メディカルエステの本流「インディバ」 [JHM]
[ 2009/6/3 ]
メディカルエステティック・ゾーン
こうした手軽な運動メニューやダイエットプログラムもBWJの見所の一つ
ビューティーワールドジャパン(以下:BWJ)が、5月18日から3日間、東京ビッグサイトで開催される。本紙読者にはもう、説明の必要はないであろうが、日本最大のエステティックのトレードショーだ。日本の美容シーンのトレンドは、ここで作られるといっても過言ではない内容で、医療機関関係者にも必見のイベントといえる。
そのBWJで今年ついに、メディカルエステティック・ゾーンが開設される。これまで本紙はアンチエイジング医療と、エステティックの施術が相性がよいことを何度も訴えかけてきた。その具体的な内容が、今年から展示されることになる。特設ステージでは、M’sクリニック南麻布の伊藤まゆMDなど、メディカルとエステティックに精通した演者による講演が行われる予定だ。
展示内容は、化粧品類の出展が多いが、本紙でおなじみのインディバ・ジャパンなどは、展示は美容機器ゾーンでも、メディカルエステティック・ゾーンのステージでセミナーを行う。
このようにBWJに常連の出展者は、かなりメディカルよりの出展者でも、エステティックゾーンで良いブースの位置が既に決まっているため、メディカルエステティック・ゾーンにのみ、メディカル関係の企業が集まっているわけではないので、注意が必要だ。 広大な会場なので、全てを見るには3日あっても足りないが、なるべく多くのブースを訪れることをお勧めする。
メディカルエステティック・ゾーンに出展するスピックは、美容・医療両面のコンサルティングを行っているが、今回は、鎌倉のスピックサロンメディカルクリニックの柳澤厚生MDと共同開発したヒーリングマッサージに加え、新たに開発したヘッドデトックスと水のいらないふき取りタイプのシャンプーによる、ヘッドスパ・システムの提案を行う。
水周りの設備のないサロンやクリニックでも行うことのできるヘッドスパとして、注目といえる。
ハイサイドコーポレーションも、WOVEクリニック中目黒と関連し、同院院長の開発する、『WOVE style』という成長因子に注目した化粧品システムや『アンプルール』というドクターズコスメの提案を行う。
また、サロンと医師の提携を提案するハートライフクリニックなど、医療機関の展示も行われる。
その他のゾーンの見所
メディカルエステティックゾーンでも講演を行なうインディバ・ジャパン
ドクターズコスメなど、化粧品については、メディカルエステティック・ゾーンで実際に触れてほしい。ここでは逆にメディカルエステティック・ゾーンではないが、医療関係者に足を運んでほしいブースを紹介してみる。
メディカル・エステティックのイメージに一番近いのがインディバ・ジャパンのCRet Systemであろう。エステティックでは主に痩身の機器として捉えられているが、医療では、痩身などのメタボ対策に加え、温熱療法などにも用いられている。
医療機関では、医療用の『MD530』を中心に、最近では高濃度ビタミンC点滴などとの併用も多い。
BWJではメディカルエステティック・ゾーンでは特設ステージで5月18日(月)15時30分から、医療への導入についての講演が行われるが、医療従事者なら聞き逃せないところだ。
美容については、東5ホールのクラスルームDでは美容系の講演が行われる。お勧めは、5月19日(火)13時10分からの、おのむら医院・理事長の小野村健太郎MDのメタボリックシンドーム、ダイエット外来についての講演は、医療従事者が聞いても聞き応えのあるものである。
また、BWJではもはや無くてはならない顔となっているDr.トーム=白澤友裕MDも、アートメイクやまつ毛パーマ・エクステンションなどについて、講演、展示を行う。医療従事者が、エステティックにここまで専門的になれるのか、という実感が得られるであろう。
医療機関向けのEポレーションとして、学会発表も行っている、ビーティフィックも展示を行う。同社では、副作用のないレチノイン酸として注目されている、フコキサンチンを用いた導入剤やホームケア用のEポレーションマシンなどを展示する。
エンダモロジーとして知られる、仏LPG社の展示はタカラベルモントやリツビなどが行うが、リツビはLPGのキーモジュールM6を用いた新しい局所痩身プログラム、『リポ・マッサージ』を主力に展開する。
