金沢クール美容皮膚科院長
[ 2009/9/4 ]
金沢クール美容皮膚科院長
—緻密な下調べ、情報収集、大胆なアクションそして入念な治療に対する効果測定—
医師として修学し、臨床を積み重ねる中で自らの「治療哲学」とも言うべき姿勢を貫き通してきたのが、金沢でクール美容皮膚科クリニックを開設する。移植外科そしてその後、美容外科・皮膚科へと転身する中で新たな診療、施術を研究、探索し、パイオニアとなる専門医や研究機関に直接、足を運び研修をしていく。何も日本だけではない。アジア、ロシア、東欧、アメリカ、豪州など縦横無尽に駆け回る。
今、院長が最も関心を寄せ誰よりもすばやく、またどの医師よりも入念にそして正確に臨床効果をみているのが、多くの難病や疾患に治療成果が期待されるステムセル・セラピー(幹細胞療法)である。もちろんこの治療に対する探求と行動は今までと変わらない。
院長の医師としての人物像を知るには、彼の歴史を述べたほうがいいかも知れない。
名門・ラサールを卒業後、医師である父親と同じ九大に入学。しかし学部は工学部でロケット開発に傾倒、やがては日本の航空宇宙への飛躍を夢見てロケット打ち上げの研究者の道をめざした。しかし卒業後、医療ボランティアとして貧困の真っ只中アフリカへと赴く。「医師への道」に進む出会いがここで生まれる。救護と手当の補助をする中で、国境なき医師団で働く韓国のドクターにめぐり合い、医師としての修学を薦められた。驚くことにそのドクターから卒業までの学費の支援を約束されたことから、決断。ソウルにある韓国中央大医学部に合格して医学生として学ぶことになる。
生活はハングル語、そして当時まだ医学教育の歴史が浅い韓国ではもっぱら教材は英語、講義と実習は英語と韓国語が飛び交う中で、優秀な成績で医学部を卒業・腎臓移植の専門医として本格的に臨床の道に入る。その後、豪州の医師免許もとり、故郷日本へと戻り東京医大に入局する。日本でも医師免許を取得後、病院勤務医として臨床の経験を積んでいった。
やがて美容整形外科に転身、日本はもちろん韓国、ロシア、オーストラリア、ルーマニアへと切開法、非切開法、美容皮膚診療、内科的診療術など新たな治療法の修練の機会を求めて飛び回ることになる。ロシアではGodenLift、アプトス、ルーマニアでは「若返り療法」として有名なアナ・アスラン博士直伝のジュロビタール療法を学ぶ。「金の糸」は国内で最も早く、最も症例数をこなした美容整形医として知られている。(蛇足だが院長、韓国語、英語、ロシア語、ルーマニア語、フランス語など語学が堪能で、本紙のTrainingSeminarでも韓国のミラクルリフトやNICRなどの医療通訳をお願いするほど)
研究者の道から医学の道に方向転換し、若き青年時代の医療ボランティアとしての経験が、患者への治療に対する熱い思いへと繋がっているのだろう。
「効果のない治療はしない。だから今までの医療の常識にとらわれない思考回路をもちながら、新たな診療、施術にトライしていく。もちろんそのためには、確かなエビデンスのもと、治療効果を自分が検証していくが大前提です」
エステティックの裏側にあるクール美容皮膚科入り口
クールエステティック入り口
さて、院長が開設するクール美容皮膚科は美容形成、皮膚科に加え臨床治験チームとして参画する幹細胞療法やビタミンC大量点滴などの点滴療法を行なう金沢では人気のクリニックである。北陸各県と京都に7店舗をもつクールエステティック(Coeur Esthetique)の金沢本社ビル内に併設されたクリニックで、エステとのコラボレーションが奏功してエステからの顧客が後を絶たない。
昨今、低迷著しいエステ業態の中で、北陸地方の顧客開拓に成功し、加圧トレーニングなど常に新たなメニュー提案とサービス向上を心がけるクールエステティックでは、提携する院長のサポートでさらに顧客満足度をあげている。お互いが補完しあうことで経営メリットを生むモデルケースといえよう。
