現代医療にアンチ・テーゼ投げかける [JHM]
[ 2010/7/22 ]
日本のがん治療医学に衝撃を与える本が発刊されたことをご存知だろうか?「アメリカはなぜがんが減少したか?」—現代医学に対して真っ向からアンチテーゼを投げかけた一書として脚光を浴びた。アメリカ代替医療を実践し啓蒙してきたパイオニアのゲリー・F・ゴードン医師監修のもと執筆したのが、米国がんコントロール協会日本支部(NPO法人 がんコントロール協会)理事長の森山 晃嗣氏である。そんな森山氏が94年未だ黎明期ともいえる日本の代替医療を啓蒙するためにがんコントロール協会の日本支部を立ち上げ、一方で自らしいじした栄養療法の父・R・ウイリアム博士や、がん患者のための心理療法として名高いサイモントン療法の医師、研究者、がん治療のための食事療法として知られるM・ゲルソン博士の系統を継ぐ医師などを招聘し、95年から代替医療のコンベンションを開催してきた。そして、この7月18日、19日の2日間、16年目を迎えた「第16回 日本がんコンベンション〜代替・統合療法コンベンション」がいよいよ幕をあける。
国内外15人の代替療法に取り組むスピーカーが多種多彩な研究成果を発表することから、現代医学によるがん治療、生活習慣病などに対してアンチテーゼを投げかけるに違いない。
森山氏のその著書で、「92年、現代の医学の中枢をになうはずのアメリカに代替医療部が設けられた。投じられた国家予算は、当初300万ドルからスタートしたが、2000年以降はその額はふくらみ2億ドルはくだらない」と述べている。そして、医科大のおよそ6割はすでに代替医療のカリキュラムを導入し、一方13州(発刊当時)で代替医療に保険が適用されていると紹介した。
アメリカが今や官民一体となった代替療法先進国と指摘するのである。
そして著書では、「その淵源は、現代栄養学を学ぶうえで世界的なバイブルともなっているマグガバンレポート(米国上院栄養問題特別委員会報告書)で、『病気そしてがんは食事や栄養の摂り方の歪みで起こる』ことから、とりわけ食生活の改善と栄養補助の役割が重要だ」と論じている。
そして98年、生活習慣病の原因を「栄養代謝の乱れ」と捉え、ACS(米国がん協会)とCDC(疾病抑制予防センター)の合同研究チームの研究プロジェクトを契機に、代替療法の見直し、食生活の改善、ミネラルの再認識をかかげ、官民一体でとりわけがんの撲滅をかかげていった。うした政策が奏功してアメリカではがん羅患率が90年を境に減少、死亡率も低下へと向っているという。
今年16年目を迎え開催される「第16回 日本がんコンベンション〜代替・統合医療」は、そんな森山氏が、パントテン酸の発見者で栄養療法の父と言われるR・ウイリアム博士の名書「生命の鎖」理論を自らも学び、実践し多くの人々に講演活動を通じて栄養療法の啓蒙を続けながら、一方で心理療法として名高いサイモントン療法の医師、研究者、がん治療のための食事療法として知られるM・ゲルソン博士の系統を継ぐ医師などとの交流の中で、95年から開催を重ねてきた日本の代替医療において先駆けとなった国際カンファレンスともいえる。
16回目の今回は、代替医療に取り組む内外15名のスピーカーが会場となる東京墨田区のすみだリバーサイドホールに集結する。会期は18日、19日で、がん患者をはじめ医療従事者が多数来場する予定だ。
"抗がん療法に対して現代医学が万能"という医学の常識に疑問をなげかけながら、そうした対処療法をアンチテーゼと捉え、食養生、積極的な栄養療学の考えかたと実践、薬害への警告、自然治癒力を高める精神免疫療法など多種多彩の研究報告、臨床症例の発表の場となる。
演題は18日に、「コロイドミネラルと慢性病」ジョエル・ワラック博士、「新脳内革命による健康法」春山 茂雄医師、「今あるガンが消えていく食事」済陽 高穂医師、「ガン治療の取り組み〜自然治癒力、自己治癒能力を高める」丹羽 正幸医師、「命の鎖—分子栄養学」森山 晃嗣氏などがプログラムされている。
19日には、ゲルソン博士の孫であるハワード・ゲルソン博士が「ゲルソン療法—がんと慢性病のための食事療法」と題して治療効果についての最新報告が行なわれる。また、「食べ物とガンー肉食ダイエット」荒木 裕医師、「病気はどこから?」小南 奈美子博士、「ガンを乗り越えて生きる!」永田 勝太郎医師、「下げたらあかん!コレステロールと血圧」浜 六郎医師などから、ともすると現代医学で敬遠されがちなテーマをあえて取り上げて、主流医学の問題提起と共に、がんに対する代替療法の必要性を論ずることになっている。
2日間を通じてとりわけ興味深い演題は、昨年に続き来日するゲルソン博士の講演で、GersonTherapy Recipesと呼ばれるがん食事療法による最新の報告を、日本も含め世界からがん患者が治療に足を運ぶゲルソン療法を実践する病院の症例も含め発表されるはずだ。
また、千葉大学医学部臨床教授を兼任しながら、自らのクリニックでがん患者の治療にあたる、済陽 高穂医師が独自に考案した食事指導をもとに、過去15年の晩期がんの症例126例について、その臨床成果を発表する。同医師がもつ食事療法の理想は、「縄文食」として、減塩、動物性たんぱく質・脂肪を減らしたもの食事指導を行なっているが、その奏功率は実に6割をこえるという。
なお参加希望の医師、コメディカルの方は、協会電話フリーダイヤル0120‐099‐727からお申込を。
(JHM95号より)