医療では意外に配慮されていないものの一つに、施術用ベッドがある。ナチュレはアナライザーで肌質や体質を分析し、それに対するボディやフェイシャルの施術を提供しているが、同社の特徴は、施術ベッドにある。
ウォーターベッドの寝心地を施術用のベッドに導入している点も見逃せないが、施術者の負担を軽減するための高さの設定など、細かなノウハウが生きている。こうした寝心地や施術者への配慮については、エステ用の機器に一日の長があることが多い。
コスメ以外の物販で、医療機関でも導入実績があるのが、エステプロ・ラボのハーブティーだ。ある意味、コスメやサプリメントよりも、クライアントに勧めやすい商材かもしれない。販売だけでなく、予約制のクリニックなどでは、来客用にも用いられ、それが販売につながることもあり、自然な物販の売り上げにつながるのだという。
今年、最大規模の展示を行なうヴァリュゲイツのカスマラ。
一見の価値がある、美顔プログラムだ
また、カスマラというパックを展開しているヴァリュゲイツのブースは圧巻だ。カスマラは、スペインではレーザー治療後の沈静などにも用いられるパックを中心とした美肌プログラムで、医療機関でもメディカル・エステティックとして採用されているが、今回、停滞するエステティック市場へのメッセージとして、BWJの歴史始まって以来という72小間をつかった展示を行う。
展示の中心は先述したカスマラだが、それに加え新しく英国エナジス社のLED機器『REGEN』を紹介する。これは、フェイシャルのみならず、ボディもスカルプケアも行うことのできるLED。その他、美顔機の『ビガニクス』や多用途に使える光美容機『スベール・ヘア・スキン・ボディ・システム』など、様々な機器や施術が展開される。
BWJ以外のお勧めメディカル・エステティック
エステ業界が空前の不況で、力を失っている今、今までサロンによって満たされていた需要を、クリニックに取り込む好機であると本紙は考えている。この空前の不況で、BWJには、美容機器の展示、特にエレクトロポレーションやRFなどの出展社が減っている傾向がある。その一方で、そうしたカテゴリーにあって、今年のBWJに出展している企業は、それだけ定番であり、好不況にかかわらず、業績を伸ばしている機器と見ることもできる。
では、BWJ以外で、メディカル・エステティックとしてのサービスは、どんなものがあるだろうか?コスメや美容機器については、BWJで十分な情報が得られる一方で、BWJで弱いのが、インナーコスメ=サプリメントだ。
例えば、BWJでもプラセンタの展示は意外に多い。プラセンタといっても、注射剤ではなく経口のプラセンタだ。注射によるプラセンタを導入しているクリニックでは、経口のプラセンタは組み合わせるものとして、消費者の認知度も高く、お勧めといえる。
中でもサーンの『プラセンタプロ』は、これまでのブタではなく、アミノ酸を高含有したウマのプラセンタを用いて、ほぼ原液に近い形で製品化しているので、差別化しやすい商材となる。
また、同様にサプリメントで言えば、体感の良い素材にグルコサミンがあるが、グルコサミンは関節素材であるとともに、コラーゲンやヒアルロン酸と同様に、美容素材でもある。ただ、通常のグルコサミンでは、あまりにも関節のイメージが定着しているため、美容を訴求しづらい。
そこで焼津水産化学工業などがラインナップするN-アセチルグルコサミンなどは、美容を訴求できる新素材といえる。
事実、ヒアルロン酸の半分はN-アセチルグルコサミンによって構成されており、焼津水産化学工業では、美肌に関するエビデンスも整えている。
グルコサミンは通常、体内でN-アセチルグルコサミンとして存在しており、経口摂取した場合、通常のグルコサミンと比較して、N-アセチルグルコサミンは、生体適合性の高いグルコサミンと言われている。美容素材としてコラーゲンやヒアルロン酸に続くサプリメントといえる。
『メディカル・エステティックの真実』と、大層なタイトルの割りに、内容が・・・と思う読者もあるかもしれない。しかし、本来のメディカル・エステティックとはこのようなものではないだろうか?英語をそのまま翻訳すれば、美容医療であり、それでは現在の日本で行われている美容形成である。サロンなどで使われている、エステティックという言葉を、日本的に解釈したとき、本特集で紹介したものが、本来のメディカル・エステティックであると、ご理解いただけるのかもしれない。
