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【7】業界オピニオンの声 渡辺 貢PHD [JHM]

[ 2011/4/26 ]
加齢に伴う未病への対処は
相談薬局の役割



渡辺オイスター研究所・渡辺 貢PHD

OTCの販路が広がりをみせるなか、かつてOTCの専売チャネルだった相談薬局の独自性がますます問われている。いま、そんなOTCに頼らない相談薬局の専門性を活かす取り組みが続けられている。いわゆるホームファーマシーとして、消費者が抱える日常的な体調の不調など対して薬剤師がカウンセリングやアドバイスを行いながら、臨床薬理学の立場からサプリメント摂取の理解と普及を行う。

食生活の乱れなどで起こるこうした慢性的な「未病」対策を、カウンセリング機能をもつ薬局が担うことで、それが積極的な予防医学としてのアンチエイジング医療を補完していくことになると、渡辺 貢PhDは提言する。

疾病に対する医療の役割は言うまでもありませんが、一方で軽微な体調不良など日常的な自覚症状に対して相談に乗れるところが相談薬局の役割と使命ではないでしょうか。クスリの知識をベースに臨床栄養学を日々、学び実践していく、こうした薬剤師の存在はいわゆる「未病」状態の消費者(患者)に的確なカウセンリングとアドバイスを行うことができるはずです
そもそもアンチエイジングとは、疾病にならないための積極的な予防であり、その主役は医療と共に、それを補完するこうした相談薬局そして臨床薬学、栄養学を熟知した薬剤師に他なりません。

加齢と共に起こるさまざまな病態、症状はその原因の重要なファクターとして食生活が挙げられます。たとえば、食生活の乱れから亜鉛が不足すると、うつ状態を引き起こす「うつホルモン(コルチゾール)」の分泌が過剰になり、うつ症状を起こすことが明らかになっています。また亜鉛、鉄、葉酸、アミノ酸など脳の働きに関与する栄養素の不足は、男女の更年期、マタニティーブルー、慢性的な不眠などさまざまな症状となってあらわれます。
過剰なストレスからは過剰な活性酸素を発生させ、この活性酸素が男性の精子数の減少、運動の低下さらには女性の慢性的な無排卵まで引き起こすこともわかっているのです。
弊社ではこうした食生活で必須となる栄養素が今、ライフスタイルの変化で大きく乱れてきていると危惧しています。だからこそ長年の研究の末に開発した、生牡蠣肉から活性型エキスを抽出したサプリメントを、全国の相談薬局の方々と共にセミナーを通じて勉強し、議論しながら、消費者の方々に提供しています。
長期の安全性試験を実施しつつ、抗酸化、疲労性試験や前述の未病に対してのさまざまな有効性試験を毎年、続けています。

こうした基礎試験は、取り扱いの薬局店主、スタッフの方たちからの声をフィードバックさせるために、エビデンスの検証というかたちで実施します。そのプロトコールの仮説はあくまで、消費者からの症状の改善をみたという、草の根からの便りから組み立てていきます。

毎年、こうした科学的根拠を地道に積み上げ、年間いくつもの論文掲載をしながら、薬局の先生方に提供し、それがカウセンリングの機能を強化する源だと考えています。確かなエビデンスを継続して出しながら、ホームファーマシーの専門性とその経営をサポートしていく。そして、未病状態に悩む消費者に確信のあるアドバイスとサプリメントを提供していく。このことこそ、薬局そして薬剤師が臨床アンチエイジングの役割を果たすことに他ならないと、考えています。


(JHM98号より)
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