フィラー剤 何をどう使う? [JHM]
[ 2010/2/23 ]
麻酔入りのヒアルロン酸が今後の主流
歯科治療で施術の効果が持続する
プチ整形という言葉の定着と共に、その一つであるヒアルロン酸の注入は、かなりの市民権を得ている。その証拠の一端ともいえるのが、日本臨床抗老化医学会の講習会では、近年、ヒアルロン酸注入の講習会が人気だ。今なぜ、プチ整形なのか?実際にどのように行えばいいのか?日本臨床抗老化医学会の講演で多くの質問が寄せられる、機材や資材について最新事情を織り交ぜながら、ヒアルロン酸注入の拡大について、報告する。
ヒアルロン酸注入がこれだけ拡大しているのはなぜか?一つは、極端な言い方をすれば、日本でもプチ整形が化粧の延長線上の施術と捉えられているからだといえる。
これまで美容医療の中心となっていた、美容外科は恒久的な効果のある不可逆な外科手術によって、二重まぶたや隆鼻術を行ってきた。元に戻らないことが、メリットの一つでもあった。
一方で、プチ整形といわれる、ボトックスやヒアルロン酸注入は、時間の経過と共に、その効果が消え、元通りの顔となる、可逆的な施術である。
この、元に戻る、ということが、クライアントの、より自然に、ダウンタイム無く美しくなりたいというニーズにうまくはまった結果といえよう。それが、美容医療の垣根を低くし、化粧の延長線のようなイメージを生んでいるのではないだろうか。
さらに、この元に戻る、というメリットはクライアントだけでなく、実はクリニック側にも大きなメリットなのだ。万が一でのトラブルでも、一生変わらない状態になるわけではないし、ヒアルロン酸注入であれば、ヒアルロニダーゼという分解酵素で、ある程度の現状復帰が可能だ。
そんな事情で、美容外科や美容皮膚科のクリニックでの導入が進み、アンチエイジングクリニックでは、即時的な若返りをクライアントに体感できることで、受け入れられてきた。導入しているクリニックが、美容外科の垣根を越えて、増加するにしたがって、一般化し、消費者も心理的に、プチ整形を受けやすくなってきている。
さらに近年では、歯科医師が、歯科のトラブルに伴う、口唇部の美容的な回復に対して、ヒアルロン酸注入を行うケースが増加している。日本臨床抗老化医学会でも、こいで歯科医院の小出 一久 院長が、歯科医に対して、その法律的な根拠や、歯科としての心得などを講演している。
歯科でのヒアルロン酸注入は、口腔外科の範囲である口唇部に限られる。この口唇部は、通常の赤唇だけではなく、上は鼻底から下はオトガイ線左右はほうれい線に囲まれた部分を指す。
この部分の外見上の変化は、歯が内側からこの部分を外へ押し出そうとして働く力(リップサポート)や、歯が磨り減ることによって顎を閉じたときの長さが変化する(咬合高径の低下)など、歯科領域の変化が原因の一つとなっている。
リップサポートの減少や咬合高径の低下によって、赤唇の厚みの減少や口元のたるみ・シワが顕著になってしまうのだという。
このことは、美容外科医からも指摘があり、まず、歯科治療を行った後にヒアルロン酸の注入を行わないと、注入の効果が長続きしないことを毎回講演している。
また、効果的な施術とリピートのためには、痛みを抑えるということが重要だ。クライアントが痛がっていたら、まともな施術も出来ないし、リピートにもつながらない。そのため、ヒアルロン酸も、麻酔入りのものが市場で流通し始めている。
麻酔入りのヒアルロン酸で活発に流通しているものに、『レスチレイン』のリドカイン入りのものがある。小出院長も『レスチレイン』を好んで使用するドクターの一人だ。
それぞれのドクターが、注入するフィラー剤にも、こだわりを持っている。現在、世界中で200以上の製品が出回っていると言われるヒアルロン酸の注入剤だが、各社、様々な工夫がされており、価格も千差万別だ。
どのフィラーを選択すれば良いのか判断に迷うところだ。その場合には、まず『レスチレイン』が第一選択となるという。スェーデンのQ-MED社が生産するヒアルロン酸の注入剤『レスチレイン』は世界でトップシェアの製品と言える。まずそれを使用することで、ヒアルロン酸注入の基本を知り、その上でどのような製品が、自分の行う施術にあっているのかを考えれば、製品の選択に迷うことは少ないだろう。
『レスチレイン』を多くの医師が使用する理由としては、まず、製品中に含まれる添加物が少ないと言うことがある。ヒアルロン酸は注入された部位の皮膚を盛り上げ、シワを改善する。そのために一定の構造を保ち、水分を蓄え、嵩を増す必要がある。そのため、多くのヒアルロン酸製剤は、架橋剤といわれる化学的な修飾を行って、構造を維持している。一方で『レスチレイン』は特許技術でヒアルロン酸の粒子を安定化することで、化学的修飾を1%以下に抑えている。
このことは、何を意味するのか?構造がしっかりしていることで、嵩があるため、注入後の経時変化が少ない、添加物によるアレルギーのリスクが少ないなどのメリットがあるのだという。
また、注入に失敗したときには、ヒアルロニダーゼによってヒアルロン酸を分解するが、架橋剤が多いものだと、ヒアルロン酸は分解されても、架橋剤が分解されず、分解酵素の効果がうまく発揮されないこともあるという。
ただ、粒子のサイズについては、『レスチレイン』も多くの製品がラインナップされており、粒子の小さい製品を選択することも出来る(図を参照)。
その他のヒアルロン酸製剤も一つのブランドで、いくつかの製品がラインナップされているので、まず使用してみて、自分の施術にあった製品を選択することで、ヒアルロン酸注入のリピーターを増加させることが、可能になるだろう。
