09年アンチエイジング医療 メーカーの展望 [JHM]
[ 2009/3/10 ]
医療でのトレンドとリンクする企業体制とは
ここまでは2009年の展望を医師の立場から語っていただいたが、ここからはアンチエイジングを支える屋台骨でもあるメーカーからの展望を語っていただく。
2009年の展望を考える上で、2008年の状況を把握することが必要になってくる。
昨年である2008年の医療トレンドは、4月に開始となったメタボリックシンドロームを加えた特定健診・指導制度がまず挙げられる。
残念なことに期待されていた程には大きなマーケットにはならなかったが、1年が経過することで準備もでき、今年も大きな一つのトレンドとして注目されると予想される。
もう一つはビタミンC大量点滴による免疫療法の再燃である。
JSCAM日本臨床抗老化医学会でも点滴療法の講演は話題となっており、興味を抱く医師が多いことが推測される。
また、歯科医師も興味を抱くなど想像以上の広がりをみせていることは確かだ。
そして医療での今年の大きなターニングポイントは何と言っても薬事法の改正であろう。
クリニックと共に薬剤業務を支える薬局が、存続の危機とまで言われている。
国内での医薬品消費の大半を占めるOTCが、販売資格さえあればコンビニエンスストアでも販売できるようになるためだ。
これにより、軽いと思われる症状に対してはOTCで対応するケースが増えることが予想されており、保険診療の受診者も減るのではないかと危惧される。
これらのテーマに対し、各企業がどのような対応を行う予定であるのかを中心としてお話を伺った。
ドクターセラム代表取締役吉川育矢氏
メタボ・免疫・薬事法改正に焦点を当てる
「今年は医療業界にも本腰を入れた販売展開をします」と、ドクターセラム代表取締役の吉川 育矢氏は語る。
発売当初から製品エビデンスを取得していた「セラム-シルクフィブロイン」。発売後も着々と1ヶ月間の飲用試験結果データを増やし、昨年末の段階ではデータは462名にまで増えた。今年も更にデータ数を増やしていく予定だ。同じく昨年末には糖尿病患者10名の6ヶ月間の飲用試験結果も発表した。
この6ヶ月の試験はあさひ医王クリニック(院長:上野 鉱郁MD)でⅡ型糖尿病患者を対象に行われたもので、注目すべき点は医薬品との併用なく、サプリメントだけでの飲用効果を記録したことである。試験は、万が一のことも配慮され、クリニックの近くに住む患者をモニターとした。
その結果、医薬品ではなかなか改善しないと言われるHbA1cが10名全員下がり、図の平均値のような結果となった。HbA1cの他にも血糖値や中性脂肪、LDLコレステロールなど、メタボリックシンドロームで注目される数値がことごとく下がった。
昨年末までは主にエステサロンなど、美容業界を中心に販売してきた同製品が、論文や有意差表を引っさげて、医療領域への販売を大幅に強化するというのだ。
同製品の効果を知る一部医師からは、早く医療業界へも販売強化したほうがいいのではないかとのアドバイスも受けていたようであるが、エビデンスを蓄積し論文が出てからと考えていた吉川氏は「やっとその時が来ました」と、医療業界への販売強化について並々ならぬ熱意を燃やす。
また、「弊社製品は日本のみならず海外でも注目されており、日本同様、糖尿病が蔓延している諸外国からも、オファーが来ています。今年は日本だけでなく世界へシルクフィブロインの良さを発信していきたいと思います」との展望を語る。
国内だけでの展開ではなく、海外も視野に入れた展開というものが、アンチエイジング医療の展望の一つのヒントとなるのではないかと考えられる。
多科で使用される「バイオフラボン メデック」
エビデンスの蓄積が医療流通でのポイント
VC大量点滴により医療で注目されている免疫。サプリメントも免疫賦活作用のものが再度脚光を浴びてきている。
高品質な医療機関用プロポリスを販売する日本自然療法では、昨年末から更なる医療機関への対応強化を行ってきている。
代表取締役の曽根 英雄氏は「昨年秋から自社でも製品の研究が出来るようになりました。11月には、肝・子宮頸・胃がん細胞増殖抑制作用も確認できました。代替医療学会でも、サプリメントの成分だけでなく製品そのものでのエビデンスも重要と言われてきているので対応を取れるようにしました」とのことだ。
このように製品への飽くなき取組みを行う同社の姿勢は高く評価され、ポーランドとの国際セミナーも行い、その際に同社製品を用いての臨床報告も行っている。
