第1回JAAS東京Live Forum 盛況のうちに幕 [JHM]
[ 2010/7/1 ]
5月8・9日、日本アンチエイジング外科・美容再生研究会=JAASと健康医療ジャーナル主催の第一回東京LiveForum(The First Live Forum for Anti-Aging Surgery & Regenerative Medicine for Rejuvernation) が開催され、多くの美容外科やその他のアンチエイジングや再生医療に興味のある医師ならびに歯科医が参加し、日本の学会では、これまで行われたことのない、臨場感のある実技の公開が多くの注目を集めた。ここではLiveForumの概要と注目のポイントを紹介する。JAASならびに健康医療ジャーナルでは、同様のイベントを今秋にも開催する予定であり、また、小規模の講演会&施術のLiveなど、積極的に行っていく。
隣接のクリニックで行なわれるライブ映像がリアルタイムでカンファレンス会場のモニター画面に映し出された
日本アンチエイジング外科・美容再生研究会=JAAS(http://www.jaas-online.com)は、正しい美容医療・再生医療の習熟と、新旧のスキルを比較検討しながら、継続的にまた経時的に症例を報告することで最良の施術、治療法を普及させること、またそのために侵襲性を伴う美容整形・形成術を解剖学実習など基礎からの知識とトレーニングで学び、メンバーそれぞれがオリジナリティを持つ美容術を目指していく。
これまでの美容外科医療は、教育機関での満足なカリキュラムもなく、多くの医師は美容外科クリニックで独学で技術の習得を余儀なくされてきた。そのため、習得される技術は、即時的に現場で使用されるものに限られ、その背景や基礎的な考え方を学ぶ機会が少なく、また、自己の症例を経時的に経過観察できる機会も限定的で、ともすると術後の改善度合いや技術に対する検証を怠りがちになってしまう。
JAASは、こうした美容外科手術をできうる限りOpenにしながら、会員同士が検証しあうことを目的に設立された。古くから行われている手術の良い面や、新しい技術の優れた面、幅広く比較検討し、技術の向上を目指す。そのためLiveを重視、実際にその手術のスペシャリストが、目の前で手術を公開し、メンバー相互で検討し実際に自らのクリニックで実践し、その結果を次回の研究会で持ち寄って、更なる検討を重ねていく。
個々の施術、治療術をやりっ放しではなく、一つの術式、一つの症例を大事に、適正な形で広め、クライアントが安心して美容外科クリニックを訪れることが出来るような社会からの高い信用を得られるようにすることを目指している。
それを具現化したものが、5月8・9日に秋葉原UDXカンファレンスとUDXヒラハタクリニックを通じて行われた第一回東京LiveForumである。その設立の目的に沿い、午前中に講義によって施術の基本的な知識と背景を学んだ上で、午後には実際にUDXヒラハタクリニックで行われる手術を、会場のモニター画面で見ながら、リアルタイムで質疑応答が行われるという、全く新しい形で開催された。
8日は最も最先端の美容医療と言っても良い再生医療についてのプログラムが行われ、9日は侵襲の高い美容外科手術のプログラムが提供された。
上段(左・右)、下段(左)はJAAS理事からLiveSurgeryを実施した招へい医師にメモリアルトロフィーが授与された。下段(右)は学術展示風影
記念すべき最初の講演を行ったのは設立メンバーの一人である銀座いけだクリニック総員長の池田 欣生MDは、成長因子FGFを加えたPRPと熱で硬化させたPPPを、ヒアルロン酸などフィラーと同様な形で用いる、新のプラズマフィラー療法について解説した。
その後、自己由来の培養線維芽細胞とPRP注入を組み合わせた美容再生医療「CELL-GROWTH」について、たかみクリニック院長の高見 薫MDが講演した。「CELL-GROWTH」は、現在行われている実践的な再生医療の応用では、最先端なものといっても過言ではない内容ながら、パッケージングされ、特別な設備なく、多くの医療機関で実践できる内容となっており、注目を集めた。
続いてUDXヒラハタクリニック院長の平畑 徹幸MDが、美容や頭髪に対する遺伝子的な背景や、同クリニックで実際に行われている遺伝子検査の概要、それに対するコスメやメソセラピーなどのソリューションを紹介した。
