第一回日本版A4M(TAJ2007)開催へ
テーマは「トータルアンチエイジングの夜明け」
抗老化専門医など、海外スピーカー多数、来日講演
6月16日、17日、東京新宿の新宿文化クイントビル(文化学園)で
JSCAMも、友好的な連携。協力体制で会員に特別2単位を授与(登録費もディスカウント)
学術展示場には、JSCAM企業会員などアンチエイジング関連企業並ぶ
ついに米国のアンチエイジング医学会、A4Mの日本版国際会議が、きたる6月16日、17日両日幕をあける。日本のアンチエイジング医学の実践者にはまたとない機会になるだろう。日本でのA4Mイベントには以前から様々な紆余曲折があったが、今回の1ST World Anti-Aging Congress & Exposition in Japan supported by A4Mが、日本初の正式A4Mイベントという位置づけになる。世界のアンチエイジング医療の最先端技術を2日間で垣間見ることのできるこのカンファレンス、海外からアンチエイジング医療を実践する多数の専門家がスピーカーとして招かれ、その内容にも大きな期待が持てる。「TAJ2007を重要なイベント」として位置付けてきたJSCAM日本臨床抗老化医学会では、秋の第5回国際会議と友好的な連携・協力をはかる意味からも、JSCAM会員(医師ほかCoMedical)に対して、本会議を「認定医」「実践指導士」履修単位の対象に特別2単位を授与することを決定。さらに、登録費に関しても会員ディスカウント制をTAJ側と合意して、多くのJSCAM会員の参加を動員する協力を行なう。
昨年、6月に米国アンチエイジング医学会=A4Mと関連したイベントがお台場で開催されたことをご記憶の読者がおられるかもしれない。今年も同様のイベントが開催されるが、今年からそのイベントにはA4Mは関与していない。昨年のイベント事態が、医療従事者向けというより、一般消費者向けという趣が強く、米国のA4Mとは、毛色の違うイベントとなっていた。
そして今年6月16日、17日2日間に亘って、米国のA4Mを正式に踏襲する形で、日本版のA4Mが正式にスタートする。場所は東京新宿の新宿文化クイントビルの文化学園。大会総会長はもちろん、A4Mのロバート ゴールドマンが務める。正式名称は、1ST World Anti-Aging Congress & Exposition in Japan supported by A4M、略称としてTAJ2007(Total Anti-Aging Japan 2007)という名称が用いられる。昨年のイベントと違い、日本側の主催者は、トータルアンチエイジング上原クニックの斉藤糧三MDが代表取締役の㈱TAS(Total Anti-Aging Solutions)となる。
同医師は、事務局長も兼務する。また、日本大会長には渥美 和彦MD、組織委員長には森 宏之 帝京大学医学部・産婦人科客員教授、A4Mブログラム委員長に、JSCAM理事長の松山 淳MDが就く。
一般向けの公開講座も併催されるが、日本版A4Mとして、メインは医療従事者を対象としたカンファレンスとなる。これが昨年のイベントと、最も違う点であり、プログラムも医療従事者向けとして、内容の濃いものとなる。もちろん企業展示も併設される。医学をメインに、市民や企業が三位一体となって、国民の健康増進と疾病予防を達成するアンチエイジング医学を日本に定着させるべくTAJ2007は開催されることになる。
こうした中、JSCAM日本臨床抗老化医学会もまた、TAJ2007を今年11月に開催される、第5回国際臨床抗老化医学会議と合わせ、重要なイベントに位置づけ、友好的な連携を約束、当日2日間の医師、ほかCoMedicalの動員に全力をあげている。
主催者側では、3日間で医師1000名、医療従事者3000名、一般3000名の動員を見込むが、JSCAMでは、会員(医師ほかCoMedicalなど会員数600名超)に対して、本会議を「認定医」「実践指導士」履修単位の対象に特別2単位を授与することを決定。さらに、登録費に関しても会員ディスカウント制をTAJ側と合意して、多くのJSCAM会員の参加を動員する協力を行なう(会議参加登録(表)の正式な申込及びJSCAM会員入会に関してはJSCAM事務局電話03-6222-3121までお問合せください)。
蛇足ながら解説すると、米国のA4M(American Academy of Anti-Aging Medicine)は世界65カ国に1万1500人の会員を擁する世界最大のアンチエイジング医学会で、日本同様、世界各国でアンチエイジング国際会議を開催している。
