臍帯血再生因子セラピー動き出す
[ 2016/12/1 ]
今年4月、JAASアカデミー主催で開催した「日米韓 美容再生医療ライブ講習会」でひときわ注目された最新メソッドがあった。医療用臍帯血由来の幹細胞培養上清液製剤による毛髪再生術だ。開発国の韓国から、この〝臍帯血再生因子療法〝を導入し最多の症例数をこなすAURA Petit Whitening Clinic院長 Son SeongMin医師を招き、講演と午後からのライブ供覧で指導が行われた。会場に集ったおよそ80名の医師らは中継で配信された施術の様子を食い入るように供覧したが、この発表から導入する施設が飛躍的に増え美容クリニックなどその数は100施設をこえる。こうしたなか使用する本製剤をさらに改良したセラムフリー(無血清培地)の培養上清液製剤が開発され、この秋から日本総窓口ネイチャーフォース・ジャパンが供給を本格化する。
新たな製剤は、100%無血清培地による医療用臍帯血幹細胞培養上清液「HS-CM100 SF」で、韓国有数の産婦人科病院が研究機関として運営するHUCORD社が培養した製剤だ。同社は、多分化能幹細胞(multipotential stem cells)研究に注力する世界最大規模の臍帯血バンクで、2003年に世界で最初に臍帯血から幹細胞の抽出、分離に成功したいわばこの分野のパイオニアといっていい。その製造に関わるパテントの出願件数は世界トップで、臍帯の採取、保管する環境も厳格に管理されていることはいうまでもない。
経営母体の産婦人科病院が過去30年にわたり、およそ15万の臍帯をバンキングし続け、すべて安全で健康な臍帯のみをドナー(母親)の承諾をとりマイナス196℃の細胞保冷タンク(100基)で保存している。同社も含めこうした臍帯バンクは世界で5カ所しかない。
ただ今春発表した製剤では、無血清培地では難しいとされる幼弱な臍帯血幹細胞の培養では動物血清をわずかに使っていた(もちろん安全性チェックは怠ってはいない)。しかし今回の製剤ではそうした培養上の難点を解決し、動物血清を一切使わず完全無血清培地によりアルブミンや血清タンパクによるリスクを排除することに成功した。こうした無血清培地の安全性はもちろん、採取した臍帯の段階でも定期的な成分分析とMicrobial Content、Syphilis、HCV、HIV,HBsAg、CMV IgM、Bacteria Contentなど厳格な安全性チェックを行う。
すでに本製剤を使った臍帯血再生因子療法は韓国そして日本でも行われ、その治療範囲は広い。毛髪再生、皮膚再生(皮膚の若返り、しわ毛穴の改善、タイトニングなど)、創傷治癒、アトピー性皮膚炎、ストレッチマークの改善、美白(症例報告ではヒアルロン酸注入で生じた皮膚アレルギーに使われた興味深いものもある)などで、毛髪再生では4月にライブ供覧されたことは先述のとおりだ。製剤を水光注射やエレクトロポレーションあるいはダーマスタンプで導入する方法が多い。
同社では、「オスモインジェクション」による導入法も勧めており、0.6㎜ 40Gに刻まれたスパイラル構造のニードルで真皮層まで確実に製剤を浸透させる全く新しい注入法だ。
さて、いかに臍帯血の再生因子が豊富で強力であるかは今さら説明することはないだろう。しかし簡単におさらいしておきたい。
いうまでもなく臍帯血は、分娩後の母親と胎児を結ぶへその緒から採取した胎児血で、がん治療や白血病の難治性の疾患の治療に広く応用されている。通常、へその緒の静脈から1回あたり100~200㏄抽出され、そこから幹細胞を分離していくことになる。最近、美容医療の市場に骨髄幹細胞の培養液などが出回っているが、そのほとんどが成人から採取した幹細胞であることから、赤ちゃんの臍帯幹細胞に比べいかにその活性は低いかは明らかだ(こうした培養液ではドナーもボランティアといわれその安全性には大きな疑問が残る)。
繰り返しになるが、HUCORD社のバンキングは世界有数の技術と安全性が担保されており、中国(香港)の臍帯血バンクからの製剤や、なかにはエステサロンに出回る類似の培養液もあり、医療で導入する際はくれぐれも注意が必要だ(安価であることから入荷したヒアルロン酸、ボトックスで合併症などクレームに発展するケースあり、培養液製剤にも同じような注意喚起が必要)。
一方、医療用臍帯血幹細胞培養上清液「HS-CM100 SF」では胎児血に多く含まれる未分化細胞や幼弱細胞を培養した際に、生成、分泌されるたんぱく質が高濃度に含有されることになるが、その再生因子の数は脂肪幹細胞の培養上清液と比較すれば一目瞭然である(グラフ参照)。
とりわけIGF-1、IGF-2、EGF、IL-8、M-CSF、MCP-1、PDGF、IP-10、IGFBP-1,2,5などが高濃度に含有される。
