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再生医療でも研究つづくエラスチン

[ 2016/4/17 ]
数年前、民放TVのドキュメント番組で放映された「2年で老婆の顔になった26歳の美女」を記憶されている読者はおられるだろうか? ヴェトナム在住のフォンさんがたった2年で老婆のような顔になってしまう(写真1)。診断された病名は難病指定を受ける後天性の皮膚弛緩症だが、発症の成り立ちは肥満細胞が異常に増殖し様々な物質を放出したことで、肌の発疹や痒みを訴え、それらの物質によってエラスチンが破壊された結果、皮膚弛緩症を引き起こした。詳しいメカニズムは未だ不明とはいえ、わずか2年で老婆になった〟黒幕〟はエラスチンの破壊であることは疑いがない。難病となったフォンさんの場合は2年と短い。しかし健常人であっても「何十年先の未来の顔」は同じような顔立ちになる。つまり老化現象は避けられない。そして「皮膚弛緩」を引き起こす正体こそエラスチンの減少だとすれば、アンチエイジングのためにそのエラスチンを上手に補ってやることが求められる。ここでは新型エラスチン「スーパーエラスチン」(日・米特許抽出成分)の開発とその実用化に成功したストーリーを紹介してみる。

0003  硬性のコラーゲンに対して弾性の性質をエラスチンはもち、ひものような形をしたタンパク質だ。真皮組織にあるコラーゲンに絡みつきゴムのように伸び縮みすることから、皮膚のキメ、ハリを保つ重要な働きをする。  皮膚、内臓、子宮、肺、血管壁や靭帯に広く分布し、子宮には90%、血管壁はおよそ50%ものエラスチンが存在(イラスト)する。伸縮機能をもつことから子宮のエラスチン減少は不妊症(婦人科になかにはエラスチンサプリメントを勧めているところも少なくない)、血管壁(中膜)ではその減少が心臓・脳血管障害による動脈硬化、動脈瘤、高血圧を引き起こす一因になるとさえ考えられている。ちなみに豊胸、下垂修正術をする美容医療でも、エラスチンが吊り上げなどの伸縮機能をつかさどる「クーパー靭帯」だけが再建、修正できない。  一方、加齢の変化に伴い皮膚中のコラーゲン、エラスチンそして繊維芽細胞は減少するが、とりわけ30歳を境に急激な減少を示すのがエラスチンであることが明らかになっている。しかし体内でエラスチンはつくることができない。  健康維持そして美容アンチエイジングにとってこれほどエラスチンが重要でありながら脚光を浴びることはなかった。しかしその突破口となったのが皮膚再生医療での臨床例で、エラスチンとコラーゲンによって重度の火傷を治したことだ。世界的な開発競争が繰り広げられている「再生医療」の特効薬の一つとしてエラスチンが挙げられていることは研究者の間では知らない人はいない。 いよいよ「表舞台」に登場したエラスチン。 こうした中でサプリメント、化粧品の原料として有用な新たな抽出原料が開発された。それが「スーパーエラスチン」で九州工業大学の特許技術(日・米特許抽出法)により、一般的な酵素処理ではなく、アルカリ処理で豚由来のエラスチン(ヒトと豚エラスチンはアミノ酸組成が近似する)を抽出することに成功した。そのため、抽出過程でのエラスチン固有のアミノ酸が失活することもなく、不純物の少ないピュアな抽出品を精製できる。 なによりも分子量30000以下の水溶性のため、摂取後に体内の消化酵素で消化され数多くのペプチド断片になることで多種多様な生理活性をもつ(低分子と高分子のエラスチンが含まれていることをコアセルベーション現象で立証されている)。 「スーパーエラスチン」にはさらにエラスチン特有のアミノ酸構成成分であるデスモシンとイシデスモシンが市場原料の中で最も豊富に含まれていることも特徴だ。肌に弾力やハリを与える重要なアミノ酸で、伸縮性を発揮するためには欠かせない。 一方、安全性試験では眼刺激性、光毒性、復帰突然変異原、単回経口投与毒性、反復投与毒性、ヒトパッチ、ヒト皮膚感作性などすべての試験で安全性を確認しており、また保湿、ハリ、弾力の目安となる機能性試験(ヒト三次元培養皮膚試験、ヒト皮膚繊維芽細胞の作用試験)でも有効性を認めている。またコラーゲンとの併用摂取ではあるものの、肌改善効果を見出す検証も行われ、肌の3Dレプリカ解析画像で極めて有効な改善を示している((新薬と臨床に論文掲載)。 この「スーパーエラスチン」を配合したサプリメントもすでに市場に配荷され、エステサロンや最近では美容クリニックからの引き合いもでているという。同品を飲用した試験では、血管年齢の診断結果も明らかになっており、72歳女性(1年摂取)→50歳代前半と診断、39歳女性(2年摂取)→10代と診断、75歳女性(3年摂取)→37歳と診断される症例が報告される。飲用例にはそのほか「寝起きがいい」「血圧低下」「肌のしわが改善し、はりがでた」など体感が極めて良好だとする結果も出ている。 「スーパーエラスチン」の製品化はサプリメントだけにとどまらない。今年新たに美容液「スーパーエラスチン ピュアエッセンス」(写真2)を上梓、テスト販売を開始したところ大きな反響を呼んだ。本品でもアクアポリン・グリセロポリン試験、繊維芽細胞活性、メラノ色素抑制データも取得し、また雑菌から肌を守るために製品にはエアレス容器を採用している。もちろん肌に負担のかかる成分は排除しており、鉱物油、パラベン、合成香料・着色料、石油系界面活性剤などはフリーであることはいうまもない。 本紙JHM編集部では、2016年、この「スーパーエラスチン」サプリメントそして美容液がブレイクする予測をたてている。
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