プロポリスは真っ先にがんなどの免疫関連の話題が多いと思われがちであるが、抗菌作用にも非常に優れており、歯科医院での歯周病に対する一つの方策としても飲用されている。
セミナーでも同社が販売するプロポリス歯磨き粉「デンタルポリス」を用いた歯周病菌除去の臨床報告も行われ、「多くの歯科医師が使用していますが、弊社では現在歯科専門のゲル状歯磨き品も出しています。年間4万本以上も売れている製品ですし、液体歯磨きリンスも発売しておりますので、免疫だけと思わずに抗菌作用にも着目していただければと思います」
点滴療法は歯科領域でも注目を浴びており、免疫製品であるプロポリスも歯科領域で注目を浴びている。この類似性に着目することが、今年のアンチエイジング医療の一つのキーワードなのかもしれない。
診療科目に囚われない素材がヒットの可能性
今年、薬局にとっては大変動の年になるだろうと簡単に推測されることは先述したとおりである。周知の通り薬事法の改正によるOTCの販路が増加することが原因である。
薬局での所謂“売れ筋”であるOTCがコンビニエンスストアなどでも販売されることで、消費者がこぞってOTCなどを薬局以外で購入してしまうことが懸念されているのである。
このような状況の中では、OTCに頼らない薬局独自の“専門性”を活かすことが必要不可欠になってくるのである。
その専門性を活かすことができるのは、対面で説明するサプリメントなのではないのかと弊紙では予想する。
薬局を守ることになる専門性を活かすことのできるサプリメントを販売する渡辺オイスター研究所では、今年起こることを前々から見据えてセミナー活動を行ってきた。
同社代表取締役の渡辺 貢Ph.D.は「一年を通じて日本全国でセミナーを開催しています。薬局店主やスタッフが多数周辺エリアから集り、臨床栄養学をベースに薬剤師としての実践的な薬学や栄養学の勉強会を開いており、薬剤師としてのカウンセリング機能の強化は、以前から同セミナーで訴えてきました」。
同社が組織する薬局各店は、ファーマシー業態が厳しい経営環境にさらされている中で、確実に業績を伸ばしているほどだ。
同社のセミナーは、「使い方が明確になる」ための説明の場であり、それが薬局各店でカウンセリング力の強化となるのである。このように“薬局を守る”というスタンスを崩すことのない経営方針も、先述した業績を伸ばすことに繋がっている。
この“薬局を守る”ということがアンチエイジング医療を守ることにも繋がるのではないだろうか?
いわば草の根的な活動でサプリメントの理解を消費者に対して深めているのは、紛れも無く薬局各店であり、未病の段階での相談に対しての窓口も薬局であるケースが多々あることからも、薬局がアンチエイジング医療の窓口になっていることになる。
薬局各店のカウンセリング力強化にもなっている同社の製品については「牡蠣肉は“海のミルク”とも言われるほどの高タンパク食品であり、必須アミノ酸もバランス良く含有し、グリコーゲンや亜鉛、銅などの微量元素も豊富に含まれており、これらの供給源としても価値のある食品です。現に牡蠣肉は生牡蠣やカキフライといったように、食卓の献立として食されてきました。マガキには、ほかの貝類と比較すると、10倍以上の亜鉛や7倍以上の銅が含有されており、鉄やセレンなども多く含まれています。これら金属は必須微量元素と呼ばれており、人が生きていくために不可欠な成分と言われています。このように一般食品としてでも、牡蠣が健康に対しての作用を多く持つことが分かりますが、同社では、この牡蠣肉から活性型エキスを抽出し、サプリメント化しているのです」と同氏は説明する。
また、同社の製品の大きな特徴の一つには、絶え間ないエビデンスの取得がある。今年も更なるエビデンスを取得していくとのことであるが、今までのエビデンスについては弊紙でも度々紹介しているが、安全性に関しては長々期試験も行うほどであり、機能性については抗酸化作用から疲労に対して、口内炎治癒など、薬局現場での良くある悩みについてエビデンスを蓄積しているのである。
「サプリメントは過大評価をしてはいけないし、過少評価をしてもいけません。ただし、そのように冷静な判断が出来るのが医療関係者なのです。だから、同社では医療関係だけへの販売を行なっています」と、医療関係者が冷静にサプリメントを評価することが、アンチエイジング医療の発展に繋がるのではという可能性のコメントをいただいた。
渡辺オイスター研究所代表取締役 渡辺貢PH.D.