クール美容皮膚科クリニック院長の中間 健MDは、近年、美容皮膚科や発毛外来などで高い注目を集めているGrowth Factor=成長因子について講演した。
基本的な知識に加え、様々な成長因子製剤の商品の特徴について言及、実際に使用した感想を元に講演を行った。成長因子をひとくくりにされているが、例えばEGFは毛髪成長には抑制的に働くなど、実際に使用するときには、目的に応じた製品の検討が必要であることなど、多くの症例や製品を使用している者ならではの、実践的なノウハウに満ちた講演が行われた。
講演で歯科医の注目を集めたのは、韓国New York M clinicのSeong heon Lee.DDSが行った、同クリニックでの口腔を中心とした美容医療の講演。同クリニックでは、骨きりによる顎や歯列の矯正という非常に侵襲の高いアプローチやシリコンなどによる顎の形成術、自己由来の脂肪やヒアルロン酸の注入療法が提供されており、実際に行われた症例のビフォアー・アフターだけでなく、手術経過中の写真なども公開し、注目を集めた。
また、皮膚の若返りとして、レーザーやPRP、フェイスリフトの手術までを提供しており、日本の下手な美容外科クリニックを凌駕する外科的なアプローチを韓国の歯科で提供している様子を垣間見ることが出来た。
韓国ではさらに、こうした歯科医と美容外科医の連携が始まっており、質が高いだけでなく、クライアントの幅広いニーズに応えることの出来る医療の提供が始まっているのだという。
午後はJAASの特徴ともいうべき、実技の中継が行われた。ここでの注目は池田MDのプラズマフィラーであろう。採血からPRPの遠心分離と手技による操作、PPPの加温とその注入のテクニックなど、視覚に訴える施術内容は、その技術の新しさともあいまって、会場からは多くの質問が行われた。
その他の施術のデモでは、成長因子を皮下・皮内に注入するものが多かったが、各医師の使用する器具の違いや操作の違い、例えばシリンジを使用するのか、メソローラーを使用するのか、シリンジにしても注入の角度や深さのコントロールの方法などが解説、実際に実演され、各医師の技術の違いが際立って見ることが出来た。
9日は美容外科医療についての講演とデモが行われた。この日は日米韓の第一線の美容外科医が、持てる技術をフル導引した施術のデモが出色であった。
行われたプログラムの内容は、本紙では何度も紹介している韓国のミラクルリフトについて韓国Miracle Clinic総院長のWoo Jung Ho.MD、上眼瞼下垂に対しての挙筋短縮法の検討を銀座CUVOクリニック院長の久保 隆之MD、頚部のシワの除去手術に米国アロハプラスティックサージェリー院長のM Anthony Pasquale.MD、下眼瞼の脱脂法について韓国Myoung Oculoplastic Eye Surgery院長のChoi C Woong.MDが、それぞれ午前中に講演し、午後に手術を実際に行いながら手技の解説を行った。
日米韓という国という違い、また、最先端の術式の発表とベーシックな術式を改めて見直す内容があり、非常にバリエーションの広い内容でプログラムは進行した。
それゆえ質疑については、前日の再生医療の時よりも活発に会場から寄せられ、手術を行いながら、それらに応えてゆく医師たちの技術の高さは、目を見張るものがあった。
幅広い内容故に、手術の術式以外の、例えば麻酔の薬剤やその部位に対する考え方の違いや、使用する器具の違いなども解説され、実際に外科手術を行っている者にとって、様々なノウハウを吸収できる場となっていた。
また、それぞれの演者の美容に対する考え方、哲学の違いが、行う手術に反映され、その違いを肌で感じることが出来た点も興味深いところであった。
講演では、デモが行われる術式の基礎知識に加え、それぞれの部位に行われる手術の歴史的な流れや、他に行われている術式との違いなどが講演され、その後に見るLive Surgeryの理解をより深めており、JAASの面目躍如といった中身の濃いプログラムであった。
また、講演会場と併設する展示会場では、講演内容と関連する機器や器具、薬剤などの学術展示会場が設けられ、体感した手術や医療を行うための、側面的な情報提供や、物品の購入などが出来るようになっており、来場の臨床医に対して、配慮の行き届いた研究会となっていた。
講義&Live映像を収録した教材も完成、JAASより提供される
