ご存知ですか『肺年齢検査』 [JHM]
[ 2009/7/14 ]
抗加齢ドックで若返り効果の実証も報告
先日、東海大学医学部付属病院の抗加齢ドック設立3周年記念講演会が開催された。ドックの受診者や医師、マスコミ関係者ら200名以上が参加、今後の抗加齢ドックの方向性や、実際の生活の中で、どのように結果を活用すればいいのかが講演された。
開会の挨拶は医学部学部長の猪子 英俊氏、遺伝子を専門とする猪子氏は、これまで生活習慣病は環境要因5割、遺伝的要因5割と言われてきたが、環境要因の方が大きいのでは?と抗加齢ドックの重要性を強調した。
続いて医学部付属東京病院 副院長の西崎 康弘氏が、これまでの受診者の背景や満足度のアンケート調査や、抗加齢ドックの成果としてBMI正常者でも男性で55%、女性で70%が肥満であるという、隠れ肥満について国際健診学会で発表したことを報告した。
また、複数回受診した受診者を対象に調査したところ、有意差をもって、アディポネクチンや、DHEA−s、フリーテストステロンなど、若返りの指標が改善していることを報告した。
大学の付属病院の行なった検査で、有意差をもって、アンチエイジングの効果が実証されたことは、日本の医学会にとっても大きな意味のある出来事といえよう。
興味深かったのは医学部付属病院病院長 桑平 一郎氏が発表した『肺年齢』。
『肺年齢』は、これからの抗加齢ドックには組み込まれることが予定されている、今年、日本呼吸器学会で提唱された呼吸機能検査。
今後、国民病ともなりうる勢いで増加している慢性閉塞性肺疾患(COPD)。その診断には専門的知識が必要とされていたが、一般の人々にも広くそのリスクを知ってもらうために導き出されたのが、『肺年齢』という概念。
これまでの、吸い込んだ呼気をゆっくり全量吐き出したものを測定する肺活量ではなく、最初の1秒間に吐ける「1秒量」と身長を計算式に入れて求めるのが『肺年齢』。
同姓・同年代・同じ体格の人と比較して、自分の肺の健康状態を具体的に知ることができるようにしたもの。
呼吸機能は20歳をピークに徐々に低下するが、喫煙やCOPDによって急激に低下する。COPDは初期には自覚症状が出にくいため、呼吸機能検査で『肺年齢』を知ることがQOLの大きな向上につながるのだという。
続いて、こうした先進的な検査の結果を日常生活にどのように活かすのかを、東海大学医学部教授 久保 明氏が講演した。
久保氏の講演では、体内には善玉と悪玉の寿命改善因子があり、バランスをとっていることを解説、さらに、臓器はばらばらなのではなく、例えば脳と腸と骨はそれぞれ関連しあっており、骨と血管も関係が深いことなども報告した。
その上で、簡単にできる運動量の目安や食生活の工夫について講演し、多くの質問を受け付けていた。
国家プロジェクトにも参入
最後に挨拶にたった、元医学部付属病院病院長 谷野 隆三郎氏は、大学としては、唯一のアンチエイジングドックである抗加齢ドックを礎に今後が国家プロジェクトへの参入も決まったと報告、アンチエイジングが国家の方針にも影響を与え始めていることを示唆し、記念講演会を締めくくった。
(JHM86号より)
先日、東海大学医学部付属病院の抗加齢ドック設立3周年記念講演会が開催された。ドックの受診者や医師、マスコミ関係者ら200名以上が参加、今後の抗加齢ドックの方向性や、実際の生活の中で、どのように結果を活用すればいいのかが講演された。
開会の挨拶は医学部学部長の猪子 英俊氏、遺伝子を専門とする猪子氏は、これまで生活習慣病は環境要因5割、遺伝的要因5割と言われてきたが、環境要因の方が大きいのでは?と抗加齢ドックの重要性を強調した。
続いて医学部付属東京病院 副院長の西崎 康弘氏が、これまでの受診者の背景や満足度のアンケート調査や、抗加齢ドックの成果としてBMI正常者でも男性で55%、女性で70%が肥満であるという、隠れ肥満について国際健診学会で発表したことを報告した。
また、複数回受診した受診者を対象に調査したところ、有意差をもって、アディポネクチンや、DHEA−s、フリーテストステロンなど、若返りの指標が改善していることを報告した。
大学の付属病院の行なった検査で、有意差をもって、アンチエイジングの効果が実証されたことは、日本の医学会にとっても大きな意味のある出来事といえよう。
興味深かったのは医学部付属病院病院長 桑平 一郎氏が発表した『肺年齢』。
『肺年齢』は、これからの抗加齢ドックには組み込まれることが予定されている、今年、日本呼吸器学会で提唱された呼吸機能検査。
今後、国民病ともなりうる勢いで増加している慢性閉塞性肺疾患(COPD)。その診断には専門的知識が必要とされていたが、一般の人々にも広くそのリスクを知ってもらうために導き出されたのが、『肺年齢』という概念。
これまでの、吸い込んだ呼気をゆっくり全量吐き出したものを測定する肺活量ではなく、最初の1秒間に吐ける「1秒量」と身長を計算式に入れて求めるのが『肺年齢』。
同姓・同年代・同じ体格の人と比較して、自分の肺の健康状態を具体的に知ることができるようにしたもの。
呼吸機能は20歳をピークに徐々に低下するが、喫煙やCOPDによって急激に低下する。COPDは初期には自覚症状が出にくいため、呼吸機能検査で『肺年齢』を知ることがQOLの大きな向上につながるのだという。
続いて、こうした先進的な検査の結果を日常生活にどのように活かすのかを、東海大学医学部教授 久保 明氏が講演した。
久保氏の講演では、体内には善玉と悪玉の寿命改善因子があり、バランスをとっていることを解説、さらに、臓器はばらばらなのではなく、例えば脳と腸と骨はそれぞれ関連しあっており、骨と血管も関係が深いことなども報告した。
その上で、簡単にできる運動量の目安や食生活の工夫について講演し、多くの質問を受け付けていた。
国家プロジェクトにも参入
最後に挨拶にたった、元医学部付属病院病院長 谷野 隆三郎氏は、大学としては、唯一のアンチエイジングドックである抗加齢ドックを礎に今後が国家プロジェクトへの参入も決まったと報告、アンチエイジングが国家の方針にも影響を与え始めていることを示唆し、記念講演会を締めくくった。
(JHM86号より)