[JHM] 血液・血管のアンチエイジング⑥ – 血管サプリ
[ 2009/2/3 ]
イソフラボン
先述したようにエストロゲンには、血管の保護作用がある。同様のことが大豆イソフラボンにおいても確認されている。
血管内皮細胞への作用はニチモウの大豆イソフラボン、アグリマックスを用いて確認されている。5週齢のオスの脳卒中易発症性高血圧ラット(SHRSP)をイソフラボン群とコントロールに分け、イソフラボン群には20mg/kgを経口投与し、血清中、尿中のNO濃度の測定を行なうと共に、6週後ラットを屠殺後、脳室と心室を除去し軽量、大動脈からRNAを全て取り出し、eNOS(内皮型一酸化窒素シンセターゼ)の遺伝子発現を見ている。
この結果イソフラボン摂取群はコントロールに比べ、収縮時血圧、心室重量は有意に低下し、尿中、血清中のNOは有意に高く、eNOSのmRNAの発現量はコントロールに比べ有意に高かった。
エストロゲンは血管壁のエストロゲン受容体に作用し、内皮由来一酸化窒素の生成を促進することが知られている。イソフラボンはα、βのエストロゲン受容体に作用することが知られており、eNOSmRNAの発現が見られたことで、ニチモウのアグリマックスがエストロゲンと同様に血管壁のエストロゲン受容体に結合し、NO産生を促進したことが示唆されている。
シトルリン
アルギニンにNO産生能があり、ホルモンの賦活作用なども見込んで、アンチエイジングサプリメントとして活用されている例が多いが、アルギニン以上にその効果を発揮するのが、シトルリンだ。昨年食薬区分の変更によってサプリメントとして活用できるようになったばかりの新素材で、国内の供給は協和発酵工業が原料を生産している。
シトルリンは肝臓での解毒システム、オルニチン回路の主要構成メンバーであり、経口摂取によりアンモニアの代謝を促進する。
欧州では疲労回復の適用で一般用医薬品(シトルリン‐リンゴ酸塩)、米国ではスポーツサプリメントとして活用されている。
しかし、シトルリンの最も注目すべき機能は、血管に対しての効果だ。タンパク質を構成しないシトルリンは、遊離アミノ酸として血中に存在し、体内でアルギニンに再生され、NO産生に用いられている。
一説によると、経口から摂取されたアルギニンは、肝臓でタンパク合成に用いられてしまい、全身でNO産生に用いられるためには、遊離アミノ酸となって、血中に存在しなければならないのだという。
そのため、タンパク合成に用いられないシトルリンは、経口摂取により、腸管から吸収され、血中に遊離アミノ酸として存在し、腎臓でアルギニンに代謝される。ここで合成されたアルギニンは、タンパク合成に利用されること無く、遊離アミノ酸として、全身に供給されるといわれている。全身でNO産生を目的に摂取するアミノ酸としては、アルギニンよりもシトルリンの方が適しているということが示唆されている。
ω3多価不飽和脂肪酸
『DPA』は同じω3の多価不飽和脂肪酸EPAに似た性質を持っている。周知の通り、EPAは閉塞性動脈硬化症・高脂血症の“治療薬”である。
エル・エス コーポレーションは、『DPA』の動脈硬化抑制作用として、血管内皮細胞の遊走能に対しての効果をEPAと比較している。
その結果、『DPA』はEPAの1/10の濃度で同等の効果を発現しており、血管内皮細胞の遊走能促進効果が、EPAの約10倍であることが東京医科歯科大の森田教授によって確認されている。
血管内皮細胞が傷つきやすかったりはがれたりすると、動脈硬化が進む。血管内皮細胞の遊走能が高いと動脈硬化になりづらいといえる。
さらにLDLコレステロールや中性脂肪TGを下げることは当然として注目すべきはHDLコレステロールを上げることが『DPA』の最大の特徴だ。
これは医薬品には見られない効果で、HDLコレステロールが40mg/dlよりも低い低HDL血症は、動脈硬化のリスクが高いとされている。
また、同社の『DPA』は2時間たっても胃液で解けない、直径2.5mmの腸溶性カプセルを使用しており、EPAやDHAとも共通の、魚臭さを感じない工夫がされている。医薬品で言うところの副作用、胃部不快感を防ぐ工夫もされているのだ。直径2.5mmのカプセルなので飲みやすいことも特徴だ。
マルチビタミン・ミネラルのサプリメントの活用が一般的になった今、クリニックで次に導入すべきベーシックサプリの筆頭が、ω3といえる。なかでも機能性の高い『DPA』はクリニックの独自性を打ち出すのにはうってつけのサプリメントといえる。
また、タマ生化学は医薬品レベルのEPA・DHAに加え、大豆イソフラボンやイチョウ葉エキスなど、全て自社による抽出の原料を供給しているメーカーである。
同社は医薬品の中間体を製造しているため、こうしたサプリメント原料においても医薬品GMPと同等のノウハウで管理され、その抽出や濃縮技術には定評がある。
EPAやDHAの欠点はその臭いだが、同社のω3には臭いが少ない。これは徹底した原料管理や精度の高い抽出技術を持っているからに他ならない。
