本紙インタビュー『更年期とホットフラッシュ』で、横山医師が指摘 [JHM]
[ 2012/2/16 ]
サプリメントは有効
本紙インタビュー『更年期とホットフラッシュ』で、横山医師が指摘
漢方では「気・血・水の不調」と捉え処方する
イソフラボン、微量ミネラル、抗酸化物の摂取を
更年期障害特有の症状、ほてりやのぼせは、気血水の異常から起こると漢方医学では捉えられている。つまり気の異常を抑え、血の滞りを和らげながら発汗異常に対して利尿作用を促進する漢方処方の組み合わせをしていく。こう話すのは、泌尿器科の専門医でありながら、漢方専門医でもある横山 博美医師(漢方医名:松澤 宗秀)だ。前立腺疾患、男性更年期外来による治療や人工透析部門を開設する一方で、幹細胞による再生医療、さらには歯周病レーザー治療や介護老人施設の設立など、理事長・横山医師がまとめる医療法人・医新会の取り組みは多岐にわたる。一方で(財)天然物医科学研究財団会長として、動植物など機能性素材を処方したサプリメントの臨床試験にも力を注ぐ。その研究には更年期に関わるテーマも少なくない。女性の更年期発症の要因には、エストロゲンの低下や過度な活性酸素によるところが大きい。だから「その対処としてサプリメントの摂取は有効」と強調する。
本紙インタビューから横山医師の『更年期とホットフラッシュ』について語ってもらった。
本紙 ほてりやのぼせはなぜ起こるのでしょうか?
横山医師(以下敬称略) 女性の更年期障害の代表的な症状に、ほてりや、のぼせが見られます。ほてりは異常な熱感で、症状の出た体の場所を問いません。その熱感が頭や顔に起こったものを特にのぼせといいます。
そして突然、カーッと熱くなり、みるみる顔が上気しますが、数分でスーッと引くのがホットフラッシュという症状です。1日に何回も起こることがあり、生活の質(QOL)に影響があり、女性更年期の症状のなかで特に解決しなければならない症状です。
本紙 更年期障害の症状はなぜ起こる?
横山 閉経前後の約10年間に女性ホルモンの低下、つまり、卵巣から分泌されるエストロゲンの低下により、卵巣を支配している脳下垂体の卵巣刺激ホルモンに過度の異常な分泌が生じます。すると、その上位の自律神経中枢のうち、体温中枢が興奮して、ホットフラッシュという症状が出るわけです。
本紙 漢方の世界でどのように捉えその処方は?
横山 ホットフラッシュは漢方の世界では、『気血水』の不調としてとらえ、症状をとるためには、気血をめぐらさせて、気の上昇を抑え、水毒をとって汗を減らすという、治療の表現をします。分かりやすく説明すると、ほてり、のぼせを気が逆流した状態で、血が滞るお血もかかわっているととららえます。ほてり、のぼせには発汗もつきもので、異常な発汗は水の偏在を意味する水毒の状態といいます。つまり、気血水の異常がほてりとのぼせの正体なのです。
そして漢方処方では、気の異常に効果のある桂枝、竜骨(恐竜の化石の粉末(、牡蠣(ボレイ:牡蠣の貝殻)や、血の滞りには当帰、発汗異常には利尿効果のある漢方を組み合わせ処方します。
ただ漢方は体格、体質などにより処方を選別しており、その中から症状にあわせた漢方の処方をしますので、あうかあわないかの判断は、漢方に詳しい薬剤師さんや漢方専門医にご相談下さい。
本紙 サプリメント研究にも関わっているお立場としてご意見を
横山 更年期のホットフラッッシュにはイソフラボンが良いとして、よく話題に上がります。しかしイソフラボンでも摂取量や構造式(など)によって吸収も効能も異なる。私ども財団で実施した研究では、糖鎖の外れたアグリコン型が有効性に優れていることがわかっています。また、微量ミネラルの摂取も大切で、亜鉛、セレンなどは、貝類(牡蠣など)、ゴマなどから摂取することをお勧めします。牡蠣には新たな抗酸化物を含むことも最近、明らかになっており、さらに期待がもてます。
本紙 更年期に入って心がけることは何でしょう?