■ LiveForumの収録DVDが、教材として発売されました。2日間にわたる美容再生術と抗加齢美容外科の講義とLiveSurgery、LiveTherapyの映像を10人の講師陣と、8つに及ぶLive施術の模様を6枚組みにしました。JAAS、JSCAM会員もしくは非会員でも購入可能です。お申込は差込チラシにて。
■また、JAASへのご入会ご希望の方は、ホームページ(http://www.jaas-online.com)か、差込チラシからご入会資料の請求を。
(JHM94号より)
隣接のクリニックで行なわれるライブ映像がリアルタイムでカンファレンス会場のモニター画面に映し出された
日本アンチエイジング外科・美容再生研究会=JAAS(http://www.jaas-online.com)は、正しい美容医療・再生医療の習熟と、新旧のスキルを比較検討しながら、継続的にまた経時的に症例を報告することで最良の施術、治療法を普及させること、またそのために侵襲性を伴う美容整形・形成術を解剖学実習など基礎からの知識とトレーニングで学び、メンバーそれぞれがオリジナリティを持つ美容術を目指していく。
これまでの美容外科医療は、教育機関での満足なカリキュラムもなく、多くの医師は美容外科クリニックで独学で技術の習得を余儀なくされてきた。そのため、習得される技術は、即時的に現場で使用されるものに限られ、その背景や基礎的な考え方を学ぶ機会が少なく、また、自己の症例を経時的に経過観察できる機会も限定的で、ともすると術後の改善度合いや技術に対する検証を怠りがちになってしまう。
JAASは、こうした美容外科手術をできうる限りOpenにしながら、会員同士が検証しあうことを目的に設立された。古くから行われている手術の良い面や、新しい技術の優れた面、幅広く比較検討し、技術の向上を目指す。そのためLiveを重視、実際にその手術のスペシャリストが、目の前で手術を公開し、メンバー相互で検討し実際に自らのクリニックで実践し、その結果を次回の研究会で持ち寄って、更なる検討を重ねていく。
個々の施術、治療術をやりっ放しではなく、一つの術式、一つの症例を大事に、適正な形で広め、クライアントが安心して美容外科クリニックを訪れることが出来るような社会からの高い信用を得られるようにすることを目指している。
それを具現化したものが、5月8・9日に秋葉原UDXカンファレンスとUDXヒラハタクリニックを通じて行われた第一回東京LiveForumである。その設立の目的に沿い、午前中に講義によって施術の基本的な知識と背景を学んだ上で、午後には実際にUDXヒラハタクリニックで行われる手術を、会場のモニター画面で見ながら、リアルタイムで質疑応答が行われるという、全く新しい形で開催された。
8日は最も最先端の美容医療と言っても良い再生医療についてのプログラムが行われ、9日は侵襲の高い美容外科手術のプログラムが提供された。
上段(左・右)、下段(左)はJAAS理事からLiveSurgeryを実施した招へい医師にメモリアルトロフィーが授与された。下段(右)は学術展示風影
記念すべき最初の講演を行ったのは設立メンバーの一人である銀座いけだクリニック総員長の池田 欣生MDは、成長因子FGFを加えたPRPと熱で硬化させたPPPを、ヒアルロン酸などフィラーと同様な形で用いる、新のプラズマフィラー療法について解説した。
その後、自己由来の培養線維芽細胞とPRP注入を組み合わせた美容再生医療「CELL-GROWTH」について、たかみクリニック院長の高見 薫MDが講演した。「CELL-GROWTH」は、現在行われている実践的な再生医療の応用では、最先端なものといっても過言ではない内容ながら、パッケージングされ、特別な設備なく、多くの医療機関で実践できる内容となっており、注目を集めた。
続いてUDXヒラハタクリニック院長の平畑 徹幸MDが、美容や頭髪に対する遺伝子的な背景や、同クリニックで実際に行われている遺伝子検査の概要、それに対するコスメやメソセラピーなどのソリューションを紹介した。
クール美容皮膚科クリニック院長の中間 健MDは、近年、美容皮膚科や発毛外来などで高い注目を集めているGrowth Factor=成長因子について講演した。
基本的な知識に加え、様々な成長因子製剤の商品の特徴について言及、実際に使用した感想を元に講演を行った。成長因子をひとくくりにされているが、例えばEGFは毛髪成長には抑制的に働くなど、実際に使用するときには、目的に応じた製品の検討が必要であることなど、多くの症例や製品を使用している者ならではの、実践的なノウハウに満ちた講演が行われた。