(JHM84号より)
こうした手軽な運動メニューやダイエットプログラムもBWJの見所の一つ
ビューティーワールドジャパン(以下:BWJ)が、5月18日から3日間、東京ビッグサイトで開催される。本紙読者にはもう、説明の必要はないであろうが、日本最大のエステティックのトレードショーだ。日本の美容シーンのトレンドは、ここで作られるといっても過言ではない内容で、医療機関関係者にも必見のイベントといえる。
そのBWJで今年ついに、メディカルエステティック・ゾーンが開設される。これまで本紙はアンチエイジング医療と、エステティックの施術が相性がよいことを何度も訴えかけてきた。その具体的な内容が、今年から展示されることになる。特設ステージでは、M’sクリニック南麻布の伊藤まゆMDなど、メディカルとエステティックに精通した演者による講演が行われる予定だ。
展示内容は、化粧品類の出展が多いが、本紙でおなじみのインディバ・ジャパンなどは、展示は美容機器ゾーンでも、メディカルエステティック・ゾーンのステージでセミナーを行う。
このようにBWJに常連の出展者は、かなりメディカルよりの出展者でも、エステティックゾーンで良いブースの位置が既に決まっているため、メディカルエステティック・ゾーンにのみ、メディカル関係の企業が集まっているわけではないので、注意が必要だ。 広大な会場なので、全てを見るには3日あっても足りないが、なるべく多くのブースを訪れることをお勧めする。
メディカルエステティック・ゾーンに出展するスピックは、美容・医療両面のコンサルティングを行っているが、今回は、鎌倉のスピックサロンメディカルクリニックの柳澤厚生MDと共同開発したヒーリングマッサージに加え、新たに開発したヘッドデトックスと水のいらないふき取りタイプのシャンプーによる、ヘッドスパ・システムの提案を行う。
水周りの設備のないサロンやクリニックでも行うことのできるヘッドスパとして、注目といえる。
ハイサイドコーポレーションも、WOVEクリニック中目黒と関連し、同院院長の開発する、『WOVE style』という成長因子に注目した化粧品システムや『アンプルール』というドクターズコスメの提案を行う。
また、サロンと医師の提携を提案するハートライフクリニックなど、医療機関の展示も行われる。
その他のゾーンの見所
メディカルエステティックゾーンでも講演を行なうインディバ・ジャパン
ドクターズコスメなど、化粧品については、メディカルエステティック・ゾーンで実際に触れてほしい。ここでは逆にメディカルエステティック・ゾーンではないが、医療関係者に足を運んでほしいブースを紹介してみる。
メディカル・エステティックのイメージに一番近いのがインディバ・ジャパンのCRet Systemであろう。エステティックでは主に痩身の機器として捉えられているが、医療では、痩身などのメタボ対策に加え、温熱療法などにも用いられている。
医療機関では、医療用の『MD530』を中心に、最近では高濃度ビタミンC点滴などとの併用も多い。
BWJではメディカルエステティック・ゾーンでは特設ステージで5月18日(月)15時30分から、医療への導入についての講演が行われるが、医療従事者なら聞き逃せないところだ。
美容については、東5ホールのクラスルームDでは美容系の講演が行われる。お勧めは、5月19日(火)13時10分からの、おのむら医院・理事長の小野村健太郎MDのメタボリックシンドーム、ダイエット外来についての講演は、医療従事者が聞いても聞き応えのあるものである。
また、BWJではもはや無くてはならない顔となっているDr.トーム=白澤友裕MDも、アートメイクやまつ毛パーマ・エクステンションなどについて、講演、展示を行う。医療従事者が、エステティックにここまで専門的になれるのか、という実感が得られるであろう。
医療機関向けのEポレーションとして、学会発表も行っている、ビーティフィックも展示を行う。同社では、副作用のないレチノイン酸として注目されている、フコキサンチンを用いた導入剤やホームケア用のEポレーションマシンなどを展示する。
エンダモロジーとして知られる、仏LPG社の展示はタカラベルモントやリツビなどが行うが、リツビはLPGのキーモジュールM6を用いた新しい局所痩身プログラム、『リポ・マッサージ』を主力に展開する。
