「過去1~2年」でサプリ販売が、半数にのぼる
[ 2016/4/17 ]
『医療販売が解禁!加速するサプリメント外来その動向を追う』をテーマに、実施されたJHM第19回Doctorドクターアンケートの結果が、このほどまとまった。アンケート調査票は、本紙132号とともにダイレクトメールとして発送し、定期送付先総数約21000件のうち、自費診療クリニック(美容形成、美容皮膚、アンチエイジング内科、美容歯科)に加え、一部保険診療を主たる標榜科目にあげるクリニック(皮膚科、泌尿器科、眼科、内科)などおよそ12000軒に対し発送した。アンケート送付時期から回答期限(2015年12月末~2016年1月20日)までが実質2週間程度と、やや短めの期限であったことも影響してか、有効回答率は1・4パーセントで回答総数は170件であった。しかしながら、寄せられた回答では、自由記述回答も丁寧に回答されているものが少なくなく、本アンケートへの関心の高さが感じられた。アンケート実施の背景には、2014年8月28日付厚労省医政局から各都道府県の医師会に宛てた通知「…サプリメント等食品の販売が可能であることを明確化」する旨、周知徹底され、医療機関でのサプリメント外来や販売が加速していくはずで、その動向を掌握・分析することに他ならない。そして、本紙読者である医療関係者に同業他施設の動向を多少なりともとらえていただきたい。そう考えた本紙編集部のアンケート実施にご理解とご協力をいただいた回答機関には紙面を借りて感謝したい。またこの結果が少なからず読者の方々へのヒントになることを願う。
Q1では、診療科目を尋ねた(複数回答)。回答者の診療科目で最も多かったのは、皮膚科、美容皮膚科で約37.94%、約4割を占めた。次に美容歯科と内科・アンチエイジング内科が共に20.69%、外科・形成外科・整形外科が13.8%と続いた。一つの医療機関が標榜する科目が多岐にわたるケースも少なくなく、保険診療と共に美容皮膚、美容医療など自費診療を行うクリニックもあるため、おおむね保険診療、自由診療双方からの回答が得られ、サプリメントに対する関心は高いことが窺えた。
Q2では、自費診療部門について具体的な診療メニューを尋ねたが、Q1同様、複数回答であったため、回答上位から下位までの有意差はそれほどない。しかし中でも回答数が多かったのはプラセンタ注射・ピーリング・ヒアルロン酸注射(7.69%)、ボトックス・血液オゾンクレンジング(6・84%)、点滴キレーション・デトックス療法(6・84%)そして、栄養療法・サプリメント外来(6・84%)だった。アンケート回収率が高い美容皮膚科からはレーザー治療、高周波治療も5%台の回答率を示した。また2~3%台ではあるが、ホルモン補充療法、漢方外来、更年期外来、肥満治療や発毛外来と答えたドクターもいる。ちなみに自費部門で歯科診療を行うとした回答は3.42%である。 そもそもアンケートの趣旨がサプリメント外来の動向に焦点を当てていたため、内科的または美容診療でも比較的、注入系や美容医療機器を使った低侵襲術を診療の柱にしている施設またはドクターからの回答が多い。Q1の結果とほぼ相関することはいうまでもない。
Q2でサプリメント外来を実施していると答えた回答者に「取り扱うサプリメント(複数回答)」を聞いたQ3では、100人を超える医師・歯科医から「ビタミン・ミネラル」の回答を得、他を圧倒した。ベースサプリは患者に説明する必要がないだけでなく、医療機関で推奨するサプリという付加価値もあり院内で自然と販売に結び付くアイテムといえるだろう。 次いでランクインしたのが「CoQ10」「プラセンタ」「αリポ酸」「メラトニン・DHEA・HGHなどホルモンサプリメント」で50人以上が取扱いしていると答えた。医療機関だからこそ院内物販できるアイテムが並んだかたちだ。40人ほどが答えたアイテムには「アミノ酸」「乳酸菌」「アスタキサンチン」があり、市場でも認知が進む機能性素材をクリニックでも患者が購入する傾向を示したものといえよう。アスタキサンチンはとりわけ眼科または眼科も標榜するクリニックからの回答に多い。
