本稿ではメディカルユースで重視される要素を備えたサプリメントをシリーズで紹介していきたい。その基準となるポイントは、医療で活用できる有効性、安全性を担保できるエビデンスはもちろん、医療機関で扱うからこそ「体感」が重視される商材だ。シリーズ３回目は自然界に存在する原料をもとにしたサプリメントを２品紹介したい。


微生物や酵素、菌が作り出した成分を基に、できるだけ自然に近い形で開発された天然系のサプリメントが、国内だけではなく中国、韓国、台湾、インド、タイなどのアジア圏やアメリカ、ヨーロッパでも需要が増えている。今回は自然界に存在する原料をもとにしたサプリメントを述べてみたい。 ２０年以上前からタイのマングローブの研究開発を行っているアイエスオーソリューションは、その研究・開発の中で熱帯地方の河川における腐敗物や毒素を分解して水を浄化しているのがマングローブ群生地帯の有益な酵素や菌であることを解明した。 そしてさらに研究を重ね、マングローブが作る７種類の微生物と微生物が作り出した酵素を含有する酵素食品「N-ZYME」（エヌザイム）を開発し、現在ではタイを起点に日本、中国、台湾、インド、シンガポール、アメリカ、中東など様々な地域に原料・商品の供給を行っている。 マングローブ土壌由来微生物から産生された多重活性酵素等を活きたままフリーズドライ製法でパウダー状にした「N-ZYME」には様々な効果があるが、その中でも特に注目されているのがアルコール代謝を促進する働きだ。既に多くのアルコールサポート関連のサプリメント・健康食品が発売されているが、それらは肝機能促進作用を持つものがほとんどだ。 しかし同社の「N-ZYME」ではアルコール脱水素酵素（ADH)やアセトアルデヒト脱水素酵素（ALDH)を含んでいるため、飲用することで血中のアルコールを分解し、肝臓の負担を軽減することが可能だという。 同社では２０１５年から国内でも自社商品として「N-ZYME」を使ったアルコールケア商品として「KISLip」（キスリップ）の販売を開始し、内科、胃腸科、皮膚科などから問い合わせが来ている。 約１億年前の古代植物堆肥層ヒューミックシェールから採取した天然植物有機酸、フルボ酸の有用性に着目したスタイルアンドバリュージャパンでは、１０年ほど前からフルボ酸「ヒューミクル」の原料供給・商品製造を行っている。 フルボ酸に関する研究論文は、すでに世界に多数発表されているが、「ナチュラルメディスンデータベース英語版」では抗炎症作用、抗菌作用、抗酸化作用、抗ウイルス作用、抗アレルギー作用が作用機序として記載されている。同社で製造しているフルボ酸「ヒューミクル」はアメリカユタ州の古代植物堆積層から採取しており、様々な効果を持つフルボ酸とあわせ、現代人が慢性的に不足しやすいミネラルを６５種以上も含有している点が特徴だ。 長い年月をかけて何度も微生物によって分解されたフルボ酸はナノレベルにまで超微粒子化されているため、体内で作ることができない植物由来のミネラルを１００％に近い確率で体内へ吸収することができる。　 最近の研究では、皮膚への塗布によって抗しわ・抗しみといった効果も期待されてきている。同社の原料はOMRI（米国立有機資源検査協会）の掲載基準に準拠したオーガニック素材で、国内においても原材料ハイクオリティ認証を取得するなど安全性に考慮した成分だ。 原料だけでなく液体状にしたヒューミクルを透明のカプセルで閉じ込めた珍しい形の液体カプセル等も製造しており、ＯＥＭでの商品提供も可能だという。