「講習内容を明日からの診療に生かせる」ライブに人気は衰えず [JHM]
[ 2012/8/3 ]
DR山本美容整形塾・第2期シリーズ
3回「初心者から習える下眼瞼形成術/目尻切開・経結膜脱脂術(経度)/経皮下眼瞼リフト術(中度)LiveSurgery」
4回「①最少侵襲フェイスリフトSMAS処理、②併用効果高い下額部脂肪吸引+BOTOX」
秘伝に終わらず、すべて公開が『美容医療業界のスキルと市場を底上げ』に、共感広がる
トレーニング機会少ない目尻切開には高い関心
(Live中)術前デザイン、局麻の使用、術中のはさみの使い方、助手の介護など細部まで解説
(下眼瞼)脂肪のコンパートメント同定、癒着トラブル
(BOTOX注射単位や適用で意見交換
(フェイスリフト)受講者の田中医師が治療に協力、SMASにスレッド併用
参加型OPEN SURGERY「DR山本の美容整形塾」シリーズが今年2期目を迎え、その人気は回を重ねるごとに収まることを知らない。既存の美容学会では《決して見られない、また教えてくれない》ライブ講習会というのが人気の要因だろう。2期目の第2回「初心者から習える上眼瞼形成術・眉毛下切開リフト/目頭切開/重瞼切開術」には、昨年1期目の「修正症例による豊胸術」に続き、TBSの撮影クルーが入り、その模様が同局の報道番組「Nスタ」で放映されたことは、すでに本紙でも紹介されたことから周知のとおり。美容外科の技術修練や医師同士の交流を通じて切磋琢磨する団体JAASが、お茶の間にも浸透したことは間違いないだろう。そしてこの勢いづくライブシリーズが、先ごろ第3回、4回と連続して開催された。
第3回目は下眼瞼をテーマに「初心者から習える下眼瞼形成術/目尻切開・経結膜脱脂術(経度)/経皮下眼瞼リフト術(中度)」のライブ講習会が行われた。通常メニューとして取り入れている医療機関が少ない『目尻切開』について取り上げたが、1回目シリーズではカリキュラムに入れていない。「目尻切開は、医師がトレーニングを受ける機会が少なく診療メニューから外しているというのが実情なのではないだろうか」(山本講師)として、こうした実情も踏まえ、非常に容易に実践可能な目尻切開の術式が公開された。
全体的に講習内容が非常に興味深かかったためか、早期に定員締め切りとなる人気ぶりであった。
講習の進行は、講義を行った後に手術を連続で供覧していくという形式で行われた。講義は、山本医師が遭遇するピットフォールについての説明を加えながら、参加者からの討議を踏まえて進行し、『参加型』であったことは、他に類を見ないこの会の特徴であろう。また、解剖講義も手術時に術野となる部分の解剖を中心に解説される実践的な内容であった。さらに、現実の治療において、術式をどのように決定していくのか、患者さんのニーズにどのような対応をすべきなのかについても意見交換が行われ、現場に立つ医師ならではのコメントが飛び交っていた。
最初の症例は、20代の女性で、目尻切開を希望される年齢層を意識してのモデル選びであった。術前のデザインの仕方、局所麻酔の使用法、術中のハサミの使い方や、助手の介助の仕方に至る細部までの説明がなされ、『翌日から実践出来る』内容に、参加者からは、感嘆の声も聞かれていた。
術後冷却しながら、同じ患者に対して、講習に協賛したSOLTA MEDICAL JAPANの最新型の超小型ダイオードフラクショナルレーザーの実演が行われ、簡便な使用法やダウンタイムの短さに興味を持たれた受講医師もいたようだった。また、こうしたレーザーの効果判定してのスキンアナライザー「エコスキン」(104号1面既報)の有用性が紹介され、何よりも数字でシミの程度や深さ、肌のきめ細かさの評価等が示されることに関心が集中していた。
昼食をはさんで経結膜脱脂の手術が行われた。どの位置からどのくらいの脂肪を摘出すればよいのか等についての詳細な説明が行われていたが、何よりも印象的だったのは、術中に脂肪のコンパートメントの同定や自分の現在いる位置が分からなくなってしまうケースなど、臨床現場で抱く執刀医ならでは疑問、質問に的確なアドバイスが加えられていたことである。『実践型ライブ講習会』とうたうこのシリーズの『人気の秘密』は、まさにこうしたところに隠れているのかもしれない。
