通称〝粘膜レーザー〝に美容クリニックから熱い視線
[ 2016/8/1 ]
歯科ほどではないとはいえ、美容医療等の自由診療を行うクリニックも増加傾向にある。大手クリニック等で技術を学んだ後に独立するといったケースも多く、今後も新規開業は引き続き一定数の割合で増加し続けるだろう。このような中、新規クリニックに限らず、既存クリニックにおいても患者の囲い込みのためには他院との差別化や特色のうち出しが必須条件となってくる。医師の人柄や技術的な部分が最も影響力が大きいが、取り扱う治療法や医療機器、コスメやサプリなどの部分でも差別化を作ることは可能だ。今回は、まだ国内では導入がそれほど進んでないものの、今後の活躍が期待される商材を探った。
美容医療の現場で使用されるレーザーはドイツ、イスラエル、アメリカそして韓国といった国が主流だが、実は日本への輸入数が少ないだけで、高い技術力を持った国は他にもまだまだある。その中の一つがスロベニアだ。スロベニアは他国と異なる独立した工業地域で独自技術を使った機器開発を行っており、全てのパーツを自国内で製造、組み立てすることができる。そんなスロベニア発の医療機器が、アメリカの医師向け美容医療専門誌「AESTHETIC GUIDE」による2015年の「The Aesthetic Industry Awards 2015」(その年の最も革新的な製品や技術を表彰するアワード)で「BEST MULTI-USE ENERGY-BASED DEVISE」として表彰された。
その機械こそ、スロベニアのフォトナ社が製造した「Dynamis Pro」という機械で、賞の名前の通り、まさにこの機械ひとつでほぼすべての治療を行うことができるレーザーで、そのマルチな治療範囲については、ヨーロッパはもちろん、アメリカ、アジアなど様々な国で美容医療を手掛ける医師達が注目している。
フォトナ社の「Dynamis」シリーズは、実際に詳細を知れば知るほど「マルチさ」に本当に驚かされる。適応症例の一部を挙げると、しわ・たるみ、頬やほうれい線のリフトアップ、目元のたるみ・くま、しみ・赤ら顔、ピーリング、脱毛、ニキビ、ホクロ除去やニキビ跡、傷あとなどのフラクショナル治療、毛細血管拡張症といった美容皮膚科領域に限らず、爪白癬、いびき・無呼吸症候群、外科手術(下肢静脈瘤、レーザー脂肪溶解、多汗症)、さらには婦人科領域として膣弛緩、尿失禁、萎縮性膣炎、子宮脱、小陰唇・大陰唇・乳輪の色素沈着の軽減なども適応範囲としている。いずれもノーダウンタイムで切開、縫合、麻酔不要で確実な効果を出すことができる。
様々なレーザー機器がある中で、フォトナ社の「Dynamis」シリーズがこれほどの症状に適応する理由は何か。それは、Er:YAG(2940nm)とNd:YAG(1064nm)という2波長と、6つのモード(4-Nd:YAG1064nm/FRAC3、VERSA、PIANO、QCW、2-Er:YAG 2940nm/VSP、SMOOTH)を搭載しており、複数のハンドピースを使い分けることで、通常のレーザー6台分の機能を1台に実装しているためあれほどの幅広い治療に活用することができる。この「2波長6モード」機能は他には真似できないハイテクノロジーで、サブマイクロセカンドパルスから最長6秒照射のスーパーロングパルスまでの照射が可能なレーザーになっている。
日本代理店のハルテックによると、もともとは膣縮小治療をメインとした機器として紹介を行っていたが、膣粘膜への照射によってたるみ改善が期待できる点に着目した南米(アルゼンチン)やアジア(韓国)など各国のユーザー医師が、メーカー主催の症例発表会にて口腔内からのリフトアップや、結膜照射による目元のたるみ改善治療への応用等を発表し、そこから症例数や活用範囲が増加、その結果婦人科だけではなくリフトアップやたるみ治療など美容医療を含めた幅広い治療で多くの医師が利用するきっかけになったという。「Dynamis」シリーズは現在国内では、美容皮膚科、皮膚科、美容外科、泌尿器科、婦人科などで20台ほどが導入されている。 一方、京都大学や東京大学と共同研究・開発を行っているキレートジャパンは、独自の化粧品技術を応用した自社ブランド「リコアセラム」の開発や、様々な OEM 受託での企画開発を行っている。 同社は食品を保存する技術であるフリーズドライ法を美容分野へ導入した先駆け的企業で、凍結乾燥技術(フリーズドライ)を最先端で研究を重ね、日本で初めてグロースファクターなど複数の有効成分を安定化させることに成功した。
美容液をフリーズドライ化することで、常に新鮮な成分を使用することができるのと同時に、防腐剤を一切含有しない「完全無添加」の化粧品となっている。 さらにIPS 幹細胞の発見で有名な京都大学と共同研究・開発したハイドロゲルを使用することで、FGF(線維芽細胞増殖因子)や EGF(表皮細胞増殖因子)といった不安定な成分の安定化を実現した。 また、美容成分を真皮層まで確実にゆっくりと浸透させる、DDS(ダイレクトデリバリーシステム)機能と呼ばれる、自社オリジナルのカプセル化技術「ナノソーム」により、浸透力の高さを最大限に引き出すことをも可能としている。
