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大型アンチエイジング・サプリメント素材レスベラトロ [JHM]

[ 2009/6/4 ]
アンチエイジング・サプリメント素材として、医療領域では、大きな話題となったレスベラトロール。しかし、一般市場での動きは着実なものとなっている。これには、一般市場の健康食品離れという景気の問題もあるが、レスベラトロールのエビデンスの方向が、多岐にわたっており、製品化を難しくしているという側面があるのではないだろうか?動脈硬化なのか、ダイエットなのか、アルツハイマー予防か、はたまたがん予防なのか?よく研究されているが故に、逆に混乱を招いているともいえる。そうした状況に対して、いち早く医療グレードのレスベラトールサプリメントを製品化した、バイオリンク販売は、モニターアンケートという形ではあるが、市場調査を実施し、消費者のレスベラトロールの体感と期待の方向を探っている。ここでは、その興味深い取り組みの一端を紹介する。


説明するまでも無く、レスベラトロールは、赤ワインに含まれるポリフェノールで、フレンチパラドクスの研究から見出された。
06年にNature誌に掲載された、レスベラトロールが高カロリー食のマウスの健康と生存を改善すること報告した、Baurらの報告が、きっかけとなり、大きな話題となった。
インパクトファクターの高いNatureに、いわゆる“飲むだけで高カロリーの食事をしても太らない”的な研究報告が掲載されたのだ。しかも、寿命にかんしての、遺伝子までも刺激して、寿命もまっとうできるおまけ付きだ。
他にも、もともと赤ワイン・ポリフェノールには、心血管系のイベントのリスクを低下させる、動脈硬化を予防する効果や、がん抑制効果、βアミロイドの分解を促進し、アルツハイマーを予防する効果、テロメア末端を保護して長寿に貢献する効果などが報告されている。
こうした、多岐にわたる機能に加え、サプリメント原料として供給されるレスベラトロールのグレードが、赤ワイン・ポリフェノールと呼んだ方が適当なものから、レスベラトロールのオリゴマーとモノマーを含んだもの、起源がワインなのかブドウの木なのか、イタドリなのか、という様々なものがあり、製品化を一気に難しいものとしてしまった。
そんな中、バイオリンク販売は『Dr.Taira’sレスベラトロール』として、医療グレードといって遜色の無い、レスベラトロールサプリメントを商品化した。
そして、同社はこのサプリメントを用いて、モニターアンケートを行っている。
質問項目として、体感の部分では『体重』『だるさ』『冷え』『肩こり』『耳鳴り・難聴』『お肌の調子』『便通』について聞いており、レスベラトロールに期待する効果として『がん予防』『老化抑制』『アルツハイマー予防』『肥満予防』『糖尿病予防』から選択できるようになっている(複数回答可)。
アンケート項目の体感で最も答えが集中したのが、『体のだるさが減った』という項目、8割が体感している。次いで約7割の人が『肩こりの改善』を挙げている。
注目される体重の変化については、『減った』という回答が38%、『増えた』が12%、『変わらなかった』が50%であったが、『減った』や『変わらなかった』と答えた回答者の何人かには「正月の期間であるにもかかわらず」と、自由記入欄に記入している例が散見された。
一方で期待感についてでは、ほぼ横並びだが、『老化抑制』『アルツハイマー予防』『がん予防』『肥満予防』『糖尿病予防』の順となった。
体感で悪化したと答えた回答者は一人もおらず、カプセルについては、全員が『飲みやすい』と回答していることを付記しておく。アンケートは男女に行われていることから、『お肌の調子』や『便通』『冷え性』についての解答が目立たない結果となっているが、女性を中心に集計を行えば、これらの改善という結果が出ると思われる。
だるさや肩こりの改善という効果は、7割以上が体感していることから、レスベラトロールの訴求ポイントと言える。期待感ではアルツハイマーやがんなどを含めた、老化抑制=アンチエイジングそのもののサプリメントであると言えよう。
また、ダイエットの訴求に関しては、規制との関連での難しさがある。しかし、モニターアンケートという、食生活や運動に関して、何も条件をコントロールせずに、年末年始をはさんだ形の調査期間で、38%が『減った』と答えており、50%が『不変』という結果だ。被験者の条件を、肥満者や軽肥満者に限定し、改めてもう少し厳密な試験を行うことで、良好な結果が得られるのではないか?と本紙は考える。
いずれにしろ、このモニターアンケートの結果は、多岐にわたるレスベラトロールの機能性や期待の方向を、ある程度絞り込むための良い結果が得られたと見ることができる。
健康食品の規制が強化され、景気が悪化したことによって、爆発的な売れ行きが期待できない状況だからこそ、このレスベラトロールのようなサプリメントは、着実に育てなければいけない素材であると言える。
エビデンスは申し分なく、体感もあるならば、着実に市場を築いていくことは、想像に難しくない。その商品力を向上させ、消費者の健康に寄与できるのは、このレスベラトロールという素材に、いち早く注目したアンチエイジングドクターに他ならない。
消費者はレスベラトロールに対し『老化抑制』を期待して摂取しているのである。その期待感を、具体的な形に提示することが、アンチエイジングドクターの努めなのではないだろうか?




(JHM84号より)
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