初の医科・歯科合同解剖終わる
[ 2016/12/1 ]
第18回目となるJAASアカデミー(後援JAAS)による美容外科解剖・執刀トレーニングが先ごろ開催された。過去十数回にわたって実施してきた提携拠点・中国大連HoffenBio解剖施設(大連大医学部の提携)から提供された寄贈検体(FreshCadaver)は、アカデミーからの強い要望もあり、今回もその保存状態は際立っていた。そして何よりも今回の解剖・執刀トレーニングでは、JAAS解剖実習始まって以来初の「医科・歯科」合同のトレーニングとなり、医科からは鎌倉 達郎医師、中間 健医師、歯科からの指導医には中村 朋美歯科医の三人を招いての解剖実習となった。日頃JAASアカデミーで繰り広げられるライブ講習会において「日常手術で必要なのは、術野であり、局所解剖である。また、手術で合併症を引き起こす神経、血管等の位置に習熟する必要性もあることはいうまでもない」と多くの指導医が強調するとおり、解剖実習は欠かせない。ある意味、日常診療やライブ供覧で学んだ経験と知識を検証する場としてこの解剖トレーニングは位置づけられるといっていい。その上で今回の実習では、医科、歯科それぞれの治療、施術の解剖所見を確認し、執刀シミュレーションをこなしつつ、互いの治療範囲を超えて相互に学びあう光景がみられたことは大いなる成果といえるだろう。
本シリーズの特長でもある、丁寧できめ細かい教え方と「料理教室」さながらの研修スタイルを3人の指導医によって今回もまた踏襲し、解剖組織の観察に始まりそれぞれの治療部位ごとに、多彩な執刀手技を学んでいくスタイルは、他の解剖研修では決して真似ることはできない。指導医が実演後、参加者に同じことをすぐ執刀・施術してやってもらい、問題があればその場で解決する。JAASアカデミー解剖実習は、『手術シミュレーショントレーニング』という認識が定着した感のあるミッションとなった。
実習班では(眼瞼形成、鼻形成、フェイスリフト・フィラー、自主トレーニングと)4つの医科コースと1つの歯科コースに分け2人1検体のFresh cadaverを使い、全顔解剖や執刀手技を学んだ。
こうした中、今回も参加した医師らは重瞼切開、眉毛下切開、下眼瞼形成、埋没重瞼、切開や糸によるフェイスリフト、鼻尖・鼻翼・鼻中隔・隆鼻などの形成術、ヒアルロン酸注入など多岐にわたって、治療における解剖構造と手技の確認を行った。
指導教官の役を担った3人の講師からは、実習の前夜レクチャーが行われたが、中間医師からは全顔の血管走行、神経や筋肉の基礎解剖が概説され、BOTOXの注入量、禁忌について注意点が述べられた。とりわけヒアルロン酸の医療事故が多発する現状を指摘しながら、大耳介、側頭枝、下顎縁枝、頬骨枝などBOTOXを打つ際気を付けなければならない神経走行をわかりやすく説明した(講義内容に沿って翌日の実習で改めてコーチングされている)
一方、鎌倉医師からは上下眼瞼、鼻についての基礎的黄な解剖とその注意点、さらにはIMCASから提供されたカダバー実習の動画を供覧しながら、翌日の解剖実習への予習を行った。つづいて中村 朋美講師からは、スライドを使い上唇小帯切除、バッカルファットの手技をみせながら解剖上観察する部位の説明がされ、ヒアルロン酸注入と糸による口角リフトを加えたコンビネーション施術がレクチャーされた。
一夜明け本番の朝を迎えミッション団は、市内ホテルから1時間半かけて旅順の解剖施設ホッフェンバイオに向かった。
全員で検体に黙とうをささげたのち、まずは鎌倉医師から参加者を集め基礎的な解剖を供覧しながら、そののち各班に分かれて実習が進められたが、各講師は各グループからの求めに応じて指導にまわった。
医科チームでは、眼瞼形成、鼻形成、フェイスなどの解剖所見を解剖の教材を横に置きながら丹念に確認する班がある一方、参加医師のなかでも指導的なドクターらが指導医十共に、別班に赴いてハムラ法や埋没重瞼などの治療手技について教える場面もみられ、本ミッションならではの技術交流も生まれていた。
参加したある眼科の医師が涙道閉塞に対する治療を持ち込んだ涙道チューブを使って検体にシミュレーションする光景もみられた。
一方、「歯科班」には、朋美講師から、糸による口角リフトと赤唇へのヒアルロン酸注入、下制筋へのBOTOX注射などが指導され、色づけされたダミーの溶剤が注入されたあと、実際に解剖してどのレイヤーに注入されてかなどの検証も行われた。
