エステ術なのに 美容医療の施術効果に負けず劣らない
バカにするなかれ!
表情筋アプローチ・テクニック「Vicore Method」
エステサロンがクリニックと提携して、美容医療とエステの患者(顧客)の共有をはかったり、さらには美容クリニックやデンタルクリニックがエステ部門の併設に動くケースが少なくない。「もはや美容医療とエステが敵対する構図は成り立たない。マーケット全体の委縮を招くことは明らかだ。だからこそエステと医療は共存繁栄するためにお互いの理解と協力が不可欠である」(JAASアカデミー認定エステティシャン養成塾統括責任者・山本 豊医師)。誰もが気づいていながらなかなか、そうした方向に向かわないのはなぜだろう?お互いが施術や知識を知らず、交流が疎遠になってしまっていることが一つの要因なのではないだろうか。場合によってはエステ側は「エステの施術ですべて顧客の満足度を満たした」として、美容医療の良さを伝えない。また美容医療側は「エステで行う施術は効かない、過度な施術は危険である」としてエステサロンをバカにする。この疑心暗鬼ともいうべき負の連鎖が、お互いの提携を阻む。エステに来る顧客に美容医療の良さを伝え、クリニックに紹介すれば顧客から喜ばれるはずだ。その顧客は必ず「エステでしか味わえない、癒せない施術」に帰ってくる。また美容医療の施術のあとに行うアフタートリートメント・ボディメンテナンスはクリニックではやれないか、あるいは不得手であるはずだ。だからこそ患者をエステに紹介してやる。この良好な循環がこれからは必要となる。
シリーズ「エステ術なのに美容医療の施術効果に負けず劣らない」、今回は筋肉にアプローチして表情筋のコアから顔全体のリフトケアまで完成させる「Vicoreメソッド」を紹介したい。
パワープレート理論参考に弱った筋肉を甦らせる
パワープレート®という加速度トレーニングマシンをご存じだろうか?
プレートの上でポーズをとるだけでストレッチ、トレーニング、リラクゼーション効果を同時に実現できるマシンである。帰還した宇宙飛行士の筋肉や骨密度を回復させるために、開発されたトレーニング・テクノロジーで、その「肝」は重量の負荷をいかにかけるかというもの。体重70kgの人間がこのマシンの上で毎秒30Hzの振動を受けると重力の1.8倍の負荷がかかる。この負荷は重り58Kgを使ったトレーニングに相当するという。
人間が地球上で当たり前にように受け続けている重力加速度があるからこそ、筋力そして骨密度が保たれており、その重力加速度をこのマシンで独自の振動域と前後・左右・上下の3次元の振動の方向を作り出すことができる。10~15分間プレート上でポーズをとるだけで、マシンの振動によって筋肉が小刻みに活動しインナーマッスル、アウターマッスルに働きかけ鍛えられるというから驚きだ。
そしてこうしたパワープレート理論を参考に考案されたハンディスティック型の美顔器「Vi ccotto」があらわれた。従来のローラー型が皮膚を平面で捉えるのに対して、この機種は360度回転するドレナージュボールを搭載しているためピンポイントでアプローチできることに加え、マイクロバイブレーション機能を持ちあわせている。イオン導入も可能なため美容液を有効的に浸透させていくことはいうまでもない。
搭載されたバイブレーション、そして360度回転できるドレナージュボールは、パワープレート理論の振動域とその方向を美顔器に応用したといっていい。
「どちらかというと今までのフェイシャルケアは、機器を使って美容成分を入れ込む美容術。この美顔器を使うことで弱った筋肉を掘り起こす美容法です。言い換えれば、鍛える美容術といってもいいでしょう」
江見 知桂さん考案の鍛える美容術
こう強調するのは、機器の開発者でもあり、機器に加え自ら考案したハンド術を交えたオリジナルテクニック「Vicore Method」を普及するエステティシャン・江見 知佳(写真)さんである。直営サロン「MARIAROSA」のオーナーの傍ら、自らのテクニックをエステサロンに広めているBeauty Promoterである江見さん、もちろん写真は近影されたもの(年齢52歳)であることもいうに及ばない。
~もっと好きになれる、新しい自分に~
江見さんが提唱する鍛える美容術で、年齢を重ねても新しい自分を作り出すことは、この写真を見れば納得させられるはずだ。
美顔器+炭酸泡+オリジナル施術でハリ・弾力を再生、たるみを改善
もう一度おさらいしよう。
美顔器「Vi ccotto」のマイクロバイブレーションとドレナージュボールで、筋肉までアプローチして肌の活性化、さらに皮膚の薄い目元、口元などのピンポイントから全体のリフトアップをさせ、イオン導入で美容液を浸透させる。
そしてもう一つ、〝錆びない肌〝をつくるためのツールがある。濃密な泡を出す炭酸泡美容液マスク「MASK de ROSA」だ。シートマスクでは難しい目元や口元のラインぎりぎりまでこの炭酸泡でケアできる。
炭酸は血管拡張を促す血流促進作用や、皮膚細胞組織まで酸素を供給していくとされ、美容効果は高い。同品には3800ppmの炭酸が含有され、一回使用あたりのイニシャルコストは500円を切ることから、通常のマスクパックに比べて格段に安い。
こうして美顔器、炭酸泡を使って、江見さんが考案した「Vicore Method」が生まれる。
筋肉に直接アプローチしていくテクニックでは、美顔器のバイブレーションとドレナージュボールの当て方、そして角度などを試行錯誤したのち、最適なトリートメント法を見出し、きめ細かなハンドテクニックを加えて、顔の表情筋に働きかけていく。ハリ、弾力をもたせたるみを改善させながら、柔らかでしなやかな表情をつくりだすという。
完成したメソッド、筋肉を掘り起こす流れは、何も表情筋だけではない。
凝り固まった筋肉をほぐし血行や新陳代謝を促すために、首筋からの胸鎖乳突筋、広頸筋などへのアプローチが欠かせない。その上で、下唇下制筋、口角下制筋、オトガイ筋、大頬骨筋、咬筋、口輪筋、上唇鼻翼挙筋、眼輪筋、皺眉筋などへとドレナージュが進む。
「まず実感して頂けるのはむくみがとれること。お顔の美肌再生を考えるなら、まずは血流を良くすることです。それには筋肉をほぐし鍛える以外に本当の美容術はありません」
百聞は一見にしかず!
エステチャシャン養成塾を主宰する、JAASアカデミーでは次回6月の資格講習会で、江見さんの表情筋アプロートテクニック「Vicore Method」を公開してもらう予定だ。
一見の価値はあるだろう、乞うご期待して頂きたい。
(JHM118号より)