下肢静脈瘤治療でストッキング話題に
レーザー(980nm)による下肢静脈瘤の治療に加え、昨年夏、ラジオ波(高周波RF)を用いた血管焼灼術が保険適用になったことから、いま下肢静脈瘤がフォーカスされている。先ごろもTBSのニュース番組「nスタ」で取り上げられたことは記憶に新しい。血管閉塞によって血液の逆流作用が生じ血管が膨らむこの病態は遺伝的体質によるところが大きい。また妊娠、出産を経てホルモンバランスが崩れることから女性に多いと言われ、立ち仕事の人にも発症率が高い。治療には先述した治療法の他にも結紮術、ストリッピング手術などがあるが、手術によらない「保存的療法」もある。脚を圧迫することで静脈の還流を助け血液の循環をスムーズにする、いわゆる弾性ストッキングによる圧迫療法だ。この3月、弾性ストッキング市場に新たな商品が投入された。下肢静脈瘤を抱える女性が少なくない北欧で製薬会社の専門チームが開発したお勧めの商材だ。
下肢静脈瘤治療術の話題性が追い風になって、その予防、血流促進あるいは保温効果をうたうこうした類いのストッキングが今、ちょっとしたブームを呼んでいる。高まる下肢静脈瘤治療の需要や、予備軍のユーザーからの購買ニーズが出ているのかもしれない。TVショッピングの番組でも売れ筋のようだ。
一方、下肢静脈瘤を専門に治療するクリニックではもちろん、医療ユースのストッキングを扱うことはいうまでもない。しかし医療用弾性ストッキングでさえ
的確なサイズ、圧、伸縮性をもたせたものはそう多くない。
何より圧迫から「脱いだ後に繊維の跡が残る」、「保温性はいいが蒸れてしまう」、「タイト過ぎてつま先からなかなか履きづらい」、「何回か履くと伸びてしまう」といった患者やユーザーからの使用感も聞かれる。
そんな製品市場に北欧からお勧めのサポートタイツ「Finaben(フィーナビエン)」が日本に上陸した。下肢静脈瘤を抱える女性が少なくない北欧で製薬会社の専門チームが開発したこの商材は、スウェーデンの製薬企業メソファーマ社が開発したもので、素材、圧の設計そして履き心地を徹底的に改良したものだ。
使われる繊維はマイクロマッサー繊維(特許取得)と呼ばれ、微粒子セラミックスにより遠赤外線輻射エネルギーをだす。「冷え」と「蒸れ」を同時に抑えながら身体を温めるだけでなく、身体の体温を逃がさない。その保温効果は体表温の変化を観察したサーモグラフィテストの画像をみれば一目瞭然だ。
そもそもこうした繊維素材と伸縮性、履き心地感をもたらす最大の要因は、製造技術にある。この技術では世界最高峰のドイツのカール・メルツ社の医療専門のニッティングマシーンによるところが大きい。高い伸縮性の140dサポート糸とマイクロマッサー繊維を身体のあらゆる動きにフィットできるように設計しながらこの機械で編んでゆく。
また独自の着圧力を考案し、足首26~27hPa、ふくらはぎ20~21hPa、ふともも12~13hPaとしている。この圧は下肢静脈瘤など医学的にも根拠をもつ数値であることは言うに及ばない。
「Finaben(フィーナビエン)」には、ソックスとタイツを揃えており、タイツは骨盤ケアの効果もあるという。
下肢静脈瘤のために、またセルフケアに、そしてむくみ、だるさ、冷え、疲労感、骨盤ケアにと幅広く使える優れものといっていい。
メソファーマ社の「Finaben(フィーナビエン)」は日本総代理店ユニーク社が取り扱う。同社ではクリニックルート限定品として販売していくが、すでに数か所のクリニックで看護師やスタッフにモニタリングを実施。好評を得ているという。
(JHM125号より)