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幹細胞のオリジナル培養・作成で拠点センター着手 [JHM]

[ 2012/12/19 ]
ヒアルロン酸ライブ講習では定員オーバー、Lim医師テクニックに熱い視線が

幹細胞セミナー、歯科医のヒアルロン酸注入術ライブで2012年JAAS講習は終幕




JAASでは先ごろ「美容アンチエイジングの幹細胞療法」(JSCAM主催・JAAS共催)そして「第8回DR Limの美容形成術 韓国流・歯科医のためのヒアルロン酸注入術Live Surgery」をいずれも東京で開催し、今年の全日程を終えた。幹細胞療法のセミナーでは、JSCAM理事長に就任した横山医師はじめ4人の、講師からStemCellによって得られる臨床効果や美容に対する活用法が講演された。セミナーでは横山医師が、自己脂肪由来の間葉系幹細胞を使った治療で得られたいくつかの疾患に対する臨床効果を発表しながら、「今後JSCAMとして会員向けにオリジナルの培養・作成拠点を設けて、医療連携を積極的に図りたい」と提案した。そしてあくまでも、そのターゲットは美容・アンチエイジング分野に特化していくとして、来年早々には再生医療のガイドラインに準拠したCPCなど設備・人材を備えた「セントラルクリニック」を構えて、それぞれのクリニックに幹細胞の供給をしたい、投げかけた。




一方、今なお精力的に新たな術式を次々に考案し臨床に応用するLim Jong hak医師(Kairos Aesthetic Clinic院長)が公開した歯科医のためのヒアルロン酸注入のテクニックには、参加した受講者からは驚嘆の声があがった。参加人数は定員30人を超え、歯科医だけではく美容系DRも3割を数えた。ライブ指導された口腔内(口角)からの注入法は、歯科医にとっては初めて目にする術式だったことはいうまでもないが、日本の美容形成の世界でさえほとんど知られていないことから、参加者に医師もいたことは決して不思議ではない。Lim医師の施術が参加者に衝撃を与えたことは想像にかたくない。JAASでは次回シリーズ9回目で、医師対象に{DUAL LIFT}と共に、このヒアルロン酸注入術を併用したフルフェイス形成術を公開してもらう。アジアで最も進化したLim医師の「プチ形成の域を超えた美容形成」を講義、理論、ライブ供覧と存分に学んでもらい、その「肝」をそれぞれのクリニックに持ち帰ってもらいたい。

新しく理事長を横山 博美医師(医新会グループ理事長)に迎え、新生JSCAMとしてこの10月スタートした特定非営利法人 日本臨床抗老化医学会(http://www.npo-jscam.com)では、その記念セミナーを東京八重洲で開催した。
JAASとの共催を組み、昨年からのシリーズ『プライベートクリニックで始めるStem Cell Therapy』の第3回目の講演会として開かれた。横山医師をはじめ4人の講師が「美容アンチエイジングクリニックにおける幹細胞療法」について、それぞれ治療成果や培養技術に重点をおいて明らかにした。しかしセミナー開催の趣旨はあくまでも美容・アンチエイジングを志向するクリニックで、明日から実践できる治療とその医療連携プランであったことから、講演では終始、実践的な内容が語られた(詳しい内容は控えたい)。

とりわけ新任の理事長として新たなJSCAMの活動を提唱する!と意気込む、横山医師からは「学会として今後、幹細胞の再生医療を取り組むためにはより実践的で、会員個々のクリニックが抱える医療、美容ユーザーの治療、施術を連携しながらサポートしていくことが求められる」として、その医療連携プランを投げかけた。できれば来年早々にも、拠点となるセンターを構え、独自のCPCや培養技術、搬送システムを確立させたいとした。

