小規模クリニックでも勝算あり！
患者を巻き込んだ口コミによるWebプロモーション



ＴＶＣＭや雑誌広告と同様に、Ｗｅｂ上での広告についても以前は大手クリニックが中心だった。だが今は、Ｗｅｂプロモーションの手法が多角化したこと、広告の価格も下がってきたこと、さらにユーザーの目が肥えたことなどを背景に、中小のクリニックでも集患することができるようになってきた。本紙取材班は、美容クリニック向けにＷｅｂプロモーションの提案・サポートや口コミ投稿サイト等を取り扱うクィーンに最近の動向について話を伺った。

同社が取り扱う口コミ投稿サイト「美容外科・皮膚科の口コミ広場」は現在、全国３００院程度の美容外科、美容皮膚科、ＡＧＡクリニック等が利用している。　
この３年ほどで急激に伸びてきたユーザー投稿型のサイトだ。
一般的なクリニック基本情報を掲載する広告サイトと異なり、クリニックに実際に来院し施術を受けた患者が口コミを投稿するため、偽りのないリアルな感想が掲載されているという。

たくさんの情報をネット等で気軽に情報収集できるようになった今、ユーザーは複数の広告やサイトを見て比較検討した上で購入することがごく一般的になっている。そのため、クリニックのＷｅｂサイトだけではなく、様々な情報サイト等を見て購入・予約を決めている。口コミサイトは、直接同サイト経由で予約をするだけではなく、来院予約をするための「背中を押す」という、アシスト効果を発揮しているようだ。
同サイトの口コミは、一般のユーザーは基本的に書き込みができない。このサイトに会員登録をしており、且つクリニックへ予約をして実際に施術を受けた人だけが口コミを書くことができる。
そのため関係者によるやらせはないし、逆に同業他社による誹謗中傷などもない。掲載場所等によって料金は複数プラン用意されているが、初期費用１０万円、月額３万円程度でも掲載はできる。

多くのクリニックがＳＥＯ対策やリスティング広告に何十万という費用をかけているが、いずれも競合が増え価格競争になっている状態だ。そのうちの一部を同サイトにスライドすることで、今までと違う新しい集客ツールとして活用できる可能性もあるかもしれない。
サイト経由でクリニックに予約をするユーザーは２０～４０代が中心で、最近はしわ、たるみといったアンチエイジングの悩みを持つ５０も増えてきているという。とはいえ全体でみると一般的な美容医療業界のニーズと一緒で、二重、脱毛、しみ・ほくろといったレーザー治療のニーズが大きく、さらに脂肪吸引や豊胸といった比較的大きな外科手術の相談も来ているようだ。
ユーザーは口コミをチェックした上で予約をするため、希望する施術の口コミが多いクリニックへ流入が伸びている傾向があるようだ。中小クリニックの場合はオールラウンド志向よりも、ある一部の施術に特化することで特徴を出しやすい。
またクリニックの中には、ネット経由で予約や問い合わせが増えているものの、実際の来院に至らず悩んでいるケースも多い。情報量が増えた今、ユーザーは比較検討をしつつ複数のクリニックに相談していることも多く、クリニック側のレスポンスの速さや内容によっては、すでに別のクリニックに相談に行っているのだという。
本紙既刊号でも報じたように、美容医療は「サービス業」のひとつであることを忘れてはいけない。患者のニーズを満たすためには、迅速で丁寧な対応が重要であることが同社への取材でも改めて実感した。




同社では、口コミ投稿サイトだけではなく様々なＷｅｂサービスも提供している。ＳＥＯやリスティング運用、サイト分析サービスはもちろん、看護師の求人サイト等も運営も行っており、美容クリニックからも様々な相談を受けているという。
さらに現在では、インプラントや審美歯科などの歯医者のプロモーション活動や広告も行っていたり、さらにＷｅｂだけではなく幻冬舎が出版する女性誌「DRESS(ドレス）」においてタイアップ企画を実施していたりと多角的なプロモーションを手掛けている。いずれも成果報酬型の料金体系で試しやすいサービスになっているのもうれしいところだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　
◎本稿に興味のある方はこちらまでお問い合わせ下さい。


（JHM124号より）