老化の原因『糖化=グリケーション』を抑制する [JHM]
[ 2010/3/11 ]
『糖化』という言葉をご存知だろうか?アンチエイジング医療にご興味のある読者であれば、『糖化』は必須科目といっていい存在だが、日本ではあまり注目されていない。欧米に目を向ければ、多くのアンチエイジングドクターが酸化と同程度に、『糖化』についてケアしている。ここでは、改めてエイジングの主役といっても過言ではない『糖化』とその抑制について考えてみる。
メイラード反応とも呼ばれる『糖化=グリケーション』、数年前にポテトチップスの発がん性が話題になったが、その時に発がん物質の疑いを指摘されたアクリルアミドは、メイラード反応の過程で生成する。このようにメイラード反応というと、食品の褐変を意味することも多いため、ここでは『糖化』という言葉を用いる。
さて、『糖化』を知らない読者でも、ヘモグロビンA1c(HbA1c)を知らない読者はいないだろう。実はこのHbA1cこそが、代表的な『糖化』の例だ。マーカーとしてのHbA1cの意味を考えてみれば明白だが、『糖化』とは高血糖の状態で、タンパク質のアミノ基とグルコースのアルデヒド基が、非酵素的に結合した後、様々な反応を経て『最終糖化生成物=AGEs』と呼ばれるものが生成される過程をいう。
その結果、体にどのような影響が出るのか?実はタルミやシワなどの原因となる、皮膚の弾力の低下が、『糖化』によって起こっているのだ。皮膚の弾力の低下は、架橋結合によって、コラーゲンの構造が、変化することが原因と、よく知られている。この架橋結合を引き起こしているのが『最終糖化生成物=AGEs』だ。
欧米では既に10年以上前から、『糖化』に対するアプローチが行われている。2000年に米国で発行された、カリスマ美容皮膚科医ニコラス・ペリコーンMDの大ベストセラー『The Wrinkle Cure』で既に『糖化』によって、コラーゲンの弾力性が失われることが記載されている。同書は消費者向けに発行された書籍であるため、実際の臨床では、それよりも以前から、美肌のための『糖化』抑制が行われていたことになる。
話をHbA1cに戻そう。HbA1cは、『糖化』のプロセスでも、まだ前期反応によって生成されるアマドリ化合物の一つ。不可逆な『AGEs』までは、脱水や縮合、酸化、転位など複雑な経路をたどる。
そして最終的に生成される『AGEs』によって血管や皮膚のコラーゲンなど、寿命の長い生体内のタンパク質が修飾され、機能不全の原因となる。皮膚の老化だけでなく、糖尿病の合併症や動脈硬化の原因の一つともいえる。
『糖化』がアンチエイジングにとって、重要であることはご理解いただけたと思う。しかし、『糖化』のケアと糖尿病予防とどう違うのか?誰しもが悩むところだ。
一般にいう砂糖とは、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合したもの。フルクトースは、グルコースよりも上品な甘さなので、飲料や加工食品の甘味料としても、用いられることが多い糖として知られている。つまり、食生活で摂取している頻度の高い糖類であることは間違いない。
このフルクトースが、実はグルコース以上に、『糖化』を促進する糖であり、尚且つインスリンの分泌を促進せず、血糖として測定されない糖類である。そのため、血糖値が高くなくとも、体内で糖化が進むことは、充分に考えられる。
このように、血糖値のコントロールと『糖化』の抑制とは、異なった概念である。そのため、『糖化』の抑制のためのソリューションが必要になってくる。
実は既に国内において、『糖化』を抑制するサプリメントが、製品化されている。㈱葉室が販売する『透科植物粒』というサプリメントだ。
この『透科植物粒』には、ローマン・カモミールやセイヨウサンザシ、ドクダミ、ブドウの葉など、4種のハーブが用いられている。ローマン・カモミールには、カマメロサイドという、メイラード反応阻害物質として知られる機能性成分が含有されるなど、これらのハーブには、フラボノイドをはじめとする機能性成分が豊富に含まれている。
特筆すべきは、『透科植物粒』は、既に『AGEs』の血中濃度抑制作用が、ヒト臨床によって確認されている点だ。2型糖尿病患者を対象に、12週間連続摂取という形で行われた試験で、ハーブエキス固形分換算240mg/日の摂取によって、『AGEs』の1種CML(カルボキシメチルリジン)の血中濃度が、有意差をもって減少していることが、報告されている。
また、同様の試験で、皮膚弾力の改善もキュートメーターによって測定されており、被験者の皮膚弾力は、摂取8週目、12週目において有意に増加している。
また、1日3000mg摂取によって行われたヒト臨床試験では、CMLや3DG(3-デオキシグルコソン)といった『AGEs』の減少に加え、イソプラスタンや8-OHdGといった酸化ストレスマーカーの低下も報告されている。
『糖化』の過程では、グルタチオンぺルオキシダーゼやスーパーオキシドディスムターゼが、直接『糖化』され、酸化ストレスが増大することもあり、その消去に対しても、『透科植物粒』は、効果が期待できるサプリメントといえる。
この『透科植物粒』には、同様のコンセプトで製造されている外用の美容液『透科植物液』もラインナップされており、体の内側と外側の両面から、『AGEs』にアプローチできる商品構成となっている。