斉藤糧三MDの㈱TASは、A4Mが運営するMCI(Medical Conference International ,INC)と独占的かつ継続的なフランチャイジー契約を取り交わし、本年以降もA4M関連イベントを日本国内で運営して行く。同社のA4Mジャパン事業部はロバート ゴールドマン博士の日本代理人であるJSCAM理事長 松山 淳MDを取締役に迎え、日本唯一のA4M公認イベントTotal Anti-Aging JapanをA4Mと共催していくこととなった。
その斉藤MDが責任者となる日本版A4M TAJ2007はプログラムの内容も、充実したものになっている(プログラム表参照)。
プログラムでは、まずジェネラルセッションではアンチエイジング医療における世界のトップスピーカーが一同に会し、「アンチエイジングと再生医療」(R.GoldmanMD)「皮膚の光老化にみる分子療法」(J.LonescuPHd)「最新の金属毒性学」(D.QuigPhD)「美容薬物との併用療法」(M.ZachariaMD)「メソセラピー ワークショップ」(フランスメソセラピー チーム)「アンチエイジングクリニックの立ち上げと運営」(A.ChiangpraditMD)「機能性食品とアンチエイジング」(F.MarottaMD)「代謝、老化の測定法」(B.AntonPhD)など、興味深い講演が揃う。
16、17日夕刻から行なわれるハンドオンセミナー(実践講習会)では、「EDTAキレーションセラピー」「メタルトキシコロジー」(有害重金属)「バイオアイデンティカルホルモンセラピー」の3題が組まれている。有害重金属での講演を行うD.QuigPhDは、米ミネラル分析で著名な先生で、子供の発達生涯や成人の慢性疲労などと重金属との因果関係をレクタチャーする。
キレーションでは、M.FiideiMDが講義を行うが、同氏がディレクターを務める米最大の統合医療クリニックWhitaker Wellness Instituteでの非侵襲の心臓血管病の治療法など実践的なキレーション点適法に関するプロトコールを伝授する予定だ。
一方、公開講座では、大森 隆史MD、姫野友美MD,浜六郎MDが市民向けにわかりやすくそれぞれのアンチエイジング療法を投げかける。
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このように世界中から一流のスピーカーが集うこととなったTAJであるが、講演プログラムだけでなく展示も本家A4Mに負けじとばかりに、日本が誇るアンチエイジングに携わる企業が出展する。
プラセンタ療法の多くで使用されている「ラエンネック」
アンチエイジング医療の入り口として用いられることの多いプラセンタ療法。プラセンタ療法で用いる医薬品である「ラエンネック」を販売する日本生物製剤では、今回のTAJで更なるプラセンタ療法を行なう医師の拡充を狙う。ラエンネックはヒトプラセンタから種々の細胞増殖やサイトカインなどの生理活性物質を同社独自の技術により、効率よく抽出した医薬品である。
また、薬剤のノウハウを生かした「ラエンネック・ピーオー・ポーサイン」という健康補助食品も販売している。
医師使用率の高いコラーゲン
今号のDrアンケート内で「医師が差別化できると考える製品」として多くの回答があった「DAAC-01」。この製品を販売しているピーエスもTAJの出展社の一つ。DAACは同社のコラーゲン製品「エス・ワン・エス」の実績を元に改良を重ね、日本ではまだ珍しい医療機関専用のサプリメントである。JSCAMの“臨床・検定マーク”第1号の製品でもあり、弊紙読者の医師の方々にも馴染み深い製品であろう。
Dr監修のアンチエイジングサプリ
TAJでもスピーカーである大森 隆史MDや赤坂アンチエイジングクリニックの森 吉臣MDなど、医師が監修したサプリメントを販売するメヂィキューブ。同社の代表的な製品である「BE-MAX」シリーズは医師監修の製品だけに、同じ医師からの使用率も高い。最近の注目サプリは、BE-MAXシリーズの「BE-MAX A2」(ビーマックスエーエー)である。森MDが監修したこの製品、アスタキサンチン、シアル酸、キャッツクロー抽出物であるAC-11、アマニ油の4カプセルを1包にした、細胞・DNAレベルでアンチエイジングをサポートするドクターズサプリなのである。
もはやアンチエイジング医療では一般化した抗酸化測定機