「JSCAMオリジナルの培養方法によって美容やアンチエイジングの臨床研究(治療)を、会員の先生方と協力しながら進めていく」と投げかけた。
これには、当日講師に招かれた照沼 裕医師(日本バイオセラピー研究所)も賛同し、自らが専門の培養技術の提携を約束した。同研究所ではNK細胞、ペプチド樹状細胞などがん免疫療法に関わる培養拠点をもつことから、幹細胞の培養・生産技術についてもすでに、横山医師と提携して続けている。幹細胞の臨床家と培養技術のスペシャリストによって、独自の培養センターが早々にも稼働していくことは間違いない。

一方、JAAS理事であり新生JSCAMの理事にも就任した中間 健医師(赤坂ACTクリニック院長)は先ごろ発表された不妊治療における幹細胞療法の臨床データについて、初めて克明に公表した(詳細は控えます)。横山医師が提唱した「医療連携」による治療システムにももちろん最大限の協力は惜しまないと強調した。




セミナーではまた4人目の講師として、聖心美容外科統括院長の鎌倉 達郎医師が「セリューション豊胸術」について、その「理論と実際そして症例を報告した(詳細は控えます)。乳房再建から開発されたこの施術法が世界でいま最も確立された豊胸のスキルであることを述べ、細胞の採取、分離、精製では一部、聖心美容外科ならではのオリジナルメソッドを加味していることも明らかにした。

幹細胞による最も実践的な美容形成への応用術ということもあり、参加者からは質問が相次いだ。なかでも「バンキングはしているか?」とする問いに対して「来院の動機はあくまで豊胸が目的のため、バンキングを希望する患者さんはほとんどいません」と鎌倉院長は現状について答えた。
ただ今後、そうしたバンキング需要が顕在化していくことは考えられるため、クリニックの再生医療センターでも検討していく可能性を示唆した。さらに脂肪の吸引技術は美容形成の〟専売特許〟ともいえることから、とりわけ脂肪幹細胞の再生医療の発展には美容形成の役割は大きい、として業界のために引き続き貢献していきたいと強調した。
JAASでは、来年上半期にも聖心美容外科の協力を仰ぎながら、再生医療センターでのライブ研修会を行っていく予定だ。

JAASの今年最後のライブ講習会となったDr Limの美容形成術シリーズでは、今回のヒアルロン酸注入でも、「たとえ低侵襲の施術でも解剖学を熟知しなければ、美容形成の治療はしてはいけない」とするLim医師の信念が、講義編で踏襲された。午前3時間あまりを使って行われた講義では、解剖講義の時間に多くを割いた。
とりわけ歯科医にとって、顔面解剖は疎いドクターも少なくない。フェイシャルナーブ、血管走行などの危険エリアを知っていく必要がある。医師でも初心者が陥る落とし穴が、注射による鼻翼孔の血管損傷に伴うネクローシスといわれる。Lim医師がこうした対処法について講義とLive実演でもたびたび強調した理由が、ここにあるからだ。

講義では今回のテーマとなった「歯科医の口唇周辺の治療範囲」の解釈について、日本の医療事情にも精通するLim医師が解説した。あくまでも医療法に準拠した行為をするべき、として口腔内(口角)からの刺針を勧めた(ライブでは表皮からの注射術も供覧することになるが)。
注射侵入口に加え、とくにポイントとした点がLayerの選択と注入圧そしてヒアルロン酸製剤の注射テクニックだ。参加した医師さえ、この「肝」には関心をもった。鼻唇溝、頬骨下、マリオネットライン、顎など注射部位の違いとそれぞれのコツを伝授した。また口角からの侵入では、Lim医師オリジナルのMicrocannyula(鈍針)を使うことで、血管を損傷しない点についても講義していく。

講義のあとのライブでも実演しながら説明をし、参加者からも関心を高さがうかがわれたにが注射テクニック。従来のLinear法、Fan法ではない、Lim医師オリジナルのJohn’sテクニックである。この注入法は初心者が最も容易にしかも安全に効果を出せる術式であると、Lim医師は述べた。
そして製剤の開発にアドバイザーとして関わった末に、市場に発売された韓国の新しいヒアルロン製剤「HAifeel」に話は及ぶ。すでにKFDに認可され、韓国では世界ブランドのレシチレンの供給量に迫るとされるこの製剤の特長を語った(次号で詳しい解説をします)。