クリニックでは、エスティックで接遇などを徹底的教育されたスタッフをそのまま医療サービス・コンサルジュの部署で生かしているため、なおさら患者から好感がもたれリピーターの数が多い。
金沢という土地柄、施術料金は決して高くない。しかし、その施術法やテクニックは都心のクリニックにひけを取らないことはいうでもない。施術メニューは大まかに二重などの目、まぶたの施術、ボトックス注入などのワキガ、多汗症の治療、メソセラピーによるダイエット、サリチル酸マクロゴール・TCAなどのピーリング術、医療レーザー、医療アートメイク、ヒアルロン酸・ボトックス注入、プラセンタ、美白点滴やデトックス点滴が一般的なもの。さらに、院長得意のフェイスリフティング、鼻、あごの切開による形成術や金の糸、シルエット、ミラクルリフトなどの「スレッド・レジュビネーション」と、およそ考えられるアンチエイジング療法はほぼ網羅している。
また、治療後のホームケア・コスメにも院長自身のこだわりから製品を厳選、最近では美容皮膚科で著名な医師・ニコラスペリコーンが考案した処方に準拠する「メタトロン化粧品シリーズ」(MTコスメティック)や、多くの医師から指示され始めた紫イペを主成分とした「イペア」(サンレック)を採用する。
一方海外からも独自に治療のための製剤を輸入する。医療専用のシミ治療薬(トレチノイン・ハイドロキノン配合)である「Meladfade」や、幹細胞療法で提携する韓国RNL Bio社からは幹細胞由来のたんぱく由来のGF(成長因子:TGF-b・bFGF・IGF-1・KGF・HGF/VEGFなど)成分が配合された「 」、さらにはアメリカからシミ、たるみ、シワ、薄毛、傷痕、妊娠線などの改善効果があるGF製剤「BENEV」など、都心のクリニックでもまだ採用するところが少ない製剤を導入する。こうした製剤は、ダーマローラーやダーマスタンプでの治療でさらに効果をあげているという。
とりわけ再生医療に対しては造詣が深く、美容皮膚再生術では「もう数年前からこうした情報をキャッチ、独自に研究していた」というから驚く。今、院長が最も医師として関心をもち、また「次世代の治療法」と捉えているのが、多くの難病や疾患に治療成果が期待されるステムセル・セラピー(幹細胞療法)である。
培養で増殖させた脂肪幹細胞が入ったチューブ
韓国でバンキングした自家製幹細胞をクール美容皮膚科で点滴注入(難治性の疾患を持つ女性患者)
もともと専門分野が移植外科だったことから、臍帯血由来の幹細胞療法に関心をもち、腎不全症への臨床応用をめざすべく自らの私財の一部をその研究と情報収集に費やした。しかし、今年、さらに臨床成果が期待できる間葉系脂肪由来のステムセルセラピーに方向を変え、この分野の培養技術とバンキングで最も進んでいる韓国RNL Bio社との出会いによって、その臨床治験の提携クリニックとなる。
先ごろ、同社との提携で日本で逸早く治療分野での幹細胞療法の治験チームを組んだ「再生医療研究会」(会長:横山 博美MD)のボードメンバーでもある院長のところには、この夏から同社で培養・バンキングされた自家幹細胞が患者と共に来院している。すでに30名ほどの主に韓国からの患者が、看護師と共に海を渡ってクール美容皮膚科に訪れる。こうした治療成果を、研究会で評価、解析して幹細胞療法による「再生治療医学」として正式に〃表舞台〃に発表していくことになる。
美容はもちろん、腎不全、関節症、糖尿病、COPD、脳梗塞、認知症、パーキンソン、泌尿器疾患、一部のがんなど、まさに「現代の治療学」を根底から覆す可能性さえある、幹細胞療法に院長の挑戦はこれからもつづく。
○院長が、幹細胞療法と共に最近注目しているのが、抗がん、免疫作用で際立った知見をもつ「紫イペ」である。この秋から、このメディカルサプリメントの医療顧問として患者へのアドバイスを行なっていく。
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(JHM87号より)