最終症例は、経皮的な下眼瞼リフト術であったが、デザインの時点で下眼瞼の癒着トラブルを回避する方法等についても詳細な検討が加えられていた。さらに、手術中にもさまざまなコメントが寄せられていたが、昨年参加した先生から、昨年症例との相違点やそれに伴う術中処理に関しても質問がなされ、リピーターを生み出している講習会という特色も感じざるを得なかった。
『講習内容を、明日からの診療に生かせる内容にする』これが、本シリーズの最大のテーマである。それはとりもなおさず、伝授され公開されたDR山本の術式を自らのクリニックに帰って、すぐに実践していくことである。技術の共有が《美容医療業界のスキルと市場を底上げする》ことは、本紙でも何度か提言してきた。すべて公開することが業界発展のためになると考える山本医師だからこそ、惜しみなくそのオペ技術をOPENし受講者がそのヒントと理解、そして技術修練を行うことができるわけだ。
事実、この山本シリーズに参加し続ける受講医師は自らの休日を返上し時間と受講費を費やしながら、しかし、その投資にあまりある技術を会得し、そして患者への治療を実践する。「受講後に治療メニューを取り入れることで経営に大きな貢献が果たせる。決してこの投資は無駄ではない」と感想をもらすリピーター医師も少なくない。「だからこそ自分の意見、経験や質問を述べ、また実際に触ってみなくてはならない」と指導医の山本医師は強調する。
4回目として開催された「①最少侵襲フェイスリフトSMAS処理、②併用効果高い下額部脂肪吸引+BOTOX」もこうした視点から盛りだくさんの講習内容であり、また非常に実践的な内容であった。引き続き、受講者は定員を上回る盛況ぶりであった。
午前の部では、アンチエイジングのテーマとしてボトックス、午後の部にはフェイスリフトを中心とした手術が題材として扱われた。
ボトックス注射はその扱いさえ見てしまえば、全く臨床経験のない医師でも施術可能であるが、参加者それぞれのこだわりや技法が披露され、議論は活発化していた。ここまでボトックスで熱気を呈するとは、予想していなかっただけに主催者側としては嬉しい誤算であった。たかがボトックス、されどボトックスである(エラボト、腋臭対処のやり方や鼻腔粘膜への注射による花粉症の治療さらには40代以降の女性更年期に対する額や頭皮の多汗症治療などのディスカッションが続いた)。
午後の部では、1人の患者さんに集学的治療で効果を最大限に引き出しつつ、かつダウンタイムが最小となる治療計画として、下顎部脂肪吸引、ミニリフト(SMASリフト)、シルエット3Dリフトが計画された。ここでは受講者の田中医師(あきこクリニック)にお手伝いいただき、SMASリフトと併用してスレッドリフト手術が進行した。こうした講師の複数化がアドリブ的に生まれ、またそれが一種のイベント的な盛り上がりを見せるのもこの会ならではの特徴なのかもしれない。麻酔としては、ドルミカムが使用されたが、併用使用した局所麻酔薬のブレンドにも山本医師の工夫が披露されていた。
講習会中は、患者さんの満足度を促進する上でどのようなことに気を配っているかなど、一般の講習会や学会では話題に上らないが、他院の様子を聞いてみたいという医者の本音のぶつかり合いが非常に印象的であった。本講習会の最大の特徴であり、また人気の秘密は『翌日から実践できる手技の伝授』という点である。今回講習会の参加者の中には、リピータも多く、前回講習会で学習した手技の実践をどのように行っているのか、あるいはそうした手技の習得により経営的な変化が促されているのかということについての質問がなされていたことは、この会がいかに実践的であるかを如実に物語っている。さらに、日常診療での症例を山本医師に見せ、小症例検討をしている光景も見受けられ、こうしたことが業界の垣根をなくし、広く美容医療が浸透していく事に違いないと確信されられる場面でもあった。