横山 更年期は老化の入り口とも言われます。ですから更年期と感じたら、ゆっくり元気に歳をとるという決意が大事です。
やはり食事療法、運動療法が基本で、生活の習慣も見直すことが必要です。何よりアンチエイジング、つまり抗老化の最大の心がけは抗酸化に他なりません。
本紙 活性酸素をいかにコントロールするか?それが更年期そして老化に対するアンチエイジングなんですね
横山 そうです。
本紙 ありがとうございました。
(JHM103号別冊より)
本紙インタビュー『更年期とホットフラッシュ』で、横山医師が指摘
漢方では「気・血・水の不調」と捉え処方する
イソフラボン、微量ミネラル、抗酸化物の摂取を
更年期障害特有の症状、ほてりやのぼせは、気血水の異常から起こると漢方医学では捉えられている。つまり気の異常を抑え、血の滞りを和らげながら発汗異常に対して利尿作用を促進する漢方処方の組み合わせをしていく。こう話すのは、泌尿器科の専門医でありながら、漢方専門医でもある横山 博美医師(漢方医名:松澤 宗秀)だ。前立腺疾患、男性更年期外来による治療や人工透析部門を開設する一方で、幹細胞による再生医療、さらには歯周病レーザー治療や介護老人施設の設立など、理事長・横山医師がまとめる医療法人・医新会の取り組みは多岐にわたる。一方で(財)天然物医科学研究財団会長として、動植物など機能性素材を処方したサプリメントの臨床試験にも力を注ぐ。その研究には更年期に関わるテーマも少なくない。女性の更年期発症の要因には、エストロゲンの低下や過度な活性酸素によるところが大きい。だから「その対処としてサプリメントの摂取は有効」と強調する。
本紙インタビューから横山医師の『更年期とホットフラッシュ』について語ってもらった。
本紙 ほてりやのぼせはなぜ起こるのでしょうか?
横山医師(以下敬称略) 女性の更年期障害の代表的な症状に、ほてりや、のぼせが見られます。ほてりは異常な熱感で、症状の出た体の場所を問いません。その熱感が頭や顔に起こったものを特にのぼせといいます。
そして突然、カーッと熱くなり、みるみる顔が上気しますが、数分でスーッと引くのがホットフラッシュという症状です。1日に何回も起こることがあり、生活の質(QOL)に影響があり、女性更年期の症状のなかで特に解決しなければならない症状です。
本紙 更年期障害の症状はなぜ起こる?
横山 閉経前後の約10年間に女性ホルモンの低下、つまり、卵巣から分泌されるエストロゲンの低下により、卵巣を支配している脳下垂体の卵巣刺激ホルモンに過度の異常な分泌が生じます。すると、その上位の自律神経中枢のうち、体温中枢が興奮して、ホットフラッシュという症状が出るわけです。
本紙 漢方の世界でどのように捉えその処方は?
横山 ホットフラッシュは漢方の世界では、『気血水』の不調としてとらえ、症状をとるためには、気血をめぐらさせて、気の上昇を抑え、水毒をとって汗を減らすという、治療の表現をします。分かりやすく説明すると、ほてり、のぼせを気が逆流した状態で、血が滞るお血もかかわっているととららえます。ほてり、のぼせには発汗もつきもので、異常な発汗は水の偏在を意味する水毒の状態といいます。つまり、気血水の異常がほてりとのぼせの正体なのです。
そして漢方処方では、気の異常に効果のある桂枝、竜骨(恐竜の化石の粉末(、牡蠣(ボレイ:牡蠣の貝殻)や、血の滞りには当帰、発汗異常には利尿効果のある漢方を組み合わせ処方します。
ただ漢方は体格、体質などにより処方を選別しており、その中から症状にあわせた漢方の処方をしますので、あうかあわないかの判断は、漢方に詳しい薬剤師さんや漢方専門医にご相談下さい。
本紙 サプリメント研究にも関わっているお立場としてご意見を
横山 更年期のホットフラッッシュにはイソフラボンが良いとして、よく話題に上がります。しかしイソフラボンでも摂取量や構造式(など)によって吸収も効能も異なる。私ども財団で実施した研究では、糖鎖の外れたアグリコン型が有効性に優れていることがわかっています。また、微量ミネラルの摂取も大切で、亜鉛、セレンなどは、貝類(牡蠣など)、ゴマなどから摂取することをお勧めします。牡蠣には新たな抗酸化物を含むことも最近、明らかになっており、さらに期待がもてます。
本紙 更年期に入って心がけることは何でしょう?
横山 更年期は老化の入り口とも言われます。ですから更年期と感じたら、ゆっくり元気に歳をとるという決意が大事です。
やはり食事療法、運動療法が基本で、生活の習慣も見直すことが必要です。何よりアンチエイジング、つまり抗老化の最大の心がけは抗酸化に他なりません。
本紙 活性酸素をいかにコントロールするか?それが更年期そして老化に対するアンチエイジングなんですね
横山 そうです。
本紙 ありがとうございました。
(JHM103号別冊より)