血液フォトセラピー日本初上陸 [JHM]
[ 2010/5/27 ]
先日行われたJSCAM日本臨床抗老化医学会主催の認定医講習会で、血液クレンジグと共に、日本初となる血液フォトセラピーの講演と実技が披露され、参加者の注目を集めた。クリニックでしか行えない、アンチエイジングとして、高濃度ビタミンCをはじめとする点滴療法は、近年、自由診療クリニックで導入が進むが、オゾンを用いた血液クレンジングや紫外線を用いた血液フォトセラピーも採血が必要な、医療機関限定のアンチエイジングであり、今後、急速な拡大が予想される。先日の講習会のダイジェストとともに、血液クレンジングと血液フォトセラピーについて、紹介する。
なごやかな雰囲気の中で酸化療法が学べる東海渡井クリニックの研修会
導入したドクターは皆、その体感の良さを絶賛する血液クレンジング療法。詳しくは後述するが、採血した血液にオゾンガスを暴露させることで、様々なアンチエイジング効果を引き出す医療だ。
この作用機序の大なる部分は、体内に酸化ストレスを与えているということだ。
同様に酸化ストレスを与えることで、血液クレンジングよりも短期間だが、即時的な体感を促すのが今回初めて公開された血液フォトセラピーだ。
これら、体に酸化ストレスを与えて、免疫機能や抗酸化力を賦活する医療を米国では、Bio-Oxidative Therapies=生物学的酸化療法・酸化療法と呼ぶ。
今回、講演を行った東海渡井クリニック院長の渡井 健男MDは、これらの生物学的酸化療法について、普及に努めている国内の第一人者だ。
講習は2回に分けて行われ、1日目は座学によって、基本的な知識を学び、2日目は1日目の復習を行った後、血液クレンジングのデモンストレーションを見学後、参加者自身がクレンジングに使用する点滴ボトルを組み立て、2人1組になって、お互いに採血し、オゾンのジェネレーターを操作し、点滴ボトルの血液と混合し、実際に点滴するまでを体験した。
その後、本邦初公開となる、血液フォトセラピーのデモンストレーションが行われた。残念ながら、詳しい診断なしに、初回から血液クレンジングと血液フォトセラピーを同時に行うことが、好ましくないため、参加者はフォトセラピーについては体験できなかったが、クレンジングよりも簡便な操作のこの治療法に、注目していた。
一昨年から行われている血液クレンジングの現地派遣研修会だが、今年は例年に無く様々な診療科目の医師が集まった。これまでは内科系の医師がほとんどだったが、今年は整形外科や耳鼻咽喉科、一般外科や形成など、外科系の医師の姿も目立ち、歯科医師の参加も見られた。
参加の理由も、既にクレンジングを導入しており、フォトセラピーの情報を求めてきた参加者や、導入検討中で最後にもう一度確認のために参加した方や、自分がクレンジングを受けるために参加した方など、様々な理由となっている。
この2つに共通するのは患者の体感の良さだ。血液クレンジングは冷え性や肩こりなどの自覚症状には、抜群の切れ味を持ち、血液フォトセラピーは、偏頭痛など、痛みに対してシャープな効果を発揮する。治療効果の持続力については、血液クレンジングの方が、体感が長く続くが、即時的な効果は、血液フォトセラピーに軍配が上がるという。
この2つは組み合わせることも可能で、単独で行って効果や体感が見られない場合は、後述するHOTやダイナミック・フォトセラピーとして行うことも出来る。また、欧米では高濃度ビタミンC点滴と併用されていることもある。
クリニックの既存のメニューを生かしつつ、大きく治療の幅を広げることが出来るのが、これら酸化療法の優れた点だ。体感することが少ない、これまでのアンチエイジング医療と一線を画す、酸化療法は、今後も拡大を続けることは間違いない
JSCAM日本臨床抗老化医学会では、今後も渡井MDを中心に酸化療法の講習会を実施していく予定だ。
血液クレンジング
