アンチエイジング美容医療業界における、
JAAS厳選のスペシャリスト達を取材・レポートしていきます。
RFによる下腿筋、咬筋退縮のパイオニア
SAMSUNG CLINIC
SAMSUNG CLINICソウル江南区
住所 |
ソウル江南区・新沙洞 |
アクセス |
|
電話番号 |
|
診療時間 |
|
定休日 |
|
URL |
|
時代は後戻りはしない。日本に学び、追いつけ追い越せ!と邁進してきた韓国に、かつて美容医療の世界でもその技術を伝授してきた日本だが、いまやその整形術が彼ら韓国の医師によって独自のスキル「Made in Korea」となって生まれるものが少なくない。技術立国として戦後、世界マーケットをけん引してきたMade in Japanとしての輝かしい時代をつくってきた日本も、最近その影は薄い。美容医療の分野もまた例外ではない。施術に対する研さんとあくなきアイデアの探究、そして熾烈な競争の中でこそ生まれる、患者への治療効果と満足度に対する美容術の進化と発展が、彼らのモチベーションをさらにあげるのだろう。先達の日本の美容整形医のかつての教え子たちが勇躍、アジアでの評価をあげる。しかし、その日本が技術を伝承したかつての時代を回顧しても始まらない。いま再び、日本の美容医療の技とその美的センスを海外に輸出する時である。時代を後戻りするのではなく、時代をリードしていく日本の美容医療界にエールを送る意味でも、韓国の美容整形医そしてクリニックを探訪しながら、そのヒントを探してみたい。シリーズ12回目は韓国ソウル・江南区のSAMSUNG CLINICを訪ねた。
高い学識に加えそのスキルもあってかつてはソウル大形成外科の次期教授!との呼び声も高かったが、一転美容形成医として熾烈な競争社会の真っただ中に身を置く。学問に身をおくよりも実践と検証そして何よりも患者にとってベストな治療術を提供することに魅力を感じたからだという。いまやソウル大ではない成均館大学医学部形成外科の助教授も兼任する実力者だ。国内外で多くの症例発表、学術論文を出し続けながら眼瞼形成、鼻形成、フェイスリフト、輪郭矯正、豊胸、医療痩身などその美容形成術は幅広い。そしてSAMSUNG CLINICを著名な美容クリニックに育て上げてきた。
多彩な才能は、マーケティング術にも及び「ユーザーニーズ」を捉えた美容医療の新たな治療術の開発に余念がない。その象徴ともいえる独自の低侵襲術がRF機器による「咬筋退縮、歯ぎしり矯正」である。すでにJAASアカデミー主催でソウルそして日本でのライブ供覧を実施しているため、ご存じの読者もいるはずだ。
Park医師と技術協力、共同開発した医療機器会社アプロコリア社は、RF(Radio Frequency)手術マシンを専門に開発、生産、販売するところで、KFDAのみならずCEの認証も得ISO13485、ISO9001を保有する製造ラインをもつ。本体のジェネレータはもちろん高周波、高周波熱上発生器まで外注せず一貫開発、製造する。取引先は整形外科、皮膚科を中心に、腫瘍(癌を含む)治療、神経治療さらには歯科分野まで多岐にわたり、その導入件数は国内の大学病院など1000ヵ所にも及ぶ。そして、美容医療分野でのRF応用機器を、Park医師と共に3年の臨床試験をもとに改良、進化させた治療マシンを完成させた。
美容形成術にRFを応用した低侵襲術は、そもそも同医師が2006年にCalf Reducsion治療を考案したのが始まりで、アメリカ形成外科学会で論文発表し衝撃を与えた。いわゆる切らない下腿筋委縮術(NICR)のパイオニアである。しかし、技術研修をする前に、Park医師の知らざるクリニックや医師によってこの施術が独り歩きし普及途上で稚拙な術者スキルやリバウンドなどで ブーム消滅していった。日本でも「ダイコン足」「ししゃも足」といわれるふくらはぎにコンプレックスを抱えるユーザー需要を背景に、NICRは普及したが需要は思うほど拡大しなかった。下腿筋のうちMusculus soleusひらめ筋、gastrocnemius 腓腹筋を症例によって遮断するが、術者の技量やリバウンドなど問題が要因といわれる。
この当時、RF照射のターゲットは筋肉を焼灼する第一世代マシンで、たとえば1年後に36%の筋肉縮小があるものの2年後には29%へとリバウンドした。さらに第二世代では神経を探し遮断させ従来の施術法に比べ格段に筋肉は縮小したが、やはり筋肉量は戻ってします。そしてなにより、RFジェネレータの適正な温度制御や照射面などマシンの安定性に不安があり、、また筋肉内に数多く分岐する神経走行に点でしか捉えることができなかった(1000症例をこなしてきた同医師でもまれに神経探索は難しい)ことが要因で、普及していかなかった。
そして改良を加え完成したのが第三世代のマシンである。NICRはもちろん、咬筋委縮術,歯ぎしり、いびき(口腔内穿刺)治療など口腔内からアプローチによる手術も可能で、小顔形成や歯科分野にも応用できる。
韓国では顎のVラインをシャープにした小顔形成では、モデルだけではなく一般男女の間でも大変人気を呼んでいる。Vライン形成には骨切り等の手術もあるが、実は骨格だけではなく筋肉も大きく関係しているため、このRF治療での結果を重視している。
今年に入り、JAAASアカデミーが開いたソウルそして日本でのライブ講習会では、一連の操作、施術がつぶさに観察できたが、第二世代の神経を遮断して筋肉を退縮させる神経遮断術と異なり、「モーターポイント」とPark医師が呼ぶ[神経筋接合部]の動きを制御する方法で、筋肉のボリウムを減らすことができるため再発することがない。施術前そして施術中にもハンディ超音波エコーで筋肉の厚さを観察しながら、「モーターポイント」検索用プローブでまずは注入点をみつけ、口腔内から唾液腺に気を付けながら、ニードルで焼灼していく。「慣れれば30分で治療は終わる」という。ちなみに同クリニックでは治療費30万円、多い時で一日5人以上をこなす。
神経遮断術と異なりモーターポイントのみにピンポイントでマイルドな刺激を与えるため、痛みもかなり軽減される。副作用としては、口腔内粘液が増えたり、浮腫、血種が生じることがまれにあるが、いずれの場合も抜いてしまえば問題ないと話す。
さらにボトックスなどによる小顔形成ではリバウンド現象や頬がこけてしまうが、この施術では引き締まった小顔形成ができる。
「完成したマシンはRFインピーダンスの調整とプローブ、ニードルを改良したことによってモーターポイントを的確に探し、焼灼できる。従来の照射法は熟練の技が必要だったが、このマシンでは少しの研修によってほぼマニュアル通りにできる。いわば普及版の施術であるといえるでしょう」(Park医師)
同機にはプラズマ照射のできる付属コネクターとハンドピースを使って、難治性ニキビやアトピー治療にも効果が高いことも確認されている。