アンチエイジング医療をすでに行なっている施設では必ずといっていいほど見かける抗酸化力測定機。医療用具の認証を取得している「FRAS4」や「FREE」を販売するウイスマー研究所も今回出展する企業の一つだ。FRAS4は、生体の酸化ストレス度と抗酸化力を簡単かつ短時間で測定でき、高い再現性を誇る機器だ。FREEはフリーラジカルレベルを総合的に分析することが出来るラボ用の分析システムとなっている。
また新製品として「AMSAT-HC(アムサット)」が発売される。独では医療機器認可されている、各臓器別の将来の疾病リスクを表示できるという。
予防医学・アンチエイジング分野をはじめ、様々な医療関係者から注目されている機器だ。
米国市場No,1の医療用サプリメント
米国で医療用栄養補助食品市場の第1位にランキングしている米国ダグラスラボラトリーズ。その日本法人である日本ダグラスラボラトリーズも、日本において医療用サプリメントの供給を行っている。
マルチビタミン・ミネラル製品である「ウルトラプリベンティブ」シリーズは、今号のDrアンケートでも使用数の多いサプリメントである。
また、話題のポリフェノール“レスベラトロール”使用のサプリメントや、チュアブルで吸収率の高いCoQ10サプリなど、プロフェッショナルユースのサプリメントを展示する。
医療機関で導入すすむ“予防”のためのドックシステム
国民医療費が高騰を続ける中、予防医療にかかる期待は大きい。ANTI-AGING DOCTORSでは、高輪メディカルクリニックの久保 明MDが10年間で9000名もの臨床試験結果を元に開発した診断システムである「ドックシステム」の内容を展示する。ドックシステムにはサプリメント・ビタミン・メタボリックドックなどがあり、必要な検査項目をパッケージングし、医療機関に導入されている。また、それを支えるウェブによるバックアップシステムも充実し、どんな医療機関でも導入しやすいシステムとなっている。
PubMedで唯一検索されるアガリクスと仏政府表示認可のサプリメント
昨年の言わば風評被害であったアガリクス報道の中、報道の遥か以前から安全性についてエビデンスを構築していたSSI。厚労省が行なった試験は中期発がん性試験であるが、同社が行なった安全性試験は、2年間の慢性毒性試験(がん原性、神経毒性)という長期試験である。同社では他にも様々な安全性試験を実施しており、さらにはヒト臨床も行なっている。このヒト臨床は、「PubMed」で“アガリクス”と“ランダム化比較試験”を検索した際、唯一見つけることの出来るデータなのである。同社ではアガリクス製品である「仙生露」のほかにも、フランス政府がサプリとして“糖尿病者向け複合代謝異常用の栄養補助食品”との表示を許可した「リカメン」も扱っている。
SSIと共同で出展を行なう協和ウェルネスは、アミノ酸やCoQ10、発酵グルコサミンなど、バイオ技術と天然原料を生かした製品を供給している。
食薬区分で食のほうにカテゴライズされるのでは?と業界内で噂されている「シトルリン」も扱っている。
豊富な実績に基づいたメディッカルスパを提案
CoMedicalも使用可能な「WAVEducer」
レーザーに代わるLED
導入の半数が医療機関というリラクゼーションカプセル
創業から34年、エステティックの専門家として名高い日本ブライダルセンターでは、医療機関に対し、メディカルスパを提案している。
JSCAM(日本臨床抗老化医学会)の会員企業でもある同社では、早くからメディカルスパに着目し、既に複数の施設においてメディカルスパを立ち上げているという実績がある。これら豊富な実績に基づき、クリニックに対し、リニューアルや差別化、人材派遣や運営委託など、様々なケースに合わせたプランニングも行っているのである。
TAJに出展予定の製品としては、まず「WAVEducer」(ウエーブデューサ)がある。ウエーブデューサはその名の通り、光線・音響を利用した機器である。同機はフェイシャルおよびバストアップを主眼に置いた機器で、3つの大きな特徴を持つ機能がある。その機能とは、①マイクロブラシ・バイブロ洗顔、②ダイヤモンドピーリング、③バイブロフォトリフティングである。フェイシャルの施術を行なう際、数字の順で機器を使用する。
①では、同機に付属するハンドピースを使用するのだが、用いるブラシは1本が50μと極細サイズである。この極細サイズのブラシで洗顔するのだが、この時に音響による振動を毛先に与えることで、通常の洗顔では落ちることのない毛穴の汚れが除去されるのだという。