同社のオリジナル化粧品は、中国・韓国・台湾・タイなどのアジア地域で先行販売されており、すでに中国国内ではフリーズドライ・ヒト幹細胞培養液を使用した化粧品として話題を呼んでいる。同社では今年から、新たに国内でも独自技術を活用した新しい化粧品シリーズを手掛けていく予定だ。これらの商品は一般販売を行わず、エステサロン・美容クリニックなどの販路で販売を展開していく。
美容医療の現場で使用されるレーザーはドイツ、イスラエル、アメリカそして韓国といった国が主流だが、実は日本への輸入数が少ないだけで、高い技術力を持った国は他にもまだまだある。その中の一つがスロベニアだ。スロベニアは他国と異なる独立した工業地域で独自技術を使った機器開発を行っており、全てのパーツを自国内で製造、組み立てすることができる。そんなスロベニア発の医療機器が、アメリカの医師向け美容医療専門誌「AESTHETIC GUIDE」による2015年の「The Aesthetic Industry Awards 2015」(その年の最も革新的な製品や技術を表彰するアワード)で「BEST MULTI-USE ENERGY-BASED DEVISE」として表彰された。
その機械こそ、スロベニアのフォトナ社が製造した「Dynamis Pro」という機械で、賞の名前の通り、まさにこの機械ひとつでほぼすべての治療を行うことができるレーザーで、そのマルチな治療範囲については、ヨーロッパはもちろん、アメリカ、アジアなど様々な国で美容医療を手掛ける医師達が注目している。
フォトナ社の「Dynamis」シリーズは、実際に詳細を知れば知るほど「マルチさ」に本当に驚かされる。適応症例の一部を挙げると、しわ・たるみ、頬やほうれい線のリフトアップ、目元のたるみ・くま、しみ・赤ら顔、ピーリング、脱毛、ニキビ、ホクロ除去やニキビ跡、傷あとなどのフラクショナル治療、毛細血管拡張症といった美容皮膚科領域に限らず、爪白癬、いびき・無呼吸症候群、外科手術(下肢静脈瘤、レーザー脂肪溶解、多汗症)、さらには婦人科領域として膣弛緩、尿失禁、萎縮性膣炎、子宮脱、小陰唇・大陰唇・乳輪の色素沈着の軽減なども適応範囲としている。いずれもノーダウンタイムで切開、縫合、麻酔不要で確実な効果を出すことができる。
様々なレーザー機器がある中で、フォトナ社の「Dynamis」シリーズがこれほどの症状に適応する理由は何か。それは、Er:YAG(2940nm)とNd:YAG(1064nm)という2波長と、6つのモード(4-Nd:YAG1064nm/FRAC3、VERSA、PIANO、QCW、2-Er:YAG 2940nm/VSP、SMOOTH)を搭載しており、複数のハンドピースを使い分けることで、通常のレーザー6台分の機能を1台に実装しているためあれほどの幅広い治療に活用することができる。この「2波長6モード」機能は他には真似できないハイテクノロジーで、サブマイクロセカンドパルスから最長6秒照射のスーパーロングパルスまでの照射が可能なレーザーになっている。
日本代理店のハルテックによると、もともとは膣縮小治療をメインとした機器として紹介を行っていたが、膣粘膜への照射によってたるみ改善が期待できる点に着目した南米(アルゼンチン)やアジア(韓国)など各国のユーザー医師が、メーカー主催の症例発表会にて口腔内からのリフトアップや、結膜照射による目元のたるみ改善治療への応用等を発表し、そこから症例数や活用範囲が増加、その結果婦人科だけではなくリフトアップやたるみ治療など美容医療を含めた幅広い治療で多くの医師が利用するきっかけになったという。「Dynamis」シリーズは現在国内では、美容皮膚科、皮膚科、美容外科、泌尿器科、婦人科などで20台ほどが導入されている。 一方、京都大学や東京大学と共同研究・開発を行っているキレートジャパンは、独自の化粧品技術を応用した自社ブランド「リコアセラム」の開発や、様々な OEM 受託での企画開発を行っている。 同社は食品を保存する技術であるフリーズドライ法を美容分野へ導入した先駆け的企業で、凍結乾燥技術(フリーズドライ)を最先端で研究を重ね、日本で初めてグロースファクターなど複数の有効成分を安定化させることに成功した。
美容液をフリーズドライ化することで、常に新鮮な成分を使用することができるのと同時に、防腐剤を一切含有しない「完全無添加」の化粧品となっている。 さらにIPS 幹細胞の発見で有名な京都大学と共同研究・開発したハイドロゲルを使用することで、FGF(線維芽細胞増殖因子)や EGF(表皮細胞増殖因子)といった不安定な成分の安定化を実現した。 また、美容成分を真皮層まで確実にゆっくりと浸透させる、DDS(ダイレクトデリバリーシステム)機能と呼ばれる、自社オリジナルのカプセル化技術「ナノソーム」により、浸透力の高さを最大限に引き出すことをも可能としている。
同社のオリジナル化粧品は、中国・韓国・台湾・タイなどのアジア地域で先行販売されており、すでに中国国内ではフリーズドライ・ヒト幹細胞培養液を使用した化粧品として話題を呼んでいる。同社では今年から、新たに国内でも独自技術を活用した新しい化粧品シリーズを手掛けていく予定だ。これらの商品は一般販売を行わず、エステサロン・美容クリニックなどの販路で販売を展開していく。