講演で歯科医の注目を集めたのは、韓国New York M clinicのSeong heon Lee.DDSが行った、同クリニックでの口腔を中心とした美容医療の講演。同クリニックでは、骨きりによる顎や歯列の矯正という非常に侵襲の高いアプローチやシリコンなどによる顎の形成術、自己由来の脂肪やヒアルロン酸の注入療法が提供されており、実際に行われた症例のビフォアー・アフターだけでなく、手術経過中の写真なども公開し、注目を集めた。
また、皮膚の若返りとして、レーザーやPRP、フェイスリフトの手術までを提供しており、日本の下手な美容外科クリニックを凌駕する外科的なアプローチを韓国の歯科で提供している様子を垣間見ることが出来た。
韓国ではさらに、こうした歯科医と美容外科医の連携が始まっており、質が高いだけでなく、クライアントの幅広いニーズに応えることの出来る医療の提供が始まっているのだという。
午後はJAASの特徴ともいうべき、実技の中継が行われた。ここでの注目は池田MDのプラズマフィラーであろう。採血からPRPの遠心分離と手技による操作、PPPの加温とその注入のテクニックなど、視覚に訴える施術内容は、その技術の新しさともあいまって、会場からは多くの質問が行われた。
その他の施術のデモでは、成長因子を皮下・皮内に注入するものが多かったが、各医師の使用する器具の違いや操作の違い、例えばシリンジを使用するのか、メソローラーを使用するのか、シリンジにしても注入の角度や深さのコントロールの方法などが解説、実際に実演され、各医師の技術の違いが際立って見ることが出来た。
9日は美容外科医療についての講演とデモが行われた。この日は日米韓の第一線の美容外科医が、持てる技術をフル導引した施術のデモが出色であった。
行われたプログラムの内容は、本紙では何度も紹介している韓国のミラクルリフトについて韓国Miracle Clinic総院長のWoo Jung Ho.MD、上眼瞼下垂に対しての挙筋短縮法の検討を銀座CUVOクリニック院長の久保 隆之MD、頚部のシワの除去手術に米国アロハプラスティックサージェリー院長のM Anthony Pasquale.MD、下眼瞼の脱脂法について韓国Myoung Oculoplastic Eye Surgery院長のChoi C Woong.MDが、それぞれ午前中に講演し、午後に手術を実際に行いながら手技の解説を行った。
日米韓という国という違い、また、最先端の術式の発表とベーシックな術式を改めて見直す内容があり、非常にバリエーションの広い内容でプログラムは進行した。
それゆえ質疑については、前日の再生医療の時よりも活発に会場から寄せられ、手術を行いながら、それらに応えてゆく医師たちの技術の高さは、目を見張るものがあった。
幅広い内容故に、手術の術式以外の、例えば麻酔の薬剤やその部位に対する考え方の違いや、使用する器具の違いなども解説され、実際に外科手術を行っている者にとって、様々なノウハウを吸収できる場となっていた。
また、それぞれの演者の美容に対する考え方、哲学の違いが、行う手術に反映され、その違いを肌で感じることが出来た点も興味深いところであった。
講演では、デモが行われる術式の基礎知識に加え、それぞれの部位に行われる手術の歴史的な流れや、他に行われている術式との違いなどが講演され、その後に見るLive Surgeryの理解をより深めており、JAASの面目躍如といった中身の濃いプログラムであった。
また、講演会場と併設する展示会場では、講演内容と関連する機器や器具、薬剤などの学術展示会場が設けられ、体感した手術や医療を行うための、側面的な情報提供や、物品の購入などが出来るようになっており、来場の臨床医に対して、配慮の行き届いた研究会となっていた。
講義&Live映像を収録した教材も完成、JAASより提供される
■ LiveForumの収録DVDが、教材として発売されました。2日間にわたる美容再生術と抗加齢美容外科の講義とLiveSurgery、LiveTherapyの映像を10人の講師陣と、8つに及ぶLive施術の模様を6枚組みにしました。JAAS、JSCAM会員もしくは非会員でも購入可能です。お申込は差込チラシにて。
■また、JAASへのご入会ご希望の方は、ホームページ(http://www.jaas-online.com)か、差込チラシからご入会資料の請求を。
(JHM94号より)