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Before After写真の命運!?

[ 2014/1/8 ]
2013年も終わろうとしている。この一年、弊紙「JHM健康と医療」をお読みいただき、読者の皆様には感謝申し上げたい。
2面囲み記事にある通り、詫びるべきは詫びる報道の姿勢を来年も貫きたいと思う。「反省なきジャーナリズムはやがて滅ぶ」ことを肝に銘じたい。一方で主張する新聞、正邪を見極める報道そして、業界専門紙として最も大事な「業界の読者が求める情報」を日々、探し取材し、紙面にできうる限り反映させていこうと思う。

さてここに2つの画像がある。お見せはできないが、ひとつは「ヘアメディック」システムを使ったBefore Afterの症例だ。この装置、先般、JAASライブ講習会StemCell療法を応用した発毛セラピーの術前でも使われた頭皮、育毛ケアのための施術システムで、メディカルエステ向けで販売されている。もちろんこの術前後の写真は事実であることは疑いがない。

一方もう一つの画像は、やはりエステサロン向けに発毛、育毛の施術を紹介する、ある会社がPRに使っている施術前後の写真だ。誰の目にもこのBefore After写真には、違和感を感じることだろう。しかし真贋はわからない。仮にこれが虚偽の写真であるとすれば、掲載した広告主だけの問題に留まらない。虚偽の症例写真は、かつてないほどその罪は極めて重い。なぜなら、サロン業界のこうした虚偽、誤認を与える広告が、医療機関にも誤った認識と誤解を与えかねないからだ。
本誌では、たびたび美容医療と歯科インプラント治療を行うクリニックを対象の『医療機関のホームページの内容の適正なあり方に関する指針』、いわゆる「医療機関ホームページガイドライン」による広告規制の動きを報じてきた。

今夏からは、美容クリニックなどを中心に、それぞれエリア所管の保健所がネット広告の監査に乗り出している。厚労省の一連の検討会では、その基本的な論点である「ホームページの医療広告を規制する行政監視の権益を大幅に認めるか?」「医療側の表現の自由の担保と自主的な取り組みに任せるか?」に対して、後者の意見に歩み寄ったかたちとなっていたが、行政が保健所を介してネット広告内容の修正や指導を強めている感は否めない。

とりわけ関心の高かった、施術前後(BeforeAfter)の写真、さらには患者の体験談などへの規制では、「あたかも効果があるように見せる加工・修正(撮影条件、被写体の状態を変える)した術前後の写真」や「当該医療機関に意図的に便宜を与えるような体験談を取捨選択して掲載する」ことを禁じたが、掲載自体への規制強化には至っていない。

本紙も主張してきた「事実としての術前後の写真の掲載など信憑性が高いものまで規制の対象にすることはあってはならない。消費者の保護と権利を主張することと同じように、医療機関とりわけ医師の治療の権利まで奪ってはならない」とする業界側の意見は認められたといっていい。
しかし、先述のとおり、エステ業界での虚偽の施術写真などが大きくクローズアップされれば、美容医療に対する規制もさらに強化されることは間違いない(実際、年明けからはyahoo検索サイトでBefore After写真の掲載は中止することが決定している)。

本紙の今年最後の社説としては暗い話題を取り上げたことをお許し願いたい。
来年2014年は、美容アンチエイジングそして美容、健康産業にとって大いに飛躍する年になることを願って本稿を終わりたい。


(JHM115号より)
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