実習が進むにつれて医科から歯科へ、歯科から医科へと、互いの治療範囲を超えて相互に学びあう光景がみられたことは特筆すべきことだろう。
「技術の盗みあい」は即競合ひしめく美容外科や美容歯科の世界では命取りになるケースも少なくない。そうしたなかにあって、共に教えあうこうした解剖実習での光景は麗しくもあり、また敬意さえ感じてしまう。 共に学びあった参加医師と指導医は、解剖実習を終え恒例となった海鮮料理を食しながら「交流の宴」を満喫した。
JAASアカデミーでは解剖トレーニングの第19回目を、2017年「ソウル美容外科解剖」として実施することが決定した。
本シリーズの特長でもある、丁寧できめ細かい教え方と「料理教室」さながらの研修スタイルを3人の指導医によって今回もまた踏襲し、解剖組織の観察に始まりそれぞれの治療部位ごとに、多彩な執刀手技を学んでいくスタイルは、他の解剖研修では決して真似ることはできない。指導医が実演後、参加者に同じことをすぐ執刀・施術してやってもらい、問題があればその場で解決する。JAASアカデミー解剖実習は、『手術シミュレーショントレーニング』という認識が定着した感のあるミッションとなった。
実習班では(眼瞼形成、鼻形成、フェイスリフト・フィラー、自主トレーニングと)4つの医科コースと1つの歯科コースに分け2人1検体のFresh cadaverを使い、全顔解剖や執刀手技を学んだ。
こうした中、今回も参加した医師らは重瞼切開、眉毛下切開、下眼瞼形成、埋没重瞼、切開や糸によるフェイスリフト、鼻尖・鼻翼・鼻中隔・隆鼻などの形成術、ヒアルロン酸注入など多岐にわたって、治療における解剖構造と手技の確認を行った。
指導教官の役を担った3人の講師からは、実習の前夜レクチャーが行われたが、中間医師からは全顔の血管走行、神経や筋肉の基礎解剖が概説され、BOTOXの注入量、禁忌について注意点が述べられた。とりわけヒアルロン酸の医療事故が多発する現状を指摘しながら、大耳介、側頭枝、下顎縁枝、頬骨枝などBOTOXを打つ際気を付けなければならない神経走行をわかりやすく説明した(講義内容に沿って翌日の実習で改めてコーチングされている)
一方、鎌倉医師からは上下眼瞼、鼻についての基礎的黄な解剖とその注意点、さらにはIMCASから提供されたカダバー実習の動画を供覧しながら、翌日の解剖実習への予習を行った。つづいて中村 朋美講師からは、スライドを使い上唇小帯切除、バッカルファットの手技をみせながら解剖上観察する部位の説明がされ、ヒアルロン酸注入と糸による口角リフトを加えたコンビネーション施術がレクチャーされた。
一夜明け本番の朝を迎えミッション団は、市内ホテルから1時間半かけて旅順の解剖施設ホッフェンバイオに向かった。
全員で検体に黙とうをささげたのち、まずは鎌倉医師から参加者を集め基礎的な解剖を供覧しながら、そののち各班に分かれて実習が進められたが、各講師は各グループからの求めに応じて指導にまわった。
医科チームでは、眼瞼形成、鼻形成、フェイスなどの解剖所見を解剖の教材を横に置きながら丹念に確認する班がある一方、参加医師のなかでも指導的なドクターらが指導医十共に、別班に赴いてハムラ法や埋没重瞼などの治療手技について教える場面もみられ、本ミッションならではの技術交流も生まれていた。
参加したある眼科の医師が涙道閉塞に対する治療を持ち込んだ涙道チューブを使って検体にシミュレーションする光景もみられた。
一方、「歯科班」には、朋美講師から、糸による口角リフトと赤唇へのヒアルロン酸注入、下制筋へのBOTOX注射などが指導され、色づけされたダミーの溶剤が注入されたあと、実際に解剖してどのレイヤーに注入されてかなどの検証も行われた。
実習が進むにつれて医科から歯科へ、歯科から医科へと、互いの治療範囲を超えて相互に学びあう光景がみられたことは特筆すべきことだろう。
「技術の盗みあい」は即競合ひしめく美容外科や美容歯科の世界では命取りになるケースも少なくない。そうしたなかにあって、共に教えあうこうした解剖実習での光景は麗しくもあり、また敬意さえ感じてしまう。 共に学びあった参加医師と指導医は、解剖実習を終え恒例となった海鮮料理を食しながら「交流の宴」を満喫した。
JAASアカデミーでは解剖トレーニングの第19回目を、2017年「ソウル美容外科解剖」として実施することが決定した。