２０１５年も水素関連の美容医療商材に引き続き注目が集まっている。水素は無味・無臭なため数年前はどことなく怪しさもあったが、その後様々な医療機関で研究が急速に進み、その効果も信憑性が持てるものになってきた。水素インフラ市場の担い手、燃料電池車や水素ステーションの普及は世界的な規模で進み２０４５年には６０兆円に膨らむと予想される一方、水素水、整水器、化粧品、サプリなどの市場も２００億円の大台に迫る勢い。さらに、ＪＡＡＳアカデミーライブ講習会でも実施される「水素点滴」など医療の分野にも水素を使った治療術が浸透するなど、「水素」に対する認知は最高潮に達しているといっていい。最近話題の商材を追った。

機能性ゼオライトを使用することで、体内で水素を発生させるサプリが注目を浴びている。ドクターズファーマが開発した水素サプリ「Dr’s水素」だ。この商品が特徴的な点は、一般的な水素サプリや水素水が身体の外から水素を摂取する商品であるのに対して、同商品は体内の水分を分解して水素を発生させるという点である。
「Dr’s水素」は、３５００万年前の地層から産出したゼオライトと２枚貝（牡蠣殻）の１３種類のミネラルをイオン交換させることによって実現した「機能性ゼオライト」を主成分としている。原料のゼオライトは、国内で産出したゼオライトの中でも上質で純度の高いものを使用しているためよりイオン交換能力が高く、水素をより長時間にわたって体内で発生させることを可能としている。個人差はあるが、１８時間程度は水素を発生することができるという。商品の開発には、薬事法制定委員で非核医師会議の１人としてノーベル平和賞を共同受賞した桧田仁氏が特別顧問を務めた。医療機関や整体、サロンなどを中心に導入が進む。

今年２月から高濃度水素水ウォーターサーバの販売を開始したのはパルティだ。同社が開発した水道直結型の水素水サーバ「マモロン」は、電極が触れない安全な水素供給方式と、定期的に水を循環させ水素を再付加するサーキュレーションシステム、不純物を0.0001 ミクロン単位でろ過する脱着式ＲＯ濾過システムを採用することで、安全・高濃度な水素水を手軽にいくらでも飲むことができる（詳細は１５面を参照願いたい）。

パル・コーポレーションは、首都大学東京との産学公連携の研究によって、分子状水素ガスを大量に発生できる発泡水素発生材を開発した。この発生材は水素生成器「Hydrich（ハイドリッチ）」として今年４月から販売を開始する。
「Hydrich（ハイドリッチ）」は、専用の瓶に水素発生材に水を入れて化学反応を起こし、水素を発生させる。これによって、純度９９．９％の水素ガスを１グラムあたり５００ｍｌ～６００ｍｌと大量に発生させることができる。電気分解によって水素を発生させる同様の商品と比較すると価格がとてもリーズナブルで付属品の水素発生装置を含めても１万円前後で手軽に水素を生成できる商品だ。
本商品に関しては、がんの漢方治療と補完・代替医療を専門にしている銀座東京クリニック福田一典医院長と共同で２年以上に渡って研究・開発を進めており、同社開発の水素ガス浴や水素ガス吸入療法を導入し、来院者の症状改善、とくに炎症性疾患等に効果を出しているという。

エレクトロニクス分野で１世紀近くの実績を持つ東光高岳では、水素水生成器「アクティブビオⅡ」を開発・販売している。生成器には持前のエレクトロ技術等を応用しており、特許を取得した独自の電気分方式が導入されている。この方法によって、電解漕内の水素イオンと水酸化物イオンが再結合し、自宅の水道水から手軽に中性水素水を作ることができるという。さらに同商品のフィルターには圧縮活性炭を使用している。この活性炭のろ過機能によって高い浄水性能を可能とするだけではなく、フィルター内に滞留している水素ガスをしっかり活性炭に吸着し、水に溶け込ませる役割も果たしている。この手法によって、１㏙という高濃度の水素水を作り出すことができる。
エステサロンや接骨院、歯科などへの導入実績もすでにあり、今後はさらに医療分野でも導入実績が拡大しそうだという。

前号掲載した水素クリームに問い合わせが相次いだ。セレッソが扱う〟魔法のクリーム〟がそれで、たった１５ｇのクリームチューブに画期的な水素発生の仕組みが隠され、紫外線などで炎症を起こし有害活性酸素によってシミ、しわができるものを、この水素によって還元してしまう。
皮膚に塗布する際の溶存水素発生量は、公的機関での測定で常に１ｐｐｍを超え、８時間以上持続することも研究で確認されているという。水素発生のメカニズムは独自開発のクリームに使う還元パウダーが肌の水分と反応するというもの。
製造特許をもつこのメカニズムは、還元作用を有する微粉末より成る還元パウダーをクリームに含有させることで、当該還元パウダー中に部分酸化したマグネシウム（Ｍｇ‐ＭｇＯ）と水分が接触して水素を発生させ、還元機能をもったクリームにすることができるというもの。シミやくすみ、しわなどの予防、低減、改善などの皮膚の若返り、柔軟性および血行促進などによる美容効果は美容皮膚科医が確認済みでもある。
水素商材「ＰＲＯＴＯＮ」を販売するだけに留まらず、水素の理論と生体に及ぼすメカニズムや生理学をより具体的にそして実践に役立つようにスクーリングをする会社がエステプロ・ラボである。
２０１４年３月に始まった一般社団法人日本酵素・水素医療美容学会が主催し「公認プロフェッショナルインストラクター」を養成する講座だ。計８回の集中講座を受けることで水素・酵素栄養学をマスターすることができ、公認プロフェッショナルインストラクターとして認定ディプロマ発行も受けることができるが、さらに資格取得後には申請・審査を経て公認ライセンス校としてスクールを開講することもできる。　
講義は水素・酵素栄養学療法の第一人者でもある、ブルークリニック青山の院長 内藤眞禮生医師・医学博士が直々に行うため、医療現場での臨床実績をベースとした本格的な講義内容ともなっており、「医療現場の臨床実績を元にした講義のため非常に充実している」「水素・酵素等の栄養学を学ぶことができ、結果として施術や商品の売上にもプラスになっている」と好評を得ている。受講者はエステティシャン、セラピスト、鍼灸師、整体師、看護師、医師など多岐に及ぶ。



（JHM126号より）