オゾン療法の一つ、大量自家血(浄化)療法MAH(Major Autohemotherapy)を指す。採血した100ccほどの血液に、オゾンガスを暴露することで、赤血球を酸素化し抹消血流を増加させるだけでなく、オゾンによって生じる脂質酸化物を介して、サイトカインを誘導し、免疫機能の向上じゃ細胞の活性化を促す治療法。特に抗酸化力を向上させることが、銀座オクトクリニックの故伊藤 壱裕MDより報告されている。
欧州で盛んな医療で、ドイツでは保険診療にもなっており、100年以上の歴史がある。
MAHの他に、少量自家血療法(Minor Autohemotherapy=MIH)、筋注や注腸などの方法がある。
血液フォトセラピー
採血した血液に254nmの紫外線C波を照射することで、血中の酸素を一重項状態とし、その刺激によって、末梢循環の改善、副腎皮質ホルモンの活性化、抗炎症作用や、がん治療での放射線や化学療法への耐性を強化し、副作用を軽減する治療。
各種の細菌、ウイルス、真菌を直接的、間接的に不活性化する、抗感染作用や免疫機能の活性化も知られており、古くは耐性菌の出ない抗生物質の代替としても使用されていた。
米国では高濃度ビタミンC点滴と同程度か、それ以上にポピュラーな治療法。
以下のような方法が知られている。
UVB(Ultraviolet irradiation of blood for Intravenous re-injection)
最も一般的な、血管から血液を引くときに紫外線照射機器の中を通し、再び体内に戻す方法で、50〜60ccの血液に対し100〜120秒間紫外線を照射する。治療にかかる時間は全体でも約5〜7分。
UVI(Ultraviolet irradiation of blood for Intramuscular re-injection)
紫外線照射管のついた専用のシリンジの中に2〜5ccの血液を採血し、そのシリンジを紫外線照射機器に挿入し、筋注する方法。
HOT(Hematogenic oxidation therapy Oxygenation+UVB)
点滴ボトルに引いた50cc程度の血液を酸素でばっ気した後に、紫外線を照射して体内に戻す方法。
ダイナミック・フォトセラピー
血液クレンジングを行った後に、紫外線を照射する方法。
HOTやダイナミック・フォトセラピーは、単独では効果が少ない場合に用いるが、体感のみを目安に行うと、過剰な酸化ストレスなどで、体がだるいなどの症状が起こることもある。
(JHM93号より)
なごやかな雰囲気の中で酸化療法が学べる東海渡井クリニックの研修会
導入したドクターは皆、その体感の良さを絶賛する血液クレンジング療法。詳しくは後述するが、採血した血液にオゾンガスを暴露させることで、様々なアンチエイジング効果を引き出す医療だ。
この作用機序の大なる部分は、体内に酸化ストレスを与えているということだ。
同様に酸化ストレスを与えることで、血液クレンジングよりも短期間だが、即時的な体感を促すのが今回初めて公開された血液フォトセラピーだ。
これら、体に酸化ストレスを与えて、免疫機能や抗酸化力を賦活する医療を米国では、Bio-Oxidative Therapies=生物学的酸化療法・酸化療法と呼ぶ。
今回、講演を行った東海渡井クリニック院長の渡井 健男MDは、これらの生物学的酸化療法について、普及に努めている国内の第一人者だ。
講習は2回に分けて行われ、1日目は座学によって、基本的な知識を学び、2日目は1日目の復習を行った後、血液クレンジングのデモンストレーションを見学後、参加者自身がクレンジングに使用する点滴ボトルを組み立て、2人1組になって、お互いに採血し、オゾンのジェネレーターを操作し、点滴ボトルの血液と混合し、実際に点滴するまでを体験した。
その後、本邦初公開となる、血液フォトセラピーのデモンストレーションが行われた。残念ながら、詳しい診断なしに、初回から血液クレンジングと血液フォトセラピーを同時に行うことが、好ましくないため、参加者はフォトセラピーについては体験できなかったが、クレンジングよりも簡便な操作のこの治療法に、注目していた。
