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眼瞼下垂で核心迫る術中ディスカッション

[ 2015/3/18 ]


 好評を得るJAASアカデミーの看板ライブ講習会「山本美容整形塾」の5期目が先ごろスタートした。受講医師はこの日も定員をこえ20人に迫る参加を得たが、手術室に設置した2台のモニターが用意され、直視組と接写の映像を供覧するグループに分かれながらライブ進行を交互に観察した。この美容塾がかくも盛況で継続的な理由は何なのであろうか?それは、現場の医師であるとともに『経営者』でもある山本医師が『費やした講習会受講費を無駄にさせない』という点を重要視しているからに他ならない。ともすると鳴物入りで開催するライブ講習には「せっかく時間とお金を投資したのに」という後悔が残るケースも少なくない。しかしこの山本塾では、そうしたことがないように、常に講習内容、進行方法に気を遣ってなおかつ、徹底的に術式の詳細を説明しながら、質問にも隠すことなくフルオープンにしていることは、一度でも参加したことのある医師ならば実感していることであろう。
受講する医師たちに、投資額の何倍もの経済効果をもたらせてきたことは、受講者からの多くの感謝の声が物語っている。5期目の1回目は、眼瞼下垂と重瞼術を同時に題材として扱った。下垂と重瞼術とは、ミュラー筋、挙筋腱膜に対する処置が異なるため、これらは似て非なる術式である。しかし、重瞼術の目力アップを目的とした挙筋腱膜の前転等が一般的になったため、両者を明確に区別することが困難になってきつつあるというのも現実である。そのため両者の共通点、相違点を確認する意味も含めてライブ供覧が実施された。副講師には4期目で好評を呈した柴田医師を招き、『皮膚科医が眼瞼下垂を手術するようになったからこそ分かる』、習得するためのコツやピットフォールを講義と手術助手をしてもらいながら伝授して頂いた。

今回は、眼瞼下垂手術、切開式重瞼術という上眼瞼のメジャーな手術を同時に扱った。かねてから講習会で眼瞼下垂をじっくりと検証したいという要望を受講者からも多くいただいていたため、そのリクエストにもなるべく応えていくという山本塾の姿勢が今回も浮き彫りとなった。
上眼瞼手術は、日常診療で遭遇する機会も多く、様々な対応を余儀なくされることが多いため、様々な術式を包括的に取り上げ、診療の幅を作るという事は、意義深い事である。
恒例の午前の術前講義では、眼瞼下垂手術に思い入れの強い柴田医師を講師に招いてのディスカッションであった。
現状としての眼瞼下垂の分類から始まり、解剖、術式、またその手術の難しさのポイントに至るまで同医師の考え方が凝縮された内容であった。また、形成外科、眼科の手術書にまで話題が波及し、眼瞼下垂をどのようにとらえ、勉強していくべきかという核心に迫った講義内容に参加者の先生方も深く聞き入った様子であった。
柴田医師の講義に、その都度山本医師が質問や疑問を投げかけながら進行して行く方式には、従来に類を見ない様式であった。また参加者からも多数の意見や質問が飛び交い、サークル活動に参加しているような錯覚を覚えた先生方も少なくないだろう。
さらに、1症例目では、重瞼術のみでなく目頭切開手術を併用した方が、患者さんが綺麗になるという配慮から、講義にも目頭切開が組み込まれたことは、参加者にとって嬉しい誤算であったようだ。

内眼角解剖についても検討がなされ、鼻涙管走行などについても話題が及んでいたことは、日常診療にプラスになったようだ。
昼食を終え、会場となった山本クリニックに移動する。
1例目の手術では、デザインの仕方、特に目頭切開の『傷を最小にして仕上げるか』という山本医師のこだわりや細部への工夫や注意点が述べられていたことは、参加者からは『これだけでも今回の講習会に参加した意味がある』との異口同音を頂くことが出来た。  
かねてより、山本医師の『美容外科の80%はデザインで決まる』という考え方が露出した手術ではあるが、細部への配慮を言葉として表現していることが意味深いと思われた。
2症例目の重瞼切開術では、皮膚の切除幅の決定や上眼窩脂肪の同定方法、挙筋腱膜の同定法等の議論がなされたに実施されため、眼瞼下垂と切開重瞼の違い、共通点が十分に分かりやすく解説されていたと思われた。


また副講師の柴田医師のコメントにも『冴え』が感じられた。眼瞼下垂手術中では、解剖的な同定の仕方やミュラー筋と挙筋腱膜剥離まで解説が加えられたが、その性質上『左右差をどのように解消しながら手術を仕上げて行くのか』という点も披露されたことが非常に印象的であった。

講習会中は、冗談も出るなど明るい雰囲気のなか進行していたが、手術に対する『熱意』は参加者のなかであふれかえっているようであった。
終了後の懇親会は、いつものごとく和気あいあいとした雰囲気の中で終了することが出来、講習会主催者側としても、今年初の講習会の大成功を実感するものであった。


(JHM125号より)

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