先述したように、今後のアンチエイジング医療は、統合医療的な要素を取り込みつつ、新しい美容医療とも言える再生医療を意識せざるを得ない。
統合医療の中でも、高濃度ビタミンC点滴に代表されるような、免疫にかかわるサプリメントや機器は、今年も注目だ。プロポリスやアガリクス、フコイダンといったサプリメントは当然として、ビタミンCと相乗効果が高いことがデータによって検証されているサンメディカの『D-フラクション』や、B&Sコーポレーションの『アルベックス』などのサプリメント、温熱療法の『インディバ』などは、健康増進クリニックの水上治院長や赤坂アンチエイジングクリニックの森吉臣院長も実際に活用している、臨床での使用実績の多い製品と言える。ビタミンC単体では、得られない効果を、これらの製品がサポートしているのだ。
一方、再生医療では、幹細胞や線維芽細胞、血小板などの注入が、最も実践的で、皮膚美容に関連するプロダクツのうち、これらとの禁忌や相乗効果を持つものが、今後注目されるであろう。水面下でデータ取りを始めている企業がいくつか存在する。
需要高まる医療マーケット
このように2008-2009でのメーカー側から見たアンチエイジング展望について聞いたわけであるが、徐々にではあるが確実に医療でのマーケットが動き出しているように感じられる。
決して大量消費とはいえない医療マーケットではないが、消費者が慎重になっている昨今だからこそ、医療マーケットの需要が高まる。
医療との連携を行うことで確実な一歩を踏み出すことこそが、メーカー側から見たアンチエイジング展望であるのかもしれない。
(JHM82号より)
ここまでは2009年の展望を医師の立場から語っていただいたが、ここからはアンチエイジングを支える屋台骨でもあるメーカーからの展望を語っていただく。
2009年の展望を考える上で、2008年の状況を把握することが必要になってくる。
昨年である2008年の医療トレンドは、4月に開始となったメタボリックシンドロームを加えた特定健診・指導制度がまず挙げられる。
残念なことに期待されていた程には大きなマーケットにはならなかったが、1年が経過することで準備もでき、今年も大きな一つのトレンドとして注目されると予想される。
もう一つはビタミンC大量点滴による免疫療法の再燃である。
JSCAM日本臨床抗老化医学会でも点滴療法の講演は話題となっており、興味を抱く医師が多いことが推測される。
また、歯科医師も興味を抱くなど想像以上の広がりをみせていることは確かだ。
そして医療での今年の大きなターニングポイントは何と言っても薬事法の改正であろう。
クリニックと共に薬剤業務を支える薬局が、存続の危機とまで言われている。
国内での医薬品消費の大半を占めるOTCが、販売資格さえあればコンビニエンスストアでも販売できるようになるためだ。
これにより、軽いと思われる症状に対してはOTCで対応するケースが増えることが予想されており、保険診療の受診者も減るのではないかと危惧される。
これらのテーマに対し、各企業がどのような対応を行う予定であるのかを中心としてお話を伺った。
ドクターセラム代表取締役吉川育矢氏
メタボ・免疫・薬事法改正に焦点を当てる
「今年は医療業界にも本腰を入れた販売展開をします」と、ドクターセラム代表取締役の吉川 育矢氏は語る。
発売当初から製品エビデンスを取得していた「セラム-シルクフィブロイン」。発売後も着々と1ヶ月間の飲用試験結果データを増やし、昨年末の段階ではデータは462名にまで増えた。今年も更にデータ数を増やしていく予定だ。同じく昨年末には糖尿病患者10名の6ヶ月間の飲用試験結果も発表した。
この6ヶ月の試験はあさひ医王クリニック(院長:上野 鉱郁MD)でⅡ型糖尿病患者を対象に行われたもので、注目すべき点は医薬品との併用なく、サプリメントだけでの飲用効果を記録したことである。試験は、万が一のことも配慮され、クリニックの近くに住む患者をモニターとした。
その結果、医薬品ではなかなか改善しないと言われるHbA1cが10名全員下がり、図の平均値のような結果となった。HbA1cの他にも血糖値や中性脂肪、LDLコレステロールなど、メタボリックシンドロームで注目される数値がことごとく下がった。
昨年末までは主にエステサロンなど、美容業界を中心に販売してきた同製品が、論文や有意差表を引っさげて、医療領域への販売を大幅に強化するというのだ。
同製品の効果を知る一部医師からは、早く医療業界へも販売強化したほうがいいのではないかとのアドバイスも受けていたようであるが、エビデンスを蓄積し論文が出てからと考えていた吉川氏は「やっとその時が来ました」と、医療業界への販売強化について並々ならぬ熱意を燃やす。