このシリーズでは製剤の他に鈍針や5の針をもつマイクロニードル、さらには麻酔クリーム、ヒアルロニダーゼなどが供給元(HAifeel Korea日本)から紹介された。とりわけユニークな資材として紹介されたのがヒアルロン酸製剤の自動インジェクションだ。市場に出回る同じようなインジェクションに比べ、操作性や機能が優れている。また機能の割には圧倒的な価格優位性をもっていることは、さすがに韓国製品の特長といっていい。来年早々には、ヒアルロン製剤だけでなく局麻製剤もシリンジを変えるだけで使える仕様になるという。

ライブ講習会を終え、講習がすべて終了したにも関わらず、参加した医師、歯科医から{HAifeel}シリーズへの質問や中にはその場でオーダーする受講者が少なくなかった。
JAASでは次回シリーズ9回目で、医師対象に{DUAL LIFT}と共に、このヒアルロン酸注入術を併用したフルフェイス形成術を公開してもらう。アジアで最も進化したLim医師の「プチ形成の域を超えた美容形成」を講義、理論、ライブ供覧と存分に学んでもらい、その「肝」をそれぞれのクリニックに持ち帰ってもらいたい。

◎来年2月17日に開催される「第9回DR Limの美容形成術 多次元フェイスデザイン形成術LiveSurgery DUAL LIFT&ヒアルロン酸注入テクニック」(4面参照)へ受講申し込みをされる参加者には2012年9月16日DUAL LIFTライブ講習の収録DVD、11月18日韓国流ヒアルロン酸注入術の収録DVDを贈呈します。


HANAKO術、Quick LIFT術、Vリフト術

2011年春から始まったJAAS日本アンチエイジング外科・美容再生研究会によるDR Limの美容整形術LiveSurgeryは、驚異の鼻プチ形成[HANAKO Rhinoplasty]、従来法の長所を生かし欠点をカバーした[Qiuck Lift]術のテクニック、「ハイブリッドV-リフト&皮膚再生術」さらには「韓流ヒアルロン酸注入術」と通算8回を数えといる。ライブ講習会では毎回のように「高い効果と安全性そして何よりも術後に明らかな改善効果をみせ、その後崩れない」治療テクニックに、高い関心を呼んでいる。HANAKO術では、コグつきの吸収糸を使い、特殊なニードルで針孔を開け糸を埋入して糸を出すというもので、鼻尖をあげ、鼻背部にも同じように糸を埋入していく。高いけん引力と、崩れない鼻尖と鼻中隔の延長をも可能となる。いわゆる「Scaffold(足場)」理論を、HANAKO術に応用するために、骨格となる糸がポイントとなる。
一方Vリフトを進化させたハイブリッドVリフトでは、片側に長・中・短の針付き吸収糸を半顔に50本埋め込む。この埋入によって皮膚の幹細胞を刺激し、繊維化細胞を産生させコラーゲンやエラスチンの新生を促すことになる。ポイントとなる針(26G,29G、30G)の内筒には糸が通されており挿入後、針を抜くと外側に留めてあるポイントが針穴でブロックして、糸が埋入されることになる。

術式は至って簡単で、けん引の方向を考えながら糸を埋め込んでいく。ここでLim医師が強調したのは、「皮下の組織解剖を考えながらアンカーポイントを決めること。そしてSewing Technique」がこの施術の肝だとして、縫うように糸を挿入し、hypodermal layerとdeep dermal layerを交互に進入させていくコツを公開した。従来のスレッドに比べ、埋入に要する時間や埋入する皮下のLayerなどテクニックとしてはさほど難しくはない。美容医療のビギナーにとってはすぐにでも治療メニューに組み込める施術法だ。リフティングはもちろん、タイトニング、皮膚のツヤ、たるみの改善など適用範囲が広いこともありがたい。



(JHM107号より)
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