一昨年から行われている血液クレンジングの現地派遣研修会だが、今年は例年に無く様々な診療科目の医師が集まった。これまでは内科系の医師がほとんどだったが、今年は整形外科や耳鼻咽喉科、一般外科や形成など、外科系の医師の姿も目立ち、歯科医師の参加も見られた。
参加の理由も、既にクレンジングを導入しており、フォトセラピーの情報を求めてきた参加者や、導入検討中で最後にもう一度確認のために参加した方や、自分がクレンジングを受けるために参加した方など、様々な理由となっている。
この2つに共通するのは患者の体感の良さだ。血液クレンジングは冷え性や肩こりなどの自覚症状には、抜群の切れ味を持ち、血液フォトセラピーは、偏頭痛など、痛みに対してシャープな効果を発揮する。治療効果の持続力については、血液クレンジングの方が、体感が長く続くが、即時的な効果は、血液フォトセラピーに軍配が上がるという。
この2つは組み合わせることも可能で、単独で行って効果や体感が見られない場合は、後述するHOTやダイナミック・フォトセラピーとして行うことも出来る。また、欧米では高濃度ビタミンC点滴と併用されていることもある。
クリニックの既存のメニューを生かしつつ、大きく治療の幅を広げることが出来るのが、これら酸化療法の優れた点だ。体感することが少ない、これまでのアンチエイジング医療と一線を画す、酸化療法は、今後も拡大を続けることは間違いない
JSCAM日本臨床抗老化医学会では、今後も渡井MDを中心に酸化療法の講習会を実施していく予定だ。
血液クレンジング
オゾン療法の一つ、大量自家血(浄化)療法MAH(Major Autohemotherapy)を指す。採血した100ccほどの血液に、オゾンガスを暴露することで、赤血球を酸素化し抹消血流を増加させるだけでなく、オゾンによって生じる脂質酸化物を介して、サイトカインを誘導し、免疫機能の向上じゃ細胞の活性化を促す治療法。特に抗酸化力を向上させることが、銀座オクトクリニックの故伊藤 壱裕MDより報告されている。
欧州で盛んな医療で、ドイツでは保険診療にもなっており、100年以上の歴史がある。
MAHの他に、少量自家血療法(Minor Autohemotherapy=MIH)、筋注や注腸などの方法がある。
血液フォトセラピー
採血した血液に254nmの紫外線C波を照射することで、血中の酸素を一重項状態とし、その刺激によって、末梢循環の改善、副腎皮質ホルモンの活性化、抗炎症作用や、がん治療での放射線や化学療法への耐性を強化し、副作用を軽減する治療。
各種の細菌、ウイルス、真菌を直接的、間接的に不活性化する、抗感染作用や免疫機能の活性化も知られており、古くは耐性菌の出ない抗生物質の代替としても使用されていた。
米国では高濃度ビタミンC点滴と同程度か、それ以上にポピュラーな治療法。
以下のような方法が知られている。
UVB(Ultraviolet irradiation of blood for Intravenous re-injection)
最も一般的な、血管から血液を引くときに紫外線照射機器の中を通し、再び体内に戻す方法で、50〜60ccの血液に対し100〜120秒間紫外線を照射する。治療にかかる時間は全体でも約5〜7分。
UVI(Ultraviolet irradiation of blood for Intramuscular re-injection)
紫外線照射管のついた専用のシリンジの中に2〜5ccの血液を採血し、そのシリンジを紫外線照射機器に挿入し、筋注する方法。
HOT(Hematogenic oxidation therapy Oxygenation+UVB)
点滴ボトルに引いた50cc程度の血液を酸素でばっ気した後に、紫外線を照射して体内に戻す方法。
ダイナミック・フォトセラピー
血液クレンジングを行った後に、紫外線を照射する方法。
HOTやダイナミック・フォトセラピーは、単独では効果が少ない場合に用いるが、体感のみを目安に行うと、過剰な酸化ストレスなどで、体がだるいなどの症状が起こることもある。
(JHM93号より)