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美容医療・アンチエイジング入門講座 [JHM]

[ 2011/12/28 ]
データで示した美容医療医の増加傾向
シワ治療効果を4種の施術法比較データ示す(高田教授)



他科から転身または保険診療に自費部門を加えるクリニックが、最近少なくない。もちろん混合診療ではない、そして決して高額医療にはならない「敷居の低い自費診療」である。
自費点滴やプラセンタ注射、ヒアルロン酸注入等の機材はことさら大きな準備とコストがかからない。また投資額をできるだけ抑えた汎用性の高い美容機器を導入するのも悪くない。美容医療はますます低侵襲・非侵襲へと向かう。切開術に根強い需要をもつ韓国でも最近はできるだけ切らない美容術が台頭してきた。 
いわば、美容医療の「入門者」にとって門戸は限りなく広がったと言える。ビギナーの参入によって、美容医療に経験のある上級者の本来の切開術の需要も押し上げることになるはずだ。そして、「バブル期」にみられた高額の美容医療機器から、投資額が安く抑えられ、なおかつ低侵襲で痛みも少なく、それでいて治療効果の高い装置が主流となったことも、施術者には都合がいい。何よりユーザー・マーケットのすそ野拡大につながっていく。

前置きは長くなったが、こうした自費診療へとその傾向が強くなる中、JAASでは11月6日(日)、  を4名の講師を迎えて開催した。この一年、講習の多くをライブ講習に重点を置いてきた中で、講演のみの形式はめずらしい。
JAAS入会と同時に本セミナーに参加した参加者も中にはいて、これから他科診療から転身してこれから美容医療・アンチエイジングに特化していこうという医師も集まった。

プログラムは阪大形成外科・美容医療学教授の高田医師の「阪大美容医療相談外来の現状とトラブルのない美容医療ガイダンス」、銀座いけだクリニック院長(JAAS役員理事)の池田医師による「フィラー術の基礎、注意したい有害事象の把握と対処法そして美容ニーズ開拓のためのマーケティング」、ふるたクリニック院長・古田医師の「OZONE Therapyの正しい知識と手技」そして、銀座AnswerClinicの斎藤医師による「医科・歯科でできる機能性医学の理論を用いたサプリメント外来」と進んで行った。

池田医師、古田医師、斎藤医師の講演内容は、またの機会に新聞紙面で掲載することにして、ここでは高田教授の興味深い講演箇所を拾ってみたい。
まず高田医師は学問的な視点から、従来、形成外科の分類「再建外科」「美容外科」が、今では「美容外科」「美容内科」「美容皮膚科」が美容医療というくくりで捉えられている、と指摘。この3分類のぞれぞれの治療範囲を説明していった。

一方、アメリカ美容外科学会の資料をもとに、「世界的にリスクを伴う切開、侵襲術からBOTOX、ヒアルロン酸注入などに施術が移っている」と紹介した。また日本の診療科目の推移を紹介しながら、間違いなく美容外科、形成外科など美容医療に進む医師が増加傾向をみていることも指摘した。こうした中、これからの美容医療の検討課題は学問体系の確立そして、「スキルの研修システムの確立」だと論じた(この後、美容外科手術における瘢痕について症例を示していった)。

そして講演の中でとりあけ興味をひいたのは、シワ治療の客観評価データの開示であろう。大学機関だからこそできるエビデンスに基づく治療効果の情報発信は、これからの美容医療の世界を根本的に変えて行くかもしれない。
評価したのは4つの施術法で、IPL、レーザー、サイクロデキストリン包接(CD)のトリチノイン外用剤、アミノ酸サプリとした。結果は、皮膚粘弾性ではCDトレチノインが最も効果が高く、レーザーが最下位となった。斜光投影法による皮膚のツヤ試験では、効果が高い順にIPL、CDトレチノイン、アミノ酸サプリ、レーザーだったという。さらに、医師所見によるシワスケールではIPLの評価が高い。また患者の主観的な満足度では意外にもアミノ酸サプリが高評価を得ている。
セミナーでは、高度管理医療機器販売免許をもつ日本ケイエスメディカルからの協力を得て、「美容医療機器にまつわる常識・非常識」について、各種原理の解説と実演デモも行われた。


(JHM102号より)
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