振動による毛穴洗浄の次となる②では、ピーリングとなる。ここでも音響による振動によってピーリングを行なうのである。柔軟でソフトな接触面である、ソフトダイヤモンドピーリングパッドを使用するため、通常のピーリングのように角質を剥ぐというより、角層から栄養分を補給しやすい環境づくりが目的となっている。上記のソフトピーリングで環境づくりを行なうと同時に、ナノVCジェルが角層へと送り込まれる仕組みとなっている。先述した音響振動により、パッドからねじ込むようなスピン運動でジェルをより効果的に浸透させるのだという。
そして③では近赤外線をあてるのだが、同機の近赤外線はLEDによってつくられる超高輝度光である。レーザーは医師しか扱えないが、LEDライトならば医師ではないコメディカルでも使用でき、用途の幅が広い。レーザーだと“点”でしか行なえなかったことが、LEDだと“面”で行なえることも大きな強みだ。さらにLEDはフラッシュランプと違い消耗品でないため、コストの面でも抑えられているのである。
②で肌内に浸透したジェルに光があたることで化学反応を起こし、効果を実現させるわけだが、光の色を使い分けることで用途別に対応する。用いる光の色はブルー、アンバー、レッド、近赤外線の4種となっており、後の色ほど波長による透過深度が深くなる。ブルーでは表皮内、アンバーは真皮、レッドは真皮の下にある皮下組織へ、近赤外線はそれよりさらに下層に透過するのである。
これまで同機でのフェイシャルについての施術法に焦点を絞って解説したが、バストアップの施術も行なえるのである。
同機の特徴である振動や温熱と、近赤外線が乳房を透過すると、乳房の脂肪細胞内の水分量が増加し、膨張する。2日ほどすると元に戻るのだが、数回繰り返し施術することで、クーパー靭帯が強化されバストアップにつながるのだという。
ウエーブデューサはレーザーなどのように医師でしか行えない機器ではなく、看護師やエステティシャンでも使用することが可能となっている。にもかかわらずレーザー並みの効果があるとなれば、レーザーに取って代わる機器と成りうる。さらには、用途が似た機器であるフラッシュランプと違いLEDなため、消耗を考えることなく使える点もコスト面的にも大きな利点のある機器といえよう。実際に利用している医療機関も多く、様々な科で活用されている現状からも、医師以外のコメディカルでも使用可能というポイントが、医療機関において大きいのだということが窺い知れる。
同社では、リラクゼーションカプセルも出展する予定だ。リラクゼーションカプセルとして現在3パターン販売しているが、導入している施設の約半数が医療機関というから驚きだ。カプセル3種の共通の機能としては、サーモテラピー、バイブレーション、ミュージックテラピー、アロマテラピーの4つがある。更に機種により、オキシーテラピーやライトテラピーが付加されている。
医療現場での使用例としては、整形外科ではリハビリ用の温熱・バイブレーションを中心に活用し、内科では肥満解消のための減量プログラムの一環として、心療内科では緊張緩和プログラムとして、皮膚科では美肌効果を狙っての美容プログラムとして、産婦人科では不妊治療や更年期治療の官能回春プログラム、歯科では治療前後の痛みや緊張のペインコントロールなどに活用されているのである。
このように医療機関の各科によって幅広い目的に対応しており、ストレス系と代謝系という大きく分けると2つの系統に関する症状に対しても活用されている。ストレス系では、ストレス・不眠症・更年期障害・不定愁訴・疲労などで、代謝系としては、便秘・肥満・美肌・冷え性などがある。
また、これらカプセルは、医学誌である「生体物理刺激と生体反応」で、“リラクゼーションカプセル”として臨床例が紹介されている。先述した医療機関での使用例についても述べられており、臨床例としては、生活習慣病対策としてカプセルを使用した際のデータや、心療内科の患者へのリラクゼーション効果などのデータが公開されているのである。
同社ではセミナーや体験会を行なっており、5月27日(日)にはJSCAM理事長の松山 淳MDを講師として迎えたセミナー・体験会が同社銀座ショールームで行なわれる。ウエーブデューサも体験できるため、TAJの前にいち早く情報を掴みたいと考えている方には朗報だ。セミナーのお問合せやお申込は☎03-3562-7000まで。
アンチエイジングに関わる医療などの健康産業は、正直な話、米国と比べると法整備なども含めて一歩遅れている感はある。だが、モノ作りや研究内容について日本は世界でもトップクラスであるため、今回のTAJは日本もアンチエイジングに関してトップクラスであることを知らしめる良い機会となるであろう。