(JHM81号より)
先述したようにエストロゲンには、血管の保護作用がある。同様のことが大豆イソフラボンにおいても確認されている。
血管内皮細胞への作用はニチモウの大豆イソフラボン、アグリマックスを用いて確認されている。5週齢のオスの脳卒中易発症性高血圧ラット(SHRSP)をイソフラボン群とコントロールに分け、イソフラボン群には20mg/kgを経口投与し、血清中、尿中のNO濃度の測定を行なうと共に、6週後ラットを屠殺後、脳室と心室を除去し軽量、大動脈からRNAを全て取り出し、eNOS(内皮型一酸化窒素シンセターゼ)の遺伝子発現を見ている。
この結果イソフラボン摂取群はコントロールに比べ、収縮時血圧、心室重量は有意に低下し、尿中、血清中のNOは有意に高く、eNOSのmRNAの発現量はコントロールに比べ有意に高かった。
エストロゲンは血管壁のエストロゲン受容体に作用し、内皮由来一酸化窒素の生成を促進することが知られている。イソフラボンはα、βのエストロゲン受容体に作用することが知られており、eNOSmRNAの発現が見られたことで、ニチモウのアグリマックスがエストロゲンと同様に血管壁のエストロゲン受容体に結合し、NO産生を促進したことが示唆されている。
シトルリン
アルギニンにNO産生能があり、ホルモンの賦活作用なども見込んで、アンチエイジングサプリメントとして活用されている例が多いが、アルギニン以上にその効果を発揮するのが、シトルリンだ。昨年食薬区分の変更によってサプリメントとして活用できるようになったばかりの新素材で、国内の供給は協和発酵工業が原料を生産している。
シトルリンは肝臓での解毒システム、オルニチン回路の主要構成メンバーであり、経口摂取によりアンモニアの代謝を促進する。
欧州では疲労回復の適用で一般用医薬品(シトルリン‐リンゴ酸塩)、米国ではスポーツサプリメントとして活用されている。
しかし、シトルリンの最も注目すべき機能は、血管に対しての効果だ。タンパク質を構成しないシトルリンは、遊離アミノ酸として血中に存在し、体内でアルギニンに再生され、NO産生に用いられている。
一説によると、経口から摂取されたアルギニンは、肝臓でタンパク合成に用いられてしまい、全身でNO産生に用いられるためには、遊離アミノ酸となって、血中に存在しなければならないのだという。
そのため、タンパク合成に用いられないシトルリンは、経口摂取により、腸管から吸収され、血中に遊離アミノ酸として存在し、腎臓でアルギニンに代謝される。ここで合成されたアルギニンは、タンパク合成に利用されること無く、遊離アミノ酸として、全身に供給されるといわれている。全身でNO産生を目的に摂取するアミノ酸としては、アルギニンよりもシトルリンの方が適しているということが示唆されている。
ω3多価不飽和脂肪酸
『DPA』は同じω3の多価不飽和脂肪酸EPAに似た性質を持っている。周知の通り、EPAは閉塞性動脈硬化症・高脂血症の“治療薬”である。
エル・エス コーポレーションは、『DPA』の動脈硬化抑制作用として、血管内皮細胞の遊走能に対しての効果をEPAと比較している。
その結果、『DPA』はEPAの1/10の濃度で同等の効果を発現しており、血管内皮細胞の遊走能促進効果が、EPAの約10倍であることが東京医科歯科大の森田教授によって確認されている。
血管内皮細胞が傷つきやすかったりはがれたりすると、動脈硬化が進む。血管内皮細胞の遊走能が高いと動脈硬化になりづらいといえる。
さらにLDLコレステロールや中性脂肪TGを下げることは当然として注目すべきはHDLコレステロールを上げることが『DPA』の最大の特徴だ。
これは医薬品には見られない効果で、HDLコレステロールが40mg/dlよりも低い低HDL血症は、動脈硬化のリスクが高いとされている。
また、同社の『DPA』は2時間たっても胃液で解けない、直径2.5mmの腸溶性カプセルを使用しており、EPAやDHAとも共通の、魚臭さを感じない工夫がされている。医薬品で言うところの副作用、胃部不快感を防ぐ工夫もされているのだ。直径2.5mmのカプセルなので飲みやすいことも特徴だ。
マルチビタミン・ミネラルのサプリメントの活用が一般的になった今、クリニックで次に導入すべきベーシックサプリの筆頭が、ω3といえる。なかでも機能性の高い『DPA』はクリニックの独自性を打ち出すのにはうってつけのサプリメントといえる。
また、タマ生化学は医薬品レベルのEPA・DHAに加え、大豆イソフラボンやイチョウ葉エキスなど、全て自社による抽出の原料を供給しているメーカーである。
同社は医薬品の中間体を製造しているため、こうしたサプリメント原料においても医薬品GMPと同等のノウハウで管理され、その抽出や濃縮技術には定評がある。
EPAやDHAの欠点はその臭いだが、同社のω3には臭いが少ない。これは徹底した原料管理や精度の高い抽出技術を持っているからに他ならない。
(JHM81号より)