JAASアカデミーでは今年4月につづき、HUCORD社による改良型の医療用臍帯血幹細胞培養上清液「HS-CM100 SF」を使ったライブ講習会を来年1月29日に開催する運びとなった。講習会では、スレッドリフトのライブ供覧とあわせて実施されることになる
本製剤のお問い合わせ先は、日本総窓口ネイチャーフォース・ジャパン03-4560-1915まで
新たな製剤は、100%無血清培地による医療用臍帯血幹細胞培養上清液「HS-CM100 SF」で、韓国有数の産婦人科病院が研究機関として運営するHUCORD社が培養した製剤だ。同社は、多分化能幹細胞(multipotential stem cells)研究に注力する世界最大規模の臍帯血バンクで、2003年に世界で最初に臍帯血から幹細胞の抽出、分離に成功したいわばこの分野のパイオニアといっていい。その製造に関わるパテントの出願件数は世界トップで、臍帯の採取、保管する環境も厳格に管理されていることはいうまでもない。
経営母体の産婦人科病院が過去30年にわたり、およそ15万の臍帯をバンキングし続け、すべて安全で健康な臍帯のみをドナー(母親)の承諾をとりマイナス196℃の細胞保冷タンク(100基)で保存している。同社も含めこうした臍帯バンクは世界で5カ所しかない。
ただ今春発表した製剤では、無血清培地では難しいとされる幼弱な臍帯血幹細胞の培養では動物血清をわずかに使っていた(もちろん安全性チェックは怠ってはいない)。しかし今回の製剤ではそうした培養上の難点を解決し、動物血清を一切使わず完全無血清培地によりアルブミンや血清タンパクによるリスクを排除することに成功した。こうした無血清培地の安全性はもちろん、採取した臍帯の段階でも定期的な成分分析とMicrobial Content、Syphilis、HCV、HIV,HBsAg、CMV IgM、Bacteria Contentなど厳格な安全性チェックを行う。
すでに本製剤を使った臍帯血再生因子療法は韓国そして日本でも行われ、その治療範囲は広い。毛髪再生、皮膚再生(皮膚の若返り、しわ毛穴の改善、タイトニングなど)、創傷治癒、アトピー性皮膚炎、ストレッチマークの改善、美白(症例報告ではヒアルロン酸注入で生じた皮膚アレルギーに使われた興味深いものもある)などで、毛髪再生では4月にライブ供覧されたことは先述のとおりだ。製剤を水光注射やエレクトロポレーションあるいはダーマスタンプで導入する方法が多い。
同社では、「オスモインジェクション」による導入法も勧めており、0.6㎜ 40Gに刻まれたスパイラル構造のニードルで真皮層まで確実に製剤を浸透させる全く新しい注入法だ。
さて、いかに臍帯血の再生因子が豊富で強力であるかは今さら説明することはないだろう。しかし簡単におさらいしておきたい。
いうまでもなく臍帯血は、分娩後の母親と胎児を結ぶへその緒から採取した胎児血で、がん治療や白血病の難治性の疾患の治療に広く応用されている。通常、へその緒の静脈から1回あたり100~200㏄抽出され、そこから幹細胞を分離していくことになる。最近、美容医療の市場に骨髄幹細胞の培養液などが出回っているが、そのほとんどが成人から採取した幹細胞であることから、赤ちゃんの臍帯幹細胞に比べいかにその活性は低いかは明らかだ(こうした培養液ではドナーもボランティアといわれその安全性には大きな疑問が残る)。
繰り返しになるが、HUCORD社のバンキングは世界有数の技術と安全性が担保されており、中国(香港)の臍帯血バンクからの製剤や、なかにはエステサロンに出回る類似の培養液もあり、医療で導入する際はくれぐれも注意が必要だ(安価であることから入荷したヒアルロン酸、ボトックスで合併症などクレームに発展するケースあり、培養液製剤にも同じような注意喚起が必要)。
一方、医療用臍帯血幹細胞培養上清液「HS-CM100 SF」では胎児血に多く含まれる未分化細胞や幼弱細胞を培養した際に、生成、分泌されるたんぱく質が高濃度に含有されることになるが、その再生因子の数は脂肪幹細胞の培養上清液と比較すれば一目瞭然である(グラフ参照)。
とりわけIGF-1、IGF-2、EGF、IL-8、M-CSF、MCP-1、PDGF、IP-10、IGFBP-1,2,5などが高濃度に含有される。
JAASアカデミーでは今年4月につづき、HUCORD社による改良型の医療用臍帯血幹細胞培養上清液「HS-CM100 SF」を使ったライブ講習会を来年1月29日に開催する運びとなった。講習会では、スレッドリフトのライブ供覧とあわせて実施されることになる
本製剤のお問い合わせ先は、日本総窓口ネイチャーフォース・ジャパン03-4560-1915まで