Q4ではサプリメントを院内で導入し始めた時期について聞いた。 「1年~5年前」が56.25%、「6年~10年前」が43.75%で、「最近」もしくは「11年前~それ以前」の回答はない。過去5年の間か、10年前から取扱いをするクリニックで占められた。ここ1~2年でサプリメント外来を始めたとことは少なからず2014年の通知がきっかけになったに違いない。
Q5、Q6、Q7では「サプリメントは仕入品かオリジナルか?」「分子整合栄養療法オーソモレキュラーを実施しているか否か」「実施機関での検査について」を尋ねた。 本アンケートで寄せられた回答者の中には、オリジナル品を扱っているところはなく、すべて仕入品いわゆるナショナルブランドのサプリを採用している。そしてオーソモレキュラーを採用しながらサプリメント外来を実施する医療機関は23.53%、販売のみと答えたクリニックは76.47%だった。およそ5人に一人しかサプリメント外来を導入していない実態が明らかになった。とはいえ、まだまだ医療におけるサプリメントの普及が過渡期であることを考慮すれば、今後外来をつくる医療施設も増えていくはずで、それに伴い、クリニックオリジナルのサプリブランドを販売するところも増えていくことが予想される。 一方、外来で行う検査項目では3項目と答えた医師が13%、13項目と答えた医師が87%を占め、外来での検査は多岐にわたることもわかった。また平均的な検査料は5000円~30000円と幅広い。
つづいてQ8「サプリメントはどのような治療、予防のために勧めているか?(複数回答)」と聞いたところ、上位から「美容」(17.74%)「抗酸化目的」「アンチエイジング若返り」(12.90%)「ダイエット」(11.29%)「免疫向上」(8.06%)の順でランクインした。歯科では「歯周病」(6.45%)が最も回答率が高い。なかには「パンフレット設置のみ」(1.61%)と答えた医師もいるが、多くが院内でなんらかの推奨をしているようだ。 上位の回答は総じて「未病・予防診療」のためのサプリメント販売で歯科を除けば、医科では疾病に対するサプリ活用はない。医療におけるサプリメント流通はともすると補完代替医療が象徴するように、疾病治療の補助的療法として捉えられてきたが、美容やアンチエイジング医療を行うクリニックにとっては「積極的な予防」「若返り」「美容治療のアフターケア」にサプリを活用あるいは活用していこうという動きがあることがわかる。後述するQ10設問での回答で明らかになるが、単にサプリを販売することでクリニックの経営収支をあげるだけでなく、副次的な経営効果が見込めることも見逃せない。
Q9では「サプリメントの平均的な院内売価」を尋ねた。 その結果、「1000円~5000円未満」では29.41%、「5000円以上~7000円未満」が23.53%、「7000円以上~10000未満」が11.76%、「10000円以上~13000円未満」が35.29%であった。またさらにもう二つあった選択肢「13000円以上~15000円未満」「15000円以上」は0回答である。 おおよそクリニックにおけるプライスは1000円~7000円もしくは高くても10000円~13000円あたりが値ごろ感といったところだろうか。 先述であげたQ10の設問「サプリメントによる集患または患者のリピート率向上あるか?」に対しては、「大いにある」「そこそこある」と答えた総割合が58.82にのぼった。17.65%が「あまりない」と答えたものの、「ほとんどない」は23.53%と、弊紙編集部の予想を下回る結果となった。 半数以上の施設でサプリメント販売あるいは外来が、他の診療のリピートにつながるか集患のためにある程度の波及効果を及ぼしている。
アンケートでは最後の設問としてQ11「施設収入に占める月平均のサプリメント外来又は販売収入の割合」を聞いた。 およそ半数50%が「1%以下」と答え、次いで「2~5%」が38.89%、「6~10%」「11~20%が共に5.56%だった。まだまだ診療の場面でサプリを活用してそれがクリニックの収益構成の中で大きな貢献をしていくところまでは残念ながらいっていない。しかし、さらに多くの医療機関がサプリメントの取り扱いをしていくようになれば、サプリの医療流通はより活性化され、おのずと販売額が大きくなることは疑いがない。 ぜひ、さらに多くの医療機関とりわけ美容アンチエイジングクリニックでサプリメントの導入を進めてもらいたい。
