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高感度CRPとの強い相関 [JHM]

[ 2009/9/29 ]

毎回満席のウイスマーのセミナー

銀座オクトクリニックの伊藤 壱裕院長は、オゾンを用いた血液クレンジングの効果測定を、FRASとFMDで行ったデータを報告した。
血液にオゾンを添加する血液クレンジング療法を行うと、1回の施術でもBAPの値が低い人は改善し、継続して行った患者では、その値が保たれていることを報告した。この傾向はFMDについても同様で、最初の数値が悪い人は改善し、血液クレンジングが血管内皮の状態を改善する効果を示唆した。
赤坂AAクリニックの森 吉臣院長は、加圧トレーニングが血液再灌流障害を引き起こすのではないかとの疑問から、加圧トレーニング前後の乳酸量とd‐ROMs、BAPとIGF‐1の値を測定した。
予想通り、加圧トレーニング後に被験者全てで乳酸値は上昇したが、d‐ROMsの上昇はそれほどでもなく、下がる傾向の人も見られた。一方でBAPは上昇し、思ったよりも危険なトレーニングではないとの感想を述べた。

トレーニング後30分では、IGF-1の上昇も確認されており、HGHの分泌も促進していることが確認できた。
慢性疲労の評価についてFRASの可能性を講演したのが、関西福祉科学大 倉恒 弘彦教授。厚労省の調査でも約4割が悩む慢性疲労、その経済損失は年間1.2兆円にもなるという。
DNAチップによる遺伝子発現や唾液中のヒトヘルペスウイルスの発現などによって、疲労状態を評価すること試みが行われているが、その評価法についてd‐ROMsも検討されており、身体疲労や日常生活の障害度の高い人は、d‐ROMsの値も悪いことが見出されたという。
d‐ROMsの健診への応用を解説したのは、三井記念病院総合健診センター 山門 真所長。生活習慣病は酸化ストレスによって引き起こされるとして、臨床的な有用性について検討した。
検討に入る前に、d‐ROMs自体の精密度検査を行うと、サンプルの濃度に関わらず、同時再現性、日差再現性ともに良好な結果となったという。その上で通常の生活習慣病の指標、体脂肪率やHbA1c、TGなどと比較してみると、それらと有意な正相関が見られており、特に高感度CRPやアディポネクチン、レプチンなどと強い相関を見せ、臨床的にも有用性が高いと結論した。

日本薬科大 永田 勝太郎教授は高血圧治療薬cilnidipineとamlodipineの酸化ストレスについて、BAPの値をd‐ROMsで割り、さらに7.510という定数で割った修正比=潜在的抗酸化能で評価すると、cilnidipineは単に血圧を下げるだけではなく、酸化ストレスも下げるので、付加価値のある治療薬であると指摘した。また、永田教授が長年研究している漢方薬をFREEによって分析すると、ほとんど全てに、抗酸化能が認められた。西洋医療の治療薬で、薬自体に抗酸化能を持つものは、これほど多くないので、抗酸化は漢方の特徴の一つであると述べた。
また、2mmの腫瘍でもd‐ROMsが敏感に反応することや、疾病があるとd‐ROMsは上がるがBAPは変わらないことなどを報告、FRASを広く臨床に応用している、その言葉には重みがあった。
講演の取りを務めるのはメインスピーカーのナポリ大 イオリオ教授。FRASについての一般論の後、米国サーキュレーション誌に、d‐ROMsが、アテローム性動脈硬化のよい指標であると病掲載されたことや、高感度CRPとの相関など、心血管系のマーカーとしてのFRASを解説した。
各論としては、歯周病との関連やEDの指標としてd‐ROMsを提案するなど、新しい切り口の講演を行った。
全体を振り返ると、第7回を迎え、FRASについての議論はますます深まっており、今後の展開に期待が持てる内容だった。さらに、演者の一人が言った言葉「FRASが無いと私の診療は成り立たない」という言葉が印象に残った。

本セミナーの主催者ウイスマーの主催する第1回アムサット セミナーが10月4日に開催される。
アムサットは、今年4月に治療点検索装置として医療機器の認定を受けている。国によって医療機関での使用のお墨付きが与えられたこの機器、頭部2ヶ所・両手・両足の6ヶ所から22チャンネルの電気容量と波形を測定し、身体機能と今後のリスクを測定する。
これまでも説明会は開催されていたが、正式に海外から開発者を招き、国内ユーザーも交えてのセミナーの第1回目となる。
生体内の体液・神経系・臓器機能の変化を電気的な変化として捉え、疾病の発病以前の電気的異常を捉えて、治療点を特定するというアムサット。FRASが酸化ストレス測定を日本に定着させたように、電気的な『エネルギー医療』を日本に定着させる可能性を秘めている。セミナーに参加して、その胎動を是非、感じてほしい。
日時:10月4日(日)10〜5時、場所:東京ステーションコンフォレンス(東京駅直通)、参加費:20000円、定員:80名限定、問合せ:(03‐5802‐7331まで。



(JHM87号より)
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