米国の表示制度がモデル 2015年流通する 健康食品には機能性表示が
[ 2013/12/25 ]
AIFNジャパン専務理事
末木 一夫 薬学修士
現行のトクホ、栄養機能食品では制度改善求める
日本における食品の機能性表示制度に第3のカテゴリーが追加されることが、濃厚になってきた。ことの起こりは、本年の1月に内閣府内に設けられた「規制改革会議」における議論である。本会議内には多くの作業部会が設けられているが、そのなかの「医療と健康作業部会」が提案した6項目が、6月14日に閣議決定されたのである。この動きは、“アベノミクスの第三の矢”に関連するもので、企業や国民の自信を回復し、“期待”を“行動”に変える、新たな成長戦略のひとつである。
6項目のなかで、健康食品業界が最も関心があるのが「いわゆる健康食品」への機能性表示制度の新規創設に関する項目である。
この新制度創設にあたっては、現在米国で栄養補助食品の機能性表示制度として、1994年に創設された構造/機能表示(Structure/Function Claims)制度を、基本に検討することが課された。
特に消費者庁食品表示企画課が中心となって、農林水産省および厚生労働省との協力下で平成26年(2014年)度中に仕上げる工程である。
すなわち、平成26年(2015年)4月1日には、この創設される新しい一般(いわゆる)健康食品における機能性表示制度に基づいて機能性表示をした健康食品が市場にでることが許されるのである。
ここに至る業界側の動きとしては、4月の業界団体からの規制改革会議への2度のヒアリング、(公財)日本健康栄養食品協会による機能性表示第3者認証の提案を全面に押し出した複数回のセミナー、各団体による関連セミナーそして、10月7日に開催された(社)国際栄養食品協会<AIFN:アイファン>と米国商工会議所<ACCJ>共主催による海外の欧・米・アセアンにおける関連規制国際シンポジウムというように種々の情報発信がなされてきた。
もうひとつの関与団体としてアカデミアの動きをみてみると、抗加齢学会が中心となって、個別の機能分野における評価ガイドラインの作成を目指して既存の関連各学界との共同作業をするための動きがみられる。
このような中で、行政サイドしては、まず今年度末にかけての消費者意向調査を実施することが決まっており、来年度のはじめには、機能性表示案を作成する予定となっている。その後、有識者検討会を立ち上げ審議の結果を基に来秋を目途に制度の最終化を行う。
その後、パブリックコメント等を経て、平成26年(2015年)4月には施行という運びとなることを目論んでいる。
特定保健用食品(トクホ)については、3項目の提案がなされている。1点は、最近の認可作業時における錠剤・カプセル形状に対する差別評価をあらためる形状規制の廃止の周知徹底について、消費者庁が今年度中に措置をすること。
2点目は、保健の機能表示について、消費者にわかりやすい内容を検討することで、適切な摂取を促進するためである。
3点目は、許可申請手続きの合理化。迅速化さらに審査の透明化を求めたもので、2点目と3点目は、平成25年(2014年)度中の措置となっている。
栄養機能食品については、2項目の提案がなされている。1点は、栄養素機能表示について、消費者にわかりやすい内容を検討することで、適切な摂取を促進するため。2点目は、食事摂取基準を考慮にいれた対象栄養素の拡大である。いずれも2014年度中の措置となっている。
また、明らか食品に関する範囲の周知徹底による食品表示に基づく指導取締りの誤りをなくす体制の構築である。本項目は、平成25年(2014年)度中の措置となっている。
このような状況で業界として、急ぎ取り組まなければならないことは、消費者目線を意識しつつ企業責任に基づく健康食品の機能性表示制度の提案をしていくことであろう。
(JHM114号より)
末木 一夫 薬学修士
現行のトクホ、栄養機能食品では制度改善求める
日本における食品の機能性表示制度に第3のカテゴリーが追加されることが、濃厚になってきた。ことの起こりは、本年の1月に内閣府内に設けられた「規制改革会議」における議論である。本会議内には多くの作業部会が設けられているが、そのなかの「医療と健康作業部会」が提案した6項目が、6月14日に閣議決定されたのである。この動きは、“アベノミクスの第三の矢”に関連するもので、企業や国民の自信を回復し、“期待”を“行動”に変える、新たな成長戦略のひとつである。
6項目のなかで、健康食品業界が最も関心があるのが「いわゆる健康食品」への機能性表示制度の新規創設に関する項目である。
この新制度創設にあたっては、現在米国で栄養補助食品の機能性表示制度として、1994年に創設された構造/機能表示(Structure/Function Claims)制度を、基本に検討することが課された。
特に消費者庁食品表示企画課が中心となって、農林水産省および厚生労働省との協力下で平成26年(2014年)度中に仕上げる工程である。
すなわち、平成26年(2015年)4月1日には、この創設される新しい一般(いわゆる)健康食品における機能性表示制度に基づいて機能性表示をした健康食品が市場にでることが許されるのである。
ここに至る業界側の動きとしては、4月の業界団体からの規制改革会議への2度のヒアリング、(公財)日本健康栄養食品協会による機能性表示第3者認証の提案を全面に押し出した複数回のセミナー、各団体による関連セミナーそして、10月7日に開催された(社)国際栄養食品協会<AIFN:アイファン>と米国商工会議所<ACCJ>共主催による海外の欧・米・アセアンにおける関連規制国際シンポジウムというように種々の情報発信がなされてきた。
もうひとつの関与団体としてアカデミアの動きをみてみると、抗加齢学会が中心となって、個別の機能分野における評価ガイドラインの作成を目指して既存の関連各学界との共同作業をするための動きがみられる。
このような中で、行政サイドしては、まず今年度末にかけての消費者意向調査を実施することが決まっており、来年度のはじめには、機能性表示案を作成する予定となっている。その後、有識者検討会を立ち上げ審議の結果を基に来秋を目途に制度の最終化を行う。
その後、パブリックコメント等を経て、平成26年(2015年)4月には施行という運びとなることを目論んでいる。
特定保健用食品(トクホ)については、3項目の提案がなされている。1点は、最近の認可作業時における錠剤・カプセル形状に対する差別評価をあらためる形状規制の廃止の周知徹底について、消費者庁が今年度中に措置をすること。
2点目は、保健の機能表示について、消費者にわかりやすい内容を検討することで、適切な摂取を促進するためである。
3点目は、許可申請手続きの合理化。迅速化さらに審査の透明化を求めたもので、2点目と3点目は、平成25年(2014年)度中の措置となっている。
栄養機能食品については、2項目の提案がなされている。1点は、栄養素機能表示について、消費者にわかりやすい内容を検討することで、適切な摂取を促進するため。2点目は、食事摂取基準を考慮にいれた対象栄養素の拡大である。いずれも2014年度中の措置となっている。
また、明らか食品に関する範囲の周知徹底による食品表示に基づく指導取締りの誤りをなくす体制の構築である。本項目は、平成25年(2014年)度中の措置となっている。
このような状況で業界として、急ぎ取り組まなければならないことは、消費者目線を意識しつつ企業責任に基づく健康食品の機能性表示制度の提案をしていくことであろう。
(JHM114号より)