実際の手術では、計4名の先生方が手術助手、部分的な術者となり手術を体感していた。手術は実際に触らないと分からないという山本医師の考えだ。指導中を受けた講習参加者の質問は、見学をしていた他の先生方にも大いに役立つであろう。
【2期目シリーズ内容】
●(終了)・第1回「初心者も習える標準術式・豊胸術LiveSurgery/受講者も参加!腋窩アプローチによる挿入バックのLayer確認・剥離スペースづくり体感」1月22日
●(終了)・第2回「初心者から習える上眼瞼形成術/眉毛下切開リフト術・目頭切開術・切開重瞼施術LiveSurgery」3月4日
●(終了)第3回「初心者から習える下眼瞼形成術/目尻切開術・経結膜脱脂術(軽度)・経皮下眼瞼リフト術(中度)LiveSurgery」6月10日
●(終了)第4回「①初心者から習える最小侵襲フェイスリフト②併用効果高い下顎部脂肪吸引+BOTOX LiveSurgery」7月8日
●第5回「初心者から習える鼻形成術/①シリコン隆鼻術②鼻尖形成、鼻翼形成、小鼻縮小術3症例LiveSurgery」9月9日
●第6回「復習を兼ねた、寄贈献体Fresh Cadaverによる美容形成解剖学実習・DR山本指導の執刀トレーニング」(中国大連・HoffenBioにて)11月2日(金)3日(土祭日)4日(日)の3日間
◎追加ライブ講習会「DR山本が解説する韓国ソウル・Myoung Eye Plastic Surgery DrChoiの上下眼瞼形成術ライブ」(韓国ソウル)12月1日(土)2日(日)
【山本美容整形塾スタートの背景】
「技術を身につけたいが学会に行っても症例報告ばかりで研鑽中の自分には吸収できない」、あるいは「他科から美容外科、美容医療に転向あるいは、一部の診療を取り入れたいが、自分が手術をできるようになるか?現場をみてみたい」、こんな医師は少なくないであろう。
そうした要望に応えていこうというのがこの「DR山本整形塾」で、一方的な指導する術者のLive公開に終わらず、術前のデザイン、術中の縫合、切開などの手技の解説、そして参加者からの細かな質問にも答えていく。
「初心者でも勉強中の医師でも、遠慮せず気後れしないで術式の初歩的な質問や相談に丁寧に答えていきたい。また、術者と参加者の術式の違いをこの場で明らかにして、建設的なディスカッションを実践の中でしていければと考えています」と山本医師。
自らも、胸部外科の専門医から美容医療の世界へ転向すべく、国内はもとより美容外科の本場ニューヨーク大形成外科に単身、修行の旅に出て、その術を磨いた。そして今でも休診日には大学の形成外科に足を運び、医局の教授などとオペを共にしながら研鑽に励む。
だからこそ、他科から転向しようという初心者であっても意欲さえあれば、門戸を広げ勉強の場を与えていきたいと、このスクールの開校に至った。蛇足だが、山本医師、修行時代に施術ノウハウは門外不出とばかり、門をたたけど門前払いをされた経験が少なくないという。辛ざんをなめたその苦労を、後継の医師にはさせたくないという動機からもこのシリーズは実施された背景がある。だからこそ、自らの施術を惜しげもなく公開していくと、強調する。好評シリーズは第2期にはいっている。
【略歴】
(医)豊季会 山本クリニック院長 山本 豊MD,PhD/東京医大卒業後、同大大学院を経て第一外科学入局。勤務医として同大が得意とする胸部外科の専門医として臨床の経験を積む。のち、美容医療への習熟をめざし美容整形クリニックに勤務したのち、形成外科のメッカ・ニューヨーク大学形成外科に留学する。帰国後、現在の美容外科・形成外科・美容皮膚科の山本クリニックを開業する。美容整形術は専門医にも負けないスキルを身につけ、他院で手術を受けた患者の修正術(他院修正)も数多くこなす。その症例は眼瞼形成、鼻形成、フェイスリフト、一部の骨形成術、豊胸、脂肪吸引などほぼオールラウンドで、修正術で培った経験から初期クライアントに対してもクレームをつくらない美容整形をモットーとする。