ホルモン補充や抗酸化、抗炎症やキレーションなど点滴療法に加え、アンチエイジングクリニックでは、『抗糖化=アンチグリケーション』が新たなキーワードになることは、間違いない。この分野では、欧米に10年以上の差をつけられていることは明白である。1日も早い積極的な『糖化』へのアプローチが望まれる。
(JHM91号より)
メイラード反応とも呼ばれる『糖化=グリケーション』、数年前にポテトチップスの発がん性が話題になったが、その時に発がん物質の疑いを指摘されたアクリルアミドは、メイラード反応の過程で生成する。このようにメイラード反応というと、食品の褐変を意味することも多いため、ここでは『糖化』という言葉を用いる。
さて、『糖化』を知らない読者でも、ヘモグロビンA1c(HbA1c)を知らない読者はいないだろう。実はこのHbA1cこそが、代表的な『糖化』の例だ。マーカーとしてのHbA1cの意味を考えてみれば明白だが、『糖化』とは高血糖の状態で、タンパク質のアミノ基とグルコースのアルデヒド基が、非酵素的に結合した後、様々な反応を経て『最終糖化生成物=AGEs』と呼ばれるものが生成される過程をいう。
その結果、体にどのような影響が出るのか?実はタルミやシワなどの原因となる、皮膚の弾力の低下が、『糖化』によって起こっているのだ。皮膚の弾力の低下は、架橋結合によって、コラーゲンの構造が、変化することが原因と、よく知られている。この架橋結合を引き起こしているのが『最終糖化生成物=AGEs』だ。
欧米では既に10年以上前から、『糖化』に対するアプローチが行われている。2000年に米国で発行された、カリスマ美容皮膚科医ニコラス・ペリコーンMDの大ベストセラー『The Wrinkle Cure』で既に『糖化』によって、コラーゲンの弾力性が失われることが記載されている。同書は消費者向けに発行された書籍であるため、実際の臨床では、それよりも以前から、美肌のための『糖化』抑制が行われていたことになる。
話をHbA1cに戻そう。HbA1cは、『糖化』のプロセスでも、まだ前期反応によって生成されるアマドリ化合物の一つ。不可逆な『AGEs』までは、脱水や縮合、酸化、転位など複雑な経路をたどる。
そして最終的に生成される『AGEs』によって血管や皮膚のコラーゲンなど、寿命の長い生体内のタンパク質が修飾され、機能不全の原因となる。皮膚の老化だけでなく、糖尿病の合併症や動脈硬化の原因の一つともいえる。
『糖化』がアンチエイジングにとって、重要であることはご理解いただけたと思う。しかし、『糖化』のケアと糖尿病予防とどう違うのか?誰しもが悩むところだ。
一般にいう砂糖とは、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合したもの。フルクトースは、グルコースよりも上品な甘さなので、飲料や加工食品の甘味料としても、用いられることが多い糖として知られている。つまり、食生活で摂取している頻度の高い糖類であることは間違いない。
このフルクトースが、実はグルコース以上に、『糖化』を促進する糖であり、尚且つインスリンの分泌を促進せず、血糖として測定されない糖類である。そのため、血糖値が高くなくとも、体内で糖化が進むことは、充分に考えられる。
このように、血糖値のコントロールと『糖化』の抑制とは、異なった概念である。そのため、『糖化』の抑制のためのソリューションが必要になってくる。
実は既に国内において、『糖化』を抑制するサプリメントが、製品化されている。㈱葉室が販売する『透科植物粒』というサプリメントだ。
この『透科植物粒』には、ローマン・カモミールやセイヨウサンザシ、ドクダミ、ブドウの葉など、4種のハーブが用いられている。ローマン・カモミールには、カマメロサイドという、メイラード反応阻害物質として知られる機能性成分が含有されるなど、これらのハーブには、フラボノイドをはじめとする機能性成分が豊富に含まれている。
特筆すべきは、『透科植物粒』は、既に『AGEs』の血中濃度抑制作用が、ヒト臨床によって確認されている点だ。2型糖尿病患者を対象に、12週間連続摂取という形で行われた試験で、ハーブエキス固形分換算240mg/日の摂取によって、『AGEs』の1種CML(カルボキシメチルリジン)の血中濃度が、有意差をもって減少していることが、報告されている。
また、同様の試験で、皮膚弾力の改善もキュートメーターによって測定されており、被験者の皮膚弾力は、摂取8週目、12週目において有意に増加している。
また、1日3000mg摂取によって行われたヒト臨床試験では、CMLや3DG(3-デオキシグルコソン)といった『AGEs』の減少に加え、イソプラスタンや8-OHdGといった酸化ストレスマーカーの低下も報告されている。
『糖化』の過程では、グルタチオンぺルオキシダーゼやスーパーオキシドディスムターゼが、直接『糖化』され、酸化ストレスが増大することもあり、その消去に対しても、『透科植物粒』は、効果が期待できるサプリメントといえる。
この『透科植物粒』には、同様のコンセプトで製造されている外用の美容液『透科植物液』もラインナップされており、体の内側と外側の両面から、『AGEs』にアプローチできる商品構成となっている。
ホルモン補充や抗酸化、抗炎症やキレーションなど点滴療法に加え、アンチエイジングクリニックでは、『抗糖化=アンチグリケーション』が新たなキーワードになることは、間違いない。この分野では、欧米に10年以上の差をつけられていることは明白である。1日も早い積極的な『糖化』へのアプローチが望まれる。
(JHM91号より)