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高濃度V.C点滴は腫瘍増殖速度を半減 [JHM]

[ 2009/5/25 ]
高濃度V.C(アスコルビン酸塩)の静脈内投与が腫瘍の増殖速度を半減させるーとした研究成果が先ごろ、米国PNAS(Proceedings of the National academy of SciencesUSA)に発表された。
 試験を行なった米NIHと米国立糖尿病消化器疾患研究所のM Levine博士らは、この結果から、高濃度V.C療法が治療選択肢の限られた腫瘍に対して有効であると、示唆している。
今回の試験では、膠芽腫異種移植片を移植したマウスを使い、リアルタイム微小透析サンプリング法で、まずV.Cの単回投与によって腫瘍に対する作用をみた。
アスコルビン酸塩の投与量は薬理学的有効量として実施したところ、腫瘍の間質液中でアスコルビン酸塩ラジカルと過酸化水素の持続的な発生をみた。

一方多種類の腫瘍に対する試験系でも、その容積が41〜53%減少したが、腫瘍のすべてが増殖速度が速く治療選択肢は限られてしまったという。さらに、アスコルビン酸塩を毎日投与することにより、マウスに移植された卵巣腫瘍、膵臓腫瘍、膠芽腫はその増殖速度を有意に低下したことが明らかになった。
中でも膠芽腫移植モデルマウスでは、転移に関しても抑制効果を認めている。

Levine博士らは、さらに臨床試験での追跡も行なっており、静脈内点滴で投与された高濃度V.Cの血漿中V.C濃度がマウスで到達する濃度と同等である可能性がわかったとしている。

そして点滴療法に対するベネフィットに加え、今までの一連の研究からその安全性についても高い評価が得られていることは言うまでもない。
アスコルビン酸塩の非経口投与がヒトでは有益で無害であるとする根拠がすでに多くの研究で明らかになっている。

例えば、第1相試験によりV.C静脈内点滴が副作用がないことが立証されている(Annals of Oncogy 2008)。また、米国の補完代替医療を実践する多くの医師らが、高濃度V.C点滴を行いグルコース-6-リン酸脱水素酵素欠乏症や鉄欠乏症、さらにはシュウ酸腎症の有無に関して適切に患者にスクリーニングをかけていきさえすれば、毒性はないとしている。
今回の研究成果が動物試験レベルではあるというものの、こうした結果から高濃度ビタミンC点滴による抗がん療法は、今後医療、とりわけアンチエイジング医療の一翼を担う診療科目として導入がさらに進むものと思われる。





(JHM84号より)
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