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腰痛人口1千万人 今や国民病に [JHM]

[ 2011/1/12 ]

日本人の腰痛人口は推定1、000万人と言われている。実に10人に1人が腰痛に悩まされていることになる(厚生労働省「国民生活基礎調査」1998年)。今や立派な国民病となってしまった腰痛だが、その原因の一つに椅子社会があるようだ。椅子の普及にともなって腰痛は激増していった。今、オーストラリアからやって来た「椅子」が医療現場で注目を集めている。腰への負担を軽減する椅子だという。すでに世界65カ国で販売されているそうだが、それはどんな椅子だろうか。

この椅子「バンバック・サドル・シート」は、もともとは障害児童のために開発された。いくつかの事例を紹介すると、小児麻痺の19歳の少年は腰外転筋硬直のため歩行困難。車椅子には仙骨で座るため、肩が弓なりに曲がり脊椎側湾症であった。この椅子を使用後まず着座の際、左右対称の正しい姿勢となり、背部筋肉が強まり、その結果歩くこともできるようになったという。

筋萎縮症の6歳の少女は教室の椅子では肩は弓なり、首過伸展で顎が上がってしまい、背骨はC形湾曲で学習作業は困難。さらに胸部が潰れているために、あばら骨の機能と横隔膜機能が損われていた。この椅子を使用後は、骨盤が座席の真ん中にきて姿勢もよくなり、長時間の作業が可能になった。肩上部と顎は正常な位置になり、C形湾曲も直ったことで胸部、腹部の機能も改善したという。


また、ダウン症の9歳の少年は筋力が弱く、学校の椅子では骨盤が後方に傾いてしまった。そしてC型に背骨を曲げ、肩甲骨は著しくすくみ、読み書きの学習もままならなかった。彼の場合も椅子使用後は骨盤の傾きがなくなり、その結果姿勢が改善され学習作業もできるようになった。
これらの事例が示すように、背筋が伸び、体に無理のない自然姿勢を保てる椅子というわけだ。腰痛は腰に負担のかかる動作や姿勢をとることによって引き起こされる。座ったのちも腰に負担のかからない姿勢を保てるならば、腰痛にはならない。したがって、世界中でこの椅子が医療、美容、IT分野を始めオフィス、学校などに普及していったのも当然の結果と言える。


写真のような形状からまたがるように座るのが特徴で、立ったり座ったりが非常に楽。座面の高さ・前後の傾き、背もたれを好きな位置に調整することができる。背もたれは取り外し可能。10色が用意されている。

日本総輸入元のテクノキイでは、本稿を読んだ読者で関心のある施設には期間限定で無料貸し出しを行っている。試用して気に入れば購入という形になる。
すでに美容クリニックでバンバック・サドル・シートを採用するところが出てきた。長時間のオペは腰への負担となり、いわばドクターにとって腰痛は職業病だ。同様の理由から今後は歯科、エステティック、カイロプラティック、柔道整復などの分野でも普及が見込まれる。生産国のオーストラリアでは、マッサージ療法協会からの推薦も出ている。これらの分野で腰痛は、職業人としての命取りともなりかねない疾病。自らの体への投資と思い、一度試してみるのもわるくはない。

○無料貸し出しのお問い合わせは、編集部03-6222-3121か、email:info@e-jhm.jp担当・大竹までご連絡を


(JHM97号より)
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