医療では意外に配慮されていないものの一つに、施術用ベッドがある。ナチュレはアナライザーで肌質や体質を分析し、それに対するボディやフェイシャルの施術を提供しているが、同社の特徴は、施術ベッドにある。
ウォーターベッドの寝心地を施術用のベッドに導入している点も見逃せないが、施術者の負担を軽減するための高さの設定など、細かなノウハウが生きている。こうした寝心地や施術者への配慮については、エステ用の機器に一日の長があることが多い。
コスメ以外の物販で、医療機関でも導入実績があるのが、エステプロ・ラボのハーブティーだ。ある意味、コスメやサプリメントよりも、クライアントに勧めやすい商材かもしれない。販売だけでなく、予約制のクリニックなどでは、来客用にも用いられ、それが販売につながることもあり、自然な物販の売り上げにつながるのだという。
今年、最大規模の展示を行なうヴァリュゲイツのカスマラ。
一見の価値がある、美顔プログラムだ
また、カスマラというパックを展開しているヴァリュゲイツのブースは圧巻だ。カスマラは、スペインではレーザー治療後の沈静などにも用いられるパックを中心とした美肌プログラムで、医療機関でもメディカル・エステティックとして採用されているが、今回、停滞するエステティック市場へのメッセージとして、BWJの歴史始まって以来という72小間をつかった展示を行う。
展示の中心は先述したカスマラだが、それに加え新しく英国エナジス社のLED機器『REGEN』を紹介する。これは、フェイシャルのみならず、ボディもスカルプケアも行うことのできるLED。その他、美顔機の『ビガニクス』や多用途に使える光美容機『スベール・ヘア・スキン・ボディ・システム』など、様々な機器や施術が展開される。
BWJ以外のお勧めメディカル・エステティック
エステ業界が空前の不況で、力を失っている今、今までサロンによって満たされていた需要を、クリニックに取り込む好機であると本紙は考えている。この空前の不況で、BWJには、美容機器の展示、特にエレクトロポレーションやRFなどの出展社が減っている傾向がある。その一方で、そうしたカテゴリーにあって、今年のBWJに出展している企業は、それだけ定番であり、好不況にかかわらず、業績を伸ばしている機器と見ることもできる。
では、BWJ以外で、メディカル・エステティックとしてのサービスは、どんなものがあるだろうか?コスメや美容機器については、BWJで十分な情報が得られる一方で、BWJで弱いのが、インナーコスメ=サプリメントだ。
例えば、BWJでもプラセンタの展示は意外に多い。プラセンタといっても、注射剤ではなく経口のプラセンタだ。注射によるプラセンタを導入しているクリニックでは、経口のプラセンタは組み合わせるものとして、消費者の認知度も高く、お勧めといえる。
中でもサーンの『プラセンタプロ』は、これまでのブタではなく、アミノ酸を高含有したウマのプラセンタを用いて、ほぼ原液に近い形で製品化しているので、差別化しやすい商材となる。
また、同様にサプリメントで言えば、体感の良い素材にグルコサミンがあるが、グルコサミンは関節素材であるとともに、コラーゲンやヒアルロン酸と同様に、美容素材でもある。ただ、通常のグルコサミンでは、あまりにも関節のイメージが定着しているため、美容を訴求しづらい。
そこで焼津水産化学工業などがラインナップするN-アセチルグルコサミンなどは、美容を訴求できる新素材といえる。
事実、ヒアルロン酸の半分はN-アセチルグルコサミンによって構成されており、焼津水産化学工業では、美肌に関するエビデンスも整えている。
グルコサミンは通常、体内でN-アセチルグルコサミンとして存在しており、経口摂取した場合、通常のグルコサミンと比較して、N-アセチルグルコサミンは、生体適合性の高いグルコサミンと言われている。美容素材としてコラーゲンやヒアルロン酸に続くサプリメントといえる。
『メディカル・エステティックの真実』と、大層なタイトルの割りに、内容が・・・と思う読者もあるかもしれない。しかし、本来のメディカル・エステティックとはこのようなものではないだろうか?英語をそのまま翻訳すれば、美容医療であり、それでは現在の日本で行われている美容形成である。サロンなどで使われている、エステティックという言葉を、日本的に解釈したとき、本特集で紹介したものが、本来のメディカル・エステティックであると、ご理解いただけるのかもしれない。
(JHM84号より)