JAASアカデミー
TEL
お問い合わせ
一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

JAASアカデミー

一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

TEL

お問い合わせ

美容医療機器 常識・非常識 [JHM]

[ 2010/4/20 ]
施術には欠かせない
レーザー、フォト、RF機器の操作原理知ろう

「ひとつのフィルターに一台の機種」という常識は今は"非常識"




現地派遣研修で受講者に説明する松山医師(1台で6役のフォトセラピー・マシン)


世の中、今まで常識と思っていたことが実は誤った「常識」として捉えていることが少なくない。当たり前だった知識が「非常識」になってしまう。美容医療で使われる美容・医療機器の世界でもこうしたケースがある。フォトフェイシャル、レーザー、RFなど、美容医療の施術では欠かせない施術・治療マシンも購入し日常扱うクリニックや医師が、機械そのものの違いや操作原理などにあまり精通していないため、つい見落としてしまう「常識」がある。というよりも、美容・医療機の常識はメーカーまかせで興味・関心が高くないということだろう。しかし、美容医療におけるこうした機械への依存度は高く、施術のコストパフォーマンスを考えれば決してメーカーまかせでは済まされない。その「常識」「非常識」のポイントを見てみよう。


まず美容・医療機器の概略を簡単におさらいしてみよう。
使う目的は、たるみのリフトアップ、ニキビ、シミ、しわ除去、脂肪吸引、脱毛、部分痩身、豊胸、頭髪の育毛・発毛など多種多様だ。

こうした治療の用途にそって使われる機器は、IPL(Intence Pulsed Light)という光源を幅広く照射できるフォトセラピー(光治療)機器、目的によって選択的に出力するひとつの波長を使ったレーザー、そして深部まで到達させることで細胞、組織に「創傷治癒」効果を出すRF(高周波・ラジオ波)マシンなどが代表的なもの。

SkinRejuvenation肌の若返りに対して使うこうしたマシンは一般的に、Co2レーザー、YAGレーザー、フラクショナルレーザー,ダイオードレーザー、アレキサンドラなどはその効果が高く、肌トラブルのターゲットを局所的に照射できる。とくにフラクショナルレーザーは、肌再生として知られるケミカルピーリングを機械で施術する治療術として人気がある。一方、フォトセラピーでは有害な紫外線をカットして幅広い波長を照射するが、どちらかというと表層の部分に対して作用させるため、治療を継続的に行なうケースが少なくない。

波長をみると、Co2の波長は10600nm、YAGが2940nm、ダイオード810〜980nm、フラクショナルが1,550nmそしてフォトでは500、950、1,200nmとなる。こうしたそれぞれの波長を使ってターゲットとなる治療部位に作用させるが、レーザー治療ではどちかというと痛みを伴うケースが少なくない。一方、フォトセラピーでは出力にもよるが痛みは軽減できるという。
顔のたるみをリフティングさせる治療術に多用されるのがRFである。レーザーやフォトがその源が光エネルギーであるのに対して、RFは高周波エネルギーによる。

皮膚の深部まで到達できるエネルギー理論から、顔や腹部などの細胞、組織に対して「創傷治癒」効果が発揮でき、リフティング、引き締め、脂肪除去などが可能になる。また完全脱毛にも表面のみならず毛根にまで作用させることができるため、その効果は高いとされる。

さて、こうしたそれぞれの持ち味をもつ機械だが、今まで「乗用車のモデルチャンジ」と同じように、新製品ラッシュを繰り返してきた。その度に、"車種変え"をしてきたクリニックもあるのではないだろうか?

美容・医療機器業界の「常識」のひとつに、光源のある周波数によってひとつの機種が製造・販売される。さらにレーザーの中には照射回数の上限を設定して、それ以上の照射ではまた専用チップを購入しなければならない。また上限の回数打たなくても途中で止めれば、新たなチップを交換しなければ稼動できないといったものもある。

今、こうした業界の「常識」がやっと見直され始めている。制御チップを止めたり、一機種ごとの周波数を専用フィルターの交換だけで多機能の美容治療に対応できる機械が登場してきた。そのフィルターもできるだけ長く使うことができるという。

こうしたことから、従来償却年数やイニシャルコストを考えて治療費を設定したクリニックも、さらにコストダウンが図れることから、治療費も下げられひいては患者負担を軽減できるメリットが生まれていく。

最近本紙でも何度か紹介している「STAR LIGHT Pro」(ARTISTIC&Co.社製)は、まさにこうした点をブレイクスルーしたマシンである。

前述のフィルター交換をいち早く実現し一台で6種のトリートメントができる機種。いわば6台分を一台におさめた機械で、圧倒的なイニシャルコストをもつ。



(JHM92号より)
Copyright (C) JAAS ACADEMY. All rights reserved.