(JHM105号より)
3回「初心者から習える下眼瞼形成術/目尻切開・経結膜脱脂術(経度)/経皮下眼瞼リフト術(中度)LiveSurgery」
4回「①最少侵襲フェイスリフトSMAS処理、②併用効果高い下額部脂肪吸引+BOTOX」
秘伝に終わらず、すべて公開が『美容医療業界のスキルと市場を底上げ』に、共感広がる
トレーニング機会少ない目尻切開には高い関心
(Live中)術前デザイン、局麻の使用、術中のはさみの使い方、助手の介護など細部まで解説
(下眼瞼)脂肪のコンパートメント同定、癒着トラブル
(BOTOX注射単位や適用で意見交換
(フェイスリフト)受講者の田中医師が治療に協力、SMASにスレッド併用
参加型OPEN SURGERY「DR山本の美容整形塾」シリーズが今年2期目を迎え、その人気は回を重ねるごとに収まることを知らない。既存の美容学会では《決して見られない、また教えてくれない》ライブ講習会というのが人気の要因だろう。2期目の第2回「初心者から習える上眼瞼形成術・眉毛下切開リフト/目頭切開/重瞼切開術」には、昨年1期目の「修正症例による豊胸術」に続き、TBSの撮影クルーが入り、その模様が同局の報道番組「Nスタ」で放映されたことは、すでに本紙でも紹介されたことから周知のとおり。美容外科の技術修練や医師同士の交流を通じて切磋琢磨する団体JAASが、お茶の間にも浸透したことは間違いないだろう。そしてこの勢いづくライブシリーズが、先ごろ第3回、4回と連続して開催された。
第3回目は下眼瞼をテーマに「初心者から習える下眼瞼形成術/目尻切開・経結膜脱脂術(経度)/経皮下眼瞼リフト術(中度)」のライブ講習会が行われた。通常メニューとして取り入れている医療機関が少ない『目尻切開』について取り上げたが、1回目シリーズではカリキュラムに入れていない。「目尻切開は、医師がトレーニングを受ける機会が少なく診療メニューから外しているというのが実情なのではないだろうか」(山本講師)として、こうした実情も踏まえ、非常に容易に実践可能な目尻切開の術式が公開された。
全体的に講習内容が非常に興味深かかったためか、早期に定員締め切りとなる人気ぶりであった。
講習の進行は、講義を行った後に手術を連続で供覧していくという形式で行われた。講義は、山本医師が遭遇するピットフォールについての説明を加えながら、参加者からの討議を踏まえて進行し、『参加型』であったことは、他に類を見ないこの会の特徴であろう。また、解剖講義も手術時に術野となる部分の解剖を中心に解説される実践的な内容であった。さらに、現実の治療において、術式をどのように決定していくのか、患者さんのニーズにどのような対応をすべきなのかについても意見交換が行われ、現場に立つ医師ならではのコメントが飛び交っていた。
最初の症例は、20代の女性で、目尻切開を希望される年齢層を意識してのモデル選びであった。術前のデザインの仕方、局所麻酔の使用法、術中のハサミの使い方や、助手の介助の仕方に至る細部までの説明がなされ、『翌日から実践出来る』内容に、参加者からは、感嘆の声も聞かれていた。
術後冷却しながら、同じ患者に対して、講習に協賛したSOLTA MEDICAL JAPANの最新型の超小型ダイオードフラクショナルレーザーの実演が行われ、簡便な使用法やダウンタイムの短さに興味を持たれた受講医師もいたようだった。また、こうしたレーザーの効果判定してのスキンアナライザー「エコスキン」(104号1面既報)の有用性が紹介され、何よりも数字でシミの程度や深さ、肌のきめ細かさの評価等が示されることに関心が集中していた。
昼食をはさんで経結膜脱脂の手術が行われた。どの位置からどのくらいの脂肪を摘出すればよいのか等についての詳細な説明が行われていたが、何よりも印象的だったのは、術中に脂肪のコンパートメントの同定や自分の現在いる位置が分からなくなってしまうケースなど、臨床現場で抱く執刀医ならでは疑問、質問に的確なアドバイスが加えられていたことである。『実践型ライブ講習会』とうたうこのシリーズの『人気の秘密』は、まさにこうしたところに隠れているのかもしれない。