JHMが支援するJAASアカデミーではこれらの結果をふまえて、今春には 美容アンチエイジング医師、歯科医に向けた「メディカルサプリメント」の知識と実践そして経営学を学ぶ講座をスタートさせる予定で、 一方で本紙「健康と医療」の紙面においても美容医療と共に今後サプリメント情報の充実を図りつつ、読者のニーズに応える良質な情報を提供していきたい。 最後にご多忙の中、アンケートにお答えいただいたドクターの方々に改めて心より御礼申し上げる。なお、本アンケートにて回答期限内に全設問回答の先生方には、編集部から後日、クリニック露出のためのポータルサイトダイジェスト版掲載のための取材のご連絡をとらせていただくことになっている。
Q1では、診療科目を尋ねた(複数回答)。回答者の診療科目で最も多かったのは、皮膚科、美容皮膚科で約37.94%、約4割を占めた。次に美容歯科と内科・アンチエイジング内科が共に20.69%、外科・形成外科・整形外科が13.8%と続いた。一つの医療機関が標榜する科目が多岐にわたるケースも少なくなく、保険診療と共に美容皮膚、美容医療など自費診療を行うクリニックもあるため、おおむね保険診療、自由診療双方からの回答が得られ、サプリメントに対する関心は高いことが窺えた。
Q2では、自費診療部門について具体的な診療メニューを尋ねたが、Q1同様、複数回答であったため、回答上位から下位までの有意差はそれほどない。しかし中でも回答数が多かったのはプラセンタ注射・ピーリング・ヒアルロン酸注射(7.69%)、ボトックス・血液オゾンクレンジング(6・84%)、点滴キレーション・デトックス療法(6・84%)そして、栄養療法・サプリメント外来(6・84%)だった。アンケート回収率が高い美容皮膚科からはレーザー治療、高周波治療も5%台の回答率を示した。また2~3%台ではあるが、ホルモン補充療法、漢方外来、更年期外来、肥満治療や発毛外来と答えたドクターもいる。ちなみに自費部門で歯科診療を行うとした回答は3.42%である。 そもそもアンケートの趣旨がサプリメント外来の動向に焦点を当てていたため、内科的または美容診療でも比較的、注入系や美容医療機器を使った低侵襲術を診療の柱にしている施設またはドクターからの回答が多い。Q1の結果とほぼ相関することはいうまでもない。
Q2でサプリメント外来を実施していると答えた回答者に「取り扱うサプリメント(複数回答)」を聞いたQ3では、100人を超える医師・歯科医から「ビタミン・ミネラル」の回答を得、他を圧倒した。ベースサプリは患者に説明する必要がないだけでなく、医療機関で推奨するサプリという付加価値もあり院内で自然と販売に結び付くアイテムといえるだろう。 次いでランクインしたのが「CoQ10」「プラセンタ」「αリポ酸」「メラトニン・DHEA・HGHなどホルモンサプリメント」で50人以上が取扱いしていると答えた。医療機関だからこそ院内物販できるアイテムが並んだかたちだ。40人ほどが答えたアイテムには「アミノ酸」「乳酸菌」「アスタキサンチン」があり、市場でも認知が進む機能性素材をクリニックでも患者が購入する傾向を示したものといえよう。アスタキサンチンはとりわけ眼科または眼科も標榜するクリニックからの回答に多い。
Q4ではサプリメントを院内で導入し始めた時期について聞いた。 「1年~5年前」が56.25%、「6年~10年前」が43.75%で、「最近」もしくは「11年前~それ以前」の回答はない。過去5年の間か、10年前から取扱いをするクリニックで占められた。ここ1~2年でサプリメント外来を始めたとことは少なからず2014年の通知がきっかけになったに違いない。
