⅡが用いられ、その改善効果が示された。
先述したようにPPPを用いるプラズマフィラーⅡは、欧州で開発され、韓国で拡大した医療だ。韓国でも、PRPと併用で用いられることが多く、自分の血液由来だという安心感から多数の支持を得ているのだという。
異物を注入することを嫌う傾向は、韓国よりも日本の方が根強く、ヒアルロン酸注入がこれだけ普及した日本であれば、自己由来PPPを利用する池田MDのプラズマフィラーⅡは、大きな潜在需要があるといって間違いないだろう。
(JHM95号より)