最終症例は、経皮的な下眼瞼リフト術であったが、デザインの時点で下眼瞼の癒着トラブルを回避する方法等についても詳細な検討が加えられていた。さらに、手術中にもさまざまなコメントが寄せられていたが、昨年参加した先生から、昨年症例との相違点やそれに伴う術中処理に関しても質問がなされ、リピーターを生み出している講習会という特色も感じざるを得なかった。
『講習内容を、明日からの診療に生かせる内容にする』これが、本シリーズの最大のテーマである。それはとりもなおさず、伝授され公開されたDR山本の術式を自らのクリニックに帰って、すぐに実践していくことである。技術の共有が《美容医療業界のスキルと市場を底上げする》ことは、本紙でも何度か提言してきた。すべて公開することが業界発展のためになると考える山本医師だからこそ、惜しみなくそのオペ技術をOPENし受講者がそのヒントと理解、そして技術修練を行うことができるわけだ。
事実、この山本シリーズに参加し続ける受講医師は自らの休日を返上し時間と受講費を費やしながら、しかし、その投資にあまりある技術を会得し、そして患者への治療を実践する。「受講後に治療メニューを取り入れることで経営に大きな貢献が果たせる。決してこの投資は無駄ではない」と感想をもらすリピーター医師も少なくない。「だからこそ自分の意見、経験や質問を述べ、また実際に触ってみなくてはならない」と指導医の山本医師は強調する。
4回目として開催された「①最少侵襲フェイスリフトSMAS処理、②併用効果高い下額部脂肪吸引+BOTOX」もこうした視点から盛りだくさんの講習内容であり、また非常に実践的な内容であった。引き続き、受講者は定員を上回る盛況ぶりであった。
午前の部では、アンチエイジングのテーマとしてボトックス、午後の部にはフェイスリフトを中心とした手術が題材として扱われた。
ボトックス注射はその扱いさえ見てしまえば、全く臨床経験のない医師でも施術可能であるが、参加者それぞれのこだわりや技法が披露され、議論は活発化していた。ここまでボトックスで熱気を呈するとは、予想していなかっただけに主催者側としては嬉しい誤算であった。たかがボトックス、されどボトックスである(エラボト、腋臭対処のやり方や鼻腔粘膜への注射による花粉症の治療さらには40代以降の女性更年期に対する額や頭皮の多汗症治療などのディスカッションが続いた)。
午後の部では、1人の患者さんに集学的治療で効果を最大限に引き出しつつ、かつダウンタイムが最小となる治療計画として、下顎部脂肪吸引、ミニリフト(SMASリフト)、シルエット3Dリフトが計画された。ここでは受講者の田中医師(あきこクリニック)にお手伝いいただき、SMASリフトと併用してスレッドリフト手術が進行した。こうした講師の複数化がアドリブ的に生まれ、またそれが一種のイベント的な盛り上がりを見せるのもこの会ならではの特徴なのかもしれない。麻酔としては、ドルミカムが使用されたが、併用使用した局所麻酔薬のブレンドにも山本医師の工夫が披露されていた。
講習会中は、患者さんの満足度を促進する上でどのようなことに気を配っているかなど、一般の講習会や学会では話題に上らないが、他院の様子を聞いてみたいという医者の本音のぶつかり合いが非常に印象的であった。本講習会の最大の特徴であり、また人気の秘密は『翌日から実践できる手技の伝授』という点である。今回講習会の参加者の中には、リピータも多く、前回講習会で学習した手技の実践をどのように行っているのか、あるいはそうした手技の習得により経営的な変化が促されているのかということについての質問がなされていたことは、この会がいかに実践的であるかを如実に物語っている。さらに、日常診療での症例を山本医師に見せ、小症例検討をしている光景も見受けられ、こうしたことが業界の垣根をなくし、広く美容医療が浸透していく事に違いないと確信されられる場面でもあった。
