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たるみ治療への需要高まる

[ 2013/2/25 ]
〝ジェネリック・マシン〝が先発ブランド機器を追随

性能遜色なく、投資額は半額さらにイニシャルコスト抑える

高密度焦点式超音波マシン「e-clip」に話題集まる


バブル期」にみられた高額の美容医療機器から、投資額が安く抑えられ、なおかつ低侵襲で痛みも少なく、それでいて治療効果の高い装置が主流となっている。既存の美容クリニックに加え、開業を考える美容医療医さらには、他科から転身または保険診療に自費部門を増設するクリニックには都合がいい。コストパフォーマンス性の優れた医療機器の導入は自ずと治療単価を下げられることから、何よりユーザー・マーケットのすそ野拡大につながり、クリニック経営にも好影響を及ぼす。決して高額医療にはならない「敷居の低い自費診療」の広がりは、より専門性に特化した美容形成の需要も一方で押し上げ、結果的に美容アンチエイジング全体の需要を伸長させることは間違いない。こうした中「たるみ治療」の需要の高まりから、スレッドリフトの施術に加えてコンビネーション療法としてリフトアップのための美容医療機器を求めるクリニックが増えている。低い投資額でイニシャルコストを抑えたマシン需要だ。もちろん治療効果を担保した機器であることはいうまでもない。いま、こうしたニーズに応える「たるみ治療マシン」が話題を集め、導入を検討するクリニックも少なくない。


昔「ゾロ薬」と嘲笑された後発医薬品は、いまでは医療費削減の切り札としてその投薬を厚労省自ら医療機関に勧める。ジェネリック薬の普及である。周知のとおり一方で、先進各国で推し進めるジェネリック薬の拡大傾向をよそに、インドなど特許権の法整備が整っていない新興国では、発展途上の国に向けゾロ薬
の輸出攻勢をかけ、欧米の新薬メーカーとの間で国際問題になるという「負の側面」も生じている。

実はこうしたことは、美容医療機器の市場争奪をめぐっても、常に付きまとう現象でもある。いわゆる欧米の新機種がアジアに投入されるやいなや、いわゆる性能、機能とも決して遜色のない同じような操作機能と治療効果をもつ「ゾロ機」があっという間に市場に販売されていく。しかし、医薬品と違い特許権を巡る係争はない。高周波マシンのサーマクール(thermage)、Co2レーザーのフラクセル(fraxel)、痩身マシンのゼルティックウルトラアクセントさらには今超音波を利用したウルセラなど、いわゆる「先発ブランドマシン」にとって替わる「後発マシン」の台頭だ。
そして昨年から「たるみ治療マシン」が話題を集め、導入を検討するクリニックも少なくない。そのきっかけをつくった先発マシンが古くは「thermage」、最近では「ulthera」の登場である。

そもそも「たるみ治療」に対する需要が高まっているのは、何も美容クリニックだけではない。一般診療の皮膚科、婦人科など保険診療を行うクリニックでも、患者からの要望が少なくない。「たるみ」の兆候は40代、50代の女性もしくは男性にとって気になる加齢現象といわれ、リフティングによって外形はいうまでもなく、見た目の年齢やモチベーションをも変えてしまう。
まさに、「たるみ改善」は美容アンチエイジング医療のスキルを最大に発揮できる治療といっていい。

こうした需要を背景に、先発マシンに追随するかたちで市場にあらわれてきたのが「後発マシン」で、クリニックからの低い投資額でイニシャルコストを抑えたマシンの需要に応える、製品仕様をもつ。もちろん治療効果を担保した機器であることはいうまでもない。
なかでも今年1月、市場に投入された注目株が「e-clip」(ARTISTIC INTERNATIONAL Medical事業部 開発・輸入代行)だ。いわゆる高密度焦点式超音波たるみ治療機で、その原理とシステムの代名詞「HIFU」はすでにアメリカ、欧州で知名度は高い。焦点式の超音波システムは、多くの一般医療現場で採用されているが、前立腺がんなど悪性腫瘍の治療でも使われている。その原理を美容医療に転用されたのがこのマシンである。
超音波エネルギーを選択的にSMAS上層部に熱ダメージを与え、SMASを収縮させることでリフティングさせるというもの。レーザー照射のように皮膚表層部を損傷させず、ターゲットとなるlayerのみを選択的に焦点破壊させるため、痛みやダウンタイムも少ない。
がん治療が主要部位を殺傷させ治療するのに対して、美容医療では超音波エネルギーでSMASを熱損傷させながら「あえて組織の創傷」をつくって、けん引効果を出すという美容医療独自の施術アイデアをもつことはおもしろい。
美容医療ではこうした「あえて創傷をつくり美容効果を出す」マシンは多い。代表的な機器に、フォトフェイシャル、CO2フラクショナルレーザー、Yagレーザー、高周波などの原理を応用したものがある。しかし、かつて1,000万円以上したこの種の機器への投資はもはや過去の話。今では圧倒的に安い。加えて一台の装置で多機能の操作性をもつ機器や、本体附属のハンドピースは交換の必要がない装置まで台頭してきた。

かつて美容医療をめざすには手術スキルの経験に加え、こうした多大な装置への投資が必要で、これが他科診療から参入できない大きな障壁となっていた。しかし今では、装置導入にかかる額も低く、それが美容医療を始めるクリニックの増加を加速させている要因といえよう。

「e-clip」の気になる装置価格だが、先発マシン「ulthera」の半額に迫る。付属品のハンドピース(カートリッジ)のイニシャルコストも「ulthera」が1人あたり約2万円に対して、「e-clip」では約5,000円と圧倒的なコストパフォーマンスをもつ。
過日、開催されたDR 山本美容整形塾 第3期第1回目の「フェイスリフト」ライブ講習会でも、オペ終了後にデモ実演を実施。切開系のSMASリフトなど手術経験がない、あるいは自信のないドクターには、スレッドリフトと「e-clip」を併用したコンビネーション治療でも十分に患者のニーズに応えることは可能だと、山本講師は参加者に投げかけた。

さらに山本医師は「バブル期のように一台何千万もする高い美容医療機に投資していたら、その回収だけでクリニックの経営はもたない。まして開業を考える先生や他科保険診療から美容医療部門の併設を準備するクリニックにとっては、低額投資でまずはたるみ治療の機器を揃えることが理にかなっている。治療効果に遜色がなければ導入価値は高い。ブランドマシンの購入は経営を軌道に乗せてからでも遅くない」と言い切る。
「e-clip」の臨床データは今後積み上げられていくと開発元では話す。



(JHM108号より)
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