(JHM91号より)
歯科治療で施術の効果が持続する
プチ整形という言葉の定着と共に、その一つであるヒアルロン酸の注入は、かなりの市民権を得ている。その証拠の一端ともいえるのが、日本臨床抗老化医学会の講習会では、近年、ヒアルロン酸注入の講習会が人気だ。今なぜ、プチ整形なのか?実際にどのように行えばいいのか?日本臨床抗老化医学会の講演で多くの質問が寄せられる、機材や資材について最新事情を織り交ぜながら、ヒアルロン酸注入の拡大について、報告する。
ヒアルロン酸注入がこれだけ拡大しているのはなぜか?一つは、極端な言い方をすれば、日本でもプチ整形が化粧の延長線上の施術と捉えられているからだといえる。
これまで美容医療の中心となっていた、美容外科は恒久的な効果のある不可逆な外科手術によって、二重まぶたや隆鼻術を行ってきた。元に戻らないことが、メリットの一つでもあった。
一方で、プチ整形といわれる、ボトックスやヒアルロン酸注入は、時間の経過と共に、その効果が消え、元通りの顔となる、可逆的な施術である。
この、元に戻る、ということが、クライアントの、より自然に、ダウンタイム無く美しくなりたいというニーズにうまくはまった結果といえよう。それが、美容医療の垣根を低くし、化粧の延長線のようなイメージを生んでいるのではないだろうか。
さらに、この元に戻る、というメリットはクライアントだけでなく、実はクリニック側にも大きなメリットなのだ。万が一でのトラブルでも、一生変わらない状態になるわけではないし、ヒアルロン酸注入であれば、ヒアルロニダーゼという分解酵素で、ある程度の現状復帰が可能だ。
そんな事情で、美容外科や美容皮膚科のクリニックでの導入が進み、アンチエイジングクリニックでは、即時的な若返りをクライアントに体感できることで、受け入れられてきた。導入しているクリニックが、美容外科の垣根を越えて、増加するにしたがって、一般化し、消費者も心理的に、プチ整形を受けやすくなってきている。
さらに近年では、歯科医師が、歯科のトラブルに伴う、口唇部の美容的な回復に対して、ヒアルロン酸注入を行うケースが増加している。日本臨床抗老化医学会でも、こいで歯科医院の小出 一久 院長が、歯科医に対して、その法律的な根拠や、歯科としての心得などを講演している。
歯科でのヒアルロン酸注入は、口腔外科の範囲である口唇部に限られる。この口唇部は、通常の赤唇だけではなく、上は鼻底から下はオトガイ線左右はほうれい線に囲まれた部分を指す。
この部分の外見上の変化は、歯が内側からこの部分を外へ押し出そうとして働く力(リップサポート)や、歯が磨り減ることによって顎を閉じたときの長さが変化する(咬合高径の低下)など、歯科領域の変化が原因の一つとなっている。
リップサポートの減少や咬合高径の低下によって、赤唇の厚みの減少や口元のたるみ・シワが顕著になってしまうのだという。
このことは、美容外科医からも指摘があり、まず、歯科治療を行った後にヒアルロン酸の注入を行わないと、注入の効果が長続きしないことを毎回講演している。
また、効果的な施術とリピートのためには、痛みを抑えるということが重要だ。クライアントが痛がっていたら、まともな施術も出来ないし、リピートにもつながらない。そのため、ヒアルロン酸も、麻酔入りのものが市場で流通し始めている。
麻酔入りのヒアルロン酸で活発に流通しているものに、『レスチレイン』のリドカイン入りのものがある。小出院長も『レスチレイン』を好んで使用するドクターの一人だ。
それぞれのドクターが、注入するフィラー剤にも、こだわりを持っている。現在、世界中で200以上の製品が出回っていると言われるヒアルロン酸の注入剤だが、各社、様々な工夫がされており、価格も千差万別だ。
どのフィラーを選択すれば良いのか判断に迷うところだ。その場合には、まず『レスチレイン』が第一選択となるという。スェーデンのQ-MED社が生産するヒアルロン酸の注入剤『レスチレイン』は世界でトップシェアの製品と言える。まずそれを使用することで、ヒアルロン酸注入の基本を知り、その上でどのような製品が、自分の行う施術にあっているのかを考えれば、製品の選択に迷うことは少ないだろう。
『レスチレイン』を多くの医師が使用する理由としては、まず、製品中に含まれる添加物が少ないと言うことがある。ヒアルロン酸は注入された部位の皮膚を盛り上げ、シワを改善する。そのために一定の構造を保ち、水分を蓄え、嵩を増す必要がある。そのため、多くのヒアルロン酸製剤は、架橋剤といわれる化学的な修飾を行って、構造を維持している。一方で『レスチレイン』は特許技術でヒアルロン酸の粒子を安定化することで、化学的修飾を1%以下に抑えている。
このことは、何を意味するのか?構造がしっかりしていることで、嵩があるため、注入後の経時変化が少ない、添加物によるアレルギーのリスクが少ないなどのメリットがあるのだという。
また、注入に失敗したときには、ヒアルロニダーゼによってヒアルロン酸を分解するが、架橋剤が多いものだと、ヒアルロン酸は分解されても、架橋剤が分解されず、分解酵素の効果がうまく発揮されないこともあるという。
ただ、粒子のサイズについては、『レスチレイン』も多くの製品がラインナップされており、粒子の小さい製品を選択することも出来る(図を参照)。
その他のヒアルロン酸製剤も一つのブランドで、いくつかの製品がラインナップされているので、まず使用してみて、自分の施術にあった製品を選択することで、ヒアルロン酸注入のリピーターを増加させることが、可能になるだろう。
(JHM91号より)