実際の手術では、計4名の先生方が手術助手、部分的な術者となり手術を体感していた。手術は実際に触らないと分からないという山本医師の考えだ。指導中を受けた講習参加者の質問は、見学をしていた他の先生方にも大いに役立つであろう。
【2期目シリーズ内容】
●(終了)・第1回「初心者も習える標準術式・豊胸術LiveSurgery/受講者も参加!腋窩アプローチによる挿入バックのLayer確認・剥離スペースづくり体感」1月22日
●(終了)・第2回「初心者から習える上眼瞼形成術/眉毛下切開リフト術・目頭切開術・切開重瞼施術LiveSurgery」3月4日
●(終了)第3回「初心者から習える下眼瞼形成術/目尻切開術・経結膜脱脂術(軽度)・経皮下眼瞼リフト術(中度)LiveSurgery」6月10日
●(終了)第4回「①初心者から習える最小侵襲フェイスリフト②併用効果高い下顎部脂肪吸引+BOTOX LiveSurgery」7月8日
●第5回「初心者から習える鼻形成術/①シリコン隆鼻術②鼻尖形成、鼻翼形成、小鼻縮小術3症例LiveSurgery」9月9日
●第6回「復習を兼ねた、寄贈献体Fresh Cadaverによる美容形成解剖学実習・DR山本指導の執刀トレーニング」(中国大連・HoffenBioにて)11月2日(金)3日(土祭日)4日(日)の3日間
◎追加ライブ講習会「DR山本が解説する韓国ソウル・Myoung Eye Plastic Surgery DrChoiの上下眼瞼形成術ライブ」(韓国ソウル)12月1日(土)2日(日)
【山本美容整形塾スタートの背景】
「技術を身につけたいが学会に行っても症例報告ばかりで研鑽中の自分には吸収できない」、あるいは「他科から美容外科、美容医療に転向あるいは、一部の診療を取り入れたいが、自分が手術をできるようになるか?現場をみてみたい」、こんな医師は少なくないであろう。
そうした要望に応えていこうというのがこの「DR山本整形塾」で、一方的な指導する術者のLive公開に終わらず、術前のデザイン、術中の縫合、切開などの手技の解説、そして参加者からの細かな質問にも答えていく。
「初心者でも勉強中の医師でも、遠慮せず気後れしないで術式の初歩的な質問や相談に丁寧に答えていきたい。また、術者と参加者の術式の違いをこの場で明らかにして、建設的なディスカッションを実践の中でしていければと考えています」と山本医師。
自らも、胸部外科の専門医から美容医療の世界へ転向すべく、国内はもとより美容外科の本場ニューヨーク大形成外科に単身、修行の旅に出て、その術を磨いた。そして今でも休診日には大学の形成外科に足を運び、医局の教授などとオペを共にしながら研鑽に励む。
だからこそ、他科から転向しようという初心者であっても意欲さえあれば、門戸を広げ勉強の場を与えていきたいと、このスクールの開校に至った。蛇足だが、山本医師、修行時代に施術ノウハウは門外不出とばかり、門をたたけど門前払いをされた経験が少なくないという。辛ざんをなめたその苦労を、後継の医師にはさせたくないという動機からもこのシリーズは実施された背景がある。だからこそ、自らの施術を惜しげもなく公開していくと、強調する。好評シリーズは第2期にはいっている。
【略歴】
(医)豊季会 山本クリニック院長 山本 豊MD,PhD/東京医大卒業後、同大大学院を経て第一外科学入局。勤務医として同大が得意とする胸部外科の専門医として臨床の経験を積む。のち、美容医療への習熟をめざし美容整形クリニックに勤務したのち、形成外科のメッカ・ニューヨーク大学形成外科に留学する。帰国後、現在の美容外科・形成外科・美容皮膚科の山本クリニックを開業する。美容整形術は専門医にも負けないスキルを身につけ、他院で手術を受けた患者の修正術(他院修正)も数多くこなす。その症例は眼瞼形成、鼻形成、フェイスリフト、一部の骨形成術、豊胸、脂肪吸引などほぼオールラウンドで、修正術で培った経験から初期クライアントに対してもクレームをつくらない美容整形をモットーとする。
(JHM105号より)