Q5、Q6、Q7では「サプリメントは仕入品かオリジナルか?」「分子整合栄養療法オーソモレキュラーを実施しているか否か」「実施機関での検査について」を尋ねた。 本アンケートで寄せられた回答者の中には、オリジナル品を扱っているところはなく、すべて仕入品いわゆるナショナルブランドのサプリを採用している。そしてオーソモレキュラーを採用しながらサプリメント外来を実施する医療機関は23.53%、販売のみと答えたクリニックは76.47%だった。およそ5人に一人しかサプリメント外来を導入していない実態が明らかになった。とはいえ、まだまだ医療におけるサプリメントの普及が過渡期であることを考慮すれば、今後外来をつくる医療施設も増えていくはずで、それに伴い、クリニックオリジナルのサプリブランドを販売するところも増えていくことが予想される。 一方、外来で行う検査項目では3項目と答えた医師が13%、13項目と答えた医師が87%を占め、外来での検査は多岐にわたることもわかった。また平均的な検査料は5000円~30000円と幅広い。
つづいてQ8「サプリメントはどのような治療、予防のために勧めているか?(複数回答)」と聞いたところ、上位から「美容」(17.74%)「抗酸化目的」「アンチエイジング若返り」(12.90%)「ダイエット」(11.29%)「免疫向上」(8.06%)の順でランクインした。歯科では「歯周病」(6.45%)が最も回答率が高い。なかには「パンフレット設置のみ」(1.61%)と答えた医師もいるが、多くが院内でなんらかの推奨をしているようだ。 上位の回答は総じて「未病・予防診療」のためのサプリメント販売で歯科を除けば、医科では疾病に対するサプリ活用はない。医療におけるサプリメント流通はともすると補完代替医療が象徴するように、疾病治療の補助的療法として捉えられてきたが、美容やアンチエイジング医療を行うクリニックにとっては「積極的な予防」「若返り」「美容治療のアフターケア」にサプリを活用あるいは活用していこうという動きがあることがわかる。後述するQ10設問での回答で明らかになるが、単にサプリを販売することでクリニックの経営収支をあげるだけでなく、副次的な経営効果が見込めることも見逃せない。
Q9では「サプリメントの平均的な院内売価」を尋ねた。 その結果、「1000円~5000円未満」では29.41%、「5000円以上~7000円未満」が23.53%、「7000円以上~10000未満」が11.76%、「10000円以上~13000円未満」が35.29%であった。またさらにもう二つあった選択肢「13000円以上~15000円未満」「15000円以上」は0回答である。 おおよそクリニックにおけるプライスは1000円~7000円もしくは高くても10000円~13000円あたりが値ごろ感といったところだろうか。 先述であげたQ10の設問「サプリメントによる集患または患者のリピート率向上あるか?」に対しては、「大いにある」「そこそこある」と答えた総割合が58.82にのぼった。17.65%が「あまりない」と答えたものの、「ほとんどない」は23.53%と、弊紙編集部の予想を下回る結果となった。 半数以上の施設でサプリメント販売あるいは外来が、他の診療のリピートにつながるか集患のためにある程度の波及効果を及ぼしている。
アンケートでは最後の設問としてQ11「施設収入に占める月平均のサプリメント外来又は販売収入の割合」を聞いた。 およそ半数50%が「1%以下」と答え、次いで「2~5%」が38.89%、「6~10%」「11~20%が共に5.56%だった。まだまだ診療の場面でサプリを活用してそれがクリニックの収益構成の中で大きな貢献をしていくところまでは残念ながらいっていない。しかし、さらに多くの医療機関がサプリメントの取り扱いをしていくようになれば、サプリの医療流通はより活性化され、おのずと販売額が大きくなることは疑いがない。 ぜひ、さらに多くの医療機関とりわけ美容アンチエイジングクリニックでサプリメントの導入を進めてもらいたい。
JHMが支援するJAASアカデミーではこれらの結果をふまえて、今春には 美容アンチエイジング医師、歯科医に向けた「メディカルサプリメント」の知識と実践そして経営学を学ぶ講座をスタートさせる予定で、 一方で本紙「健康と医療」の紙面においても美容医療と共に今後サプリメント情報の充実を図りつつ、読者のニーズに応える良質な情報を提供していきたい。 最後にご多忙の中、アンケートにお答えいただいたドクターの方々に改めて心より御礼申し上げる。なお、本アンケートにて回答期限内に全設問回答の先生方には、編集部から後日、クリニック露出のためのポータルサイトダイジェスト版掲載のための取材のご連絡をとらせていただくことになっている。