JAASアカデミー
TEL
お問い合わせ
一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

JAASアカデミー

一般社団法人 JAAS日本アンチエイジング外科学会

TEL

お問い合わせ

国内初「ウイルス療法」臨床試験へ [JHM]

[ 2009/9/7 ]
東大病院で最大21人

がん細胞を標的に細胞内に侵襲させる「ウイルス療法」が、このほど日本で初めて臨床試験に入る。
あらかじめ遺伝子組み換えを行なったヘルペスウイルスを脳腫瘍の患者に投与するもので、東大医学部・附属病院で早ければ8月末から実施される。臨床試験は、遺伝子治療臨床研究の指針に従ってプロコルを厚労省に提出、同省の承認を経て行なわれるもので、同附属病院に来院する患者が対象になるが、試験への参加を希望する患者や主治医に対しても、同病院ではホームページを窓口に門戸を広げるという。




遺伝子組み換えのヘルペスウイルス使う


現代医学では、がん細胞などの細胞膜を突破して細胞内に侵襲させるために最も有効な「ベクター」がウイルスだと言われ、そのウイルスのひとつヘルペスウイルスを使うことに同大の脳神経外科・藤堂特任教授らが着目した。そして、正常細胞にも作用しないよう負のウイルス毒性となる3遺伝子の働きを欠落させることに成功した。
基礎研究のひとつ、マウスを使った動物試験では、難治がんと言われる悪性脳腫瘍の一種「膠芽腫」にかかったモデルマウスに対して、ウイルスを注入したところ腫瘍が小さくなったという。一方、ウイルスを注入しなかったマウスでは25日で30倍にも腫瘍が拡大したがわかった。また、正常マウスに注入しても副作用はみられないことも報告されている。
国内でがん遺伝子治療に逸早く着目し、個人クリニックでは異例ともいえる細胞培養クリーンルームを併設する、UDXヒラハタクリニック・平畑院長によれば「がん遺伝子治療にしてもウイルス療法にしてもアプローチの違いこそあれ、いかにがん細胞内で治療遺伝子として作用させ、抗がん効果を高めるかということです」として、今回のウイルス療法ではウイルス・ベクターがもつ毒性や変異原性などのリスクを限りなく低くしていることを評価する。
スタートする臨床試験では、ウイルスを2週間に2回投与して腫瘍の体積や神経マヒなどの副作用を観察していく。最大21人の被験者に行なわれる予定だ。
Copyright (C) JAAS ACADEMY. All rights reserved.