『国境を越えた手術交流』は大きな収穫 山本美容整形塾第4期第2回目のライブ講習会で、韓国眼瞼美容形成の第一人者であるDr Choi(「コメンテーター役」を迎えての「下眼瞼形成術」が開催されたことは前号で報じたとおりだ。そしてこの国内ライブを受けての韓国ソウルでの現地派遣ミッションが先ごろ行われ、日本から参加した医師らは大きな収穫を得て帰国した。ライブの術者はもちろんChoi医師であったことはいうまでもない。ただうれしい誤算だったのが、もう一人Dr Leeが術者となって、韓国式の埋没重瞼術と目頭切開を披露してくれたことだろう。 |
山本美容整形塾第4期第2回目のライブ講習会で、韓国眼瞼美容形成の第一人者であるDr Choi(「コメンテーター役」を迎えての「下眼瞼形成術」が開催されたことは前号で報じたとおりだ。そしてこの国内ライブを受けての韓国ソウルでの現地派遣ミッションが先ごろ行われ、日本から参加した医師らは大きな収穫を得て帰国した。ライブの術者はもちろんChoi医師であったことはいうまでもない。ただうれしい誤算だったのが、もう一人Dr Leeが術者となって、韓国式の埋没重瞼術と目頭切開を披露してくれたことだろう。
4月19日、20日と2日間にわたりDr.Choi韓国ソウル現地派遣ライブ講習会「埋没重瞼+目頭切開、眼瞼下垂修正の切開重瞼、下眼瞼形成(経結膜脱脂+皮膚切除術)」が行われた。日本からは13名の美容外科に携わる医師の参加をみた。
手術上達のために一番大切なことは、手術技術の高い医師の手術からよく学び実践することである。そのためJAASアカデミーのライブ講習会では、現実的な内容に即した『実践的』な内容を意識して構成されている。
顔面骨格が似ている韓国人の手術を学ぶことは、我々日本人にとっても共通項が非常に多い。今回の企画では、日本でも知られる韓国式『連続式・埋没法重瞼術』の検証、実演もDR Leeによって加えられた。
前夜の講義そして翌日のライブ講習にわたり、ミッション団の団長山本美容整形塾塾長の山本 豊講師がコメンテーター役を務め、さらに日韓の美容形成術に精通する現役の美容整形医・中間 健医師には日・韓の通訳をお願いした。韓国でも英語での講義は一般的ではあるが、韓国そして日本双方にとって母国語ではないため、十分な検討や質問がし難い。
こうした双方にとって横たわる『言語の壁』を排除するために、中間医師の経験と豊富な美容医学の知識に加え、流暢なハングル語と日本語の翻訳能力が大いに役立ったことは断るまでもない。Dr.ChoiそしてDrLeeには、韓国語で講義を行っていただき、同時通訳を中間医師が行い、質問があれば、日本語でという具合だ。
そのかいあってか、非常に活発な意見交換がなされた。
講義ではまず、Dr.Leeから、韓国式とも言うべき連続埋没重瞼術が説明された。日本の医師からは、非常に腫れるのでは?という質問が寄せられたが、韓国の患者は、腫れに対しての関心がないというコメントをもらい、日本文化との違いを肌で感じているようだった。
続いてDr Choiによるおよそ2時間の眼瞼形成術の講義が手術動画をふんだんに交え行われたが、講習の性格上、詳細は控えさせていただく。
夕方からたっぷり3時間のレクチャーが終了し、講師、参加者との懇親会が、本場韓国の焼肉屋で開催されることになる。美味、美酒に酔いながら、参加したドクター同志も親睦を深めていた。
ミッション2日目の手術供覧では、目頭切開、埋没法重瞼術をDr.Leeに披露してもらったが、目頭切開の術式が平賀法という日本術式を採用していたことは、技術に国境が無いという現実を目の当たりにしたようであった。しかし、sedationの方法や術前投薬等に関しは、お国の違いも感じられた。 埋没法は、連続式であり、術式としては重瞼ラインのデザインに余裕が出来る事や、持続性が強い点で優れているようであるが、日本の患者に『腫れ』という点で受け入れられるかには、疑問が残るところとなった。
Dr.Choiの手術中には、上眼窩脂肪の切除の適応や挙筋腱膜の前転に関する考え方等の説明が加えられながら進行したが、日本の術式とは、大きな差異が無いために、参加した先生方には有意義であったのではないだろうか?また、下横走靭帯に対する考え方について解説が加えられたも大変有意義であったようだ。
JAASアカデミーでたびたび開催してきた海外ミッションで、毎回感じる事がある。とくに日韓の患者は、ほぼ同じと言っても良いくらい似ているために西洋式を見学するよりもはるかに多くの事を学ぶことができるという点だ。
Dr.Choiのシリーズは、技術的にもさることながら、教え方が分かりやすいと定評がある。
次回大連での美容外科解剖・執刀トレーニングにDr Choiが友情出演してくれることが先ごろ急きょ決定したことを受け、11月に中国に場所を移しての眼瞼解剖の指導にも大いに期待したい。
『国境を越えた手術学習』は、政治的な確執さえも凌駕して、医師らの個人レベルでの交流が広がっていくことを改めて確信したミッションだった。