ワタナベオイスター首都圏セミナー
“不妊”をテーマとしたセミナー内容
相談薬局店主など、参加者のニーズを捉える
“不妊”の一要因である低ミネラルにオイスター摂取が有用
先日、東京国際フォーラムで渡辺オイスター研究所の首都圏セミナーが開催された。同社製品を扱う相談薬局などの販売店向けのセミナーであるが、2年後に控えた薬事法改正後を見据えたセミナーでもあった。
首都圏ということで、東京を中心とした関東地方から150名を超える参加者が詰め寄り、熱心に話を聞いていた。お昼には参加者をいくつかのグループに分け、各店での販売の仕方や広告表示方法などを互いに語り合うことで、今後の薬局経営のヒントに繋がる場となっていたセミナーであった。
セミナーではまず、同社社長の渡辺 貢氏が改めて企業理念を説明。製品を過大評価することなく、また過小評価することがないのは、冷静に学術情報を判断できる人たち=医薬ルートのみで販売することの重要性を語った。
今回のセミナーの統一テーマは、“不妊”であったが、前半部は男性が原因の不妊症について、後半部が女性の生理について、様々な学術文献・資料から見て、ワタナベ活性型オイスターによるサプリメンテーションが如何に重要かが語られた。
最近の不妊の原因は男性側に原因があるカップルが50%近くを占めているという。精子運動率が50%を下回る「精子無力症」の男性が増えていることからも、男性側が原因となる不妊が多いという。精子の運動性にはセレンや亜鉛が大きく関わっているが、精子無力症患者の精子内微量元素を見てみたところ、健康男性に比べて亜鉛・セレン・銅の量に差が出ていたのだという。
セレン欠乏ラットでの精子の所見を見たところ、セレンが不足すると精子運動率が低下する。イギリスではヒトでの検証も行なわれており、セレンを与えると精子運動率が増加したというデータもあることから、セレンが精子の運動に影響を与えていることが分かる。
では何故セレンなのか?精子は活性酸素によって傷つけられることが多いが、活性酸素であるH2O2を水に変えるのがセレンである。活性酸素から精子を守る酵素であるPHGPxは精巣に多く存在し、精子が作られる際PHGPxの活性は著しく上昇するのである。
そこで、オイスターを与えた場合の話に繋がるのだが、同社が行なった1ヶ月間の試験では、1日6粒(就寝前)摂取により、精子運動率・精子前進率が上昇したのだという。
後半部では、女性の生理について解説。変なダイエットを行うと、生理の周期が短くなったり長くなったりする。変なダイエットとは、食事制限により微量元素が不足するダイエットである。これらの影響により低体温や冷え性などの女性が増えてきているが、これらは妊娠の大敵であると言われている。
講演では、生理周期の乱れ・問題について2つの症状があげられた。一つ目は黄体期短縮型頻発月経で、これは黄体の機能不全による黄体期の短縮である。この黄体期短縮型頻発月経はどのような栄養状態時になりやすいのかというと、亜鉛が欠乏している時であるという。短絡的に考えると、亜鉛のみを摂取すればいいのではということになるが、亜鉛だけの摂取だと、鉄の吸収を阻害してしまうので本末転倒となってしまうのである。
もう一つ、生理不順の問題として月経困難症があげられる。月経困難症の発症機序としては子宮の強い収縮が血流遮断を引き起こし、虚血となる。この収縮させる原因はプロスタグランジン(PG)といわれており、過剰なPG産生を抑えることで生理痛が和らげることができる。この過剰なPG産生はシクロオキシゲナーゼ(COX)によって合成されるが、COXは活性酸素によって活性が増加することから、活性酸素を除去することで、COX-2の活性低下が起こり、PG産生も低下することになる。
そこで、黄体期短縮型頻発月経における亜鉛不足や、月経困難症における活性酸素に対し、効果的なのがオイスターの摂取なのである。前者では、亜鉛だけを摂取すれば良いわけではないと先述したが、オイスターに含まれる豊富な必須ミネラル、とりわけ亜鉛・セレン・銅などがバランスよく摂取できるため栄養補給に繋がり、後者では活性酸素を除去することがPG産生を低下させるため、活性酸素を消去する酵素である亜鉛・セレン・銅などのミネラル補給が効果的なのである。
このように、男女共に抱える問題である“不妊”に対し様々な文献・資料から学術的にアプローチする講演が行なわれた。
講演の最後にはオイスターの安全性についても語られ、ヒト長期摂取試験として、12年間で520例にオイスター摂取を行なったが副作用が全く無かったことや、通常量・3倍量・5倍量で1ヶ月試験も行ない、全く問題のなかったことも改めて解説した。
参加者である相談薬局店主の方々にお話を伺ったところ、男性・女性を問わず不妊について悩む患者が多く来店しているのだという。「ベースサプリメントとしてこれら相談に来られる患者さんに強く薦めることが出来る」との声もあったことからも、今回のセミナーが参加者の情報ニーズを捉えていたことが分かる。
“新しい健康文化の創造”を目標とする同社ならではの意義深いセミナーであった。