また、「弊社製品は日本のみならず海外でも注目されており、日本同様、糖尿病が蔓延している諸外国からも、オファーが来ています。今年は日本だけでなく世界へシルクフィブロインの良さを発信していきたいと思います」との展望を語る。
国内だけでの展開ではなく、海外も視野に入れた展開というものが、アンチエイジング医療の展望の一つのヒントとなるのではないかと考えられる。
多科で使用される「バイオフラボン メデック」
エビデンスの蓄積が医療流通でのポイント
VC大量点滴により医療で注目されている免疫。サプリメントも免疫賦活作用のものが再度脚光を浴びてきている。
高品質な医療機関用プロポリスを販売する日本自然療法では、昨年末から更なる医療機関への対応強化を行ってきている。
代表取締役の曽根 英雄氏は「昨年秋から自社でも製品の研究が出来るようになりました。11月には、肝・子宮頸・胃がん細胞増殖抑制作用も確認できました。代替医療学会でも、サプリメントの成分だけでなく製品そのものでのエビデンスも重要と言われてきているので対応を取れるようにしました」とのことだ。
このように製品への飽くなき取組みを行う同社の姿勢は高く評価され、ポーランドとの国際セミナーも行い、その際に同社製品を用いての臨床報告も行っている。
プロポリスは真っ先にがんなどの免疫関連の話題が多いと思われがちであるが、抗菌作用にも非常に優れており、歯科医院での歯周病に対する一つの方策としても飲用されている。
セミナーでも同社が販売するプロポリス歯磨き粉「デンタルポリス」を用いた歯周病菌除去の臨床報告も行われ、「多くの歯科医師が使用していますが、弊社では現在歯科専門のゲル状歯磨き品も出しています。年間4万本以上も売れている製品ですし、液体歯磨きリンスも発売しておりますので、免疫だけと思わずに抗菌作用にも着目していただければと思います」
点滴療法は歯科領域でも注目を浴びており、免疫製品であるプロポリスも歯科領域で注目を浴びている。この類似性に着目することが、今年のアンチエイジング医療の一つのキーワードなのかもしれない。
診療科目に囚われない素材がヒットの可能性
今年、薬局にとっては大変動の年になるだろうと簡単に推測されることは先述したとおりである。周知の通り薬事法の改正によるOTCの販路が増加することが原因である。
薬局での所謂“売れ筋”であるOTCがコンビニエンスストアなどでも販売されることで、消費者がこぞってOTCなどを薬局以外で購入してしまうことが懸念されているのである。
このような状況の中では、OTCに頼らない薬局独自の“専門性”を活かすことが必要不可欠になってくるのである。
その専門性を活かすことができるのは、対面で説明するサプリメントなのではないのかと弊紙では予想する。
薬局を守ることになる専門性を活かすことのできるサプリメントを販売する渡辺オイスター研究所では、今年起こることを前々から見据えてセミナー活動を行ってきた。
同社代表取締役の渡辺 貢Ph.D.は「一年を通じて日本全国でセミナーを開催しています。薬局店主やスタッフが多数周辺エリアから集り、臨床栄養学をベースに薬剤師としての実践的な薬学や栄養学の勉強会を開いており、薬剤師としてのカウンセリング機能の強化は、以前から同セミナーで訴えてきました」。
同社が組織する薬局各店は、ファーマシー業態が厳しい経営環境にさらされている中で、確実に業績を伸ばしているほどだ。
同社のセミナーは、「使い方が明確になる」ための説明の場であり、それが薬局各店でカウンセリング力の強化となるのである。このように“薬局を守る”というスタンスを崩すことのない経営方針も、先述した業績を伸ばすことに繋がっている。
この“薬局を守る”ということがアンチエイジング医療を守ることにも繋がるのではないだろうか?
いわば草の根的な活動でサプリメントの理解を消費者に対して深めているのは、紛れも無く薬局各店であり、未病の段階での相談に対しての窓口も薬局であるケースが多々あることからも、薬局がアンチエイジング医療の窓口になっていることになる。
薬局各店のカウンセリング力強化にもなっている同社の製品については「牡蠣肉は“海のミルク”とも言われるほどの高タンパク食品であり、必須アミノ酸もバランス良く含有し、グリコーゲンや亜鉛、銅などの微量元素も豊富に含まれており、これらの供給源としても価値のある食品です。現に牡蠣肉は生牡蠣やカキフライといったように、食卓の献立として食されてきました。マガキには、ほかの貝類と比較すると、10倍以上の亜鉛や7倍以上の銅が含有されており、鉄やセレンなども多く含まれています。これら金属は必須微量元素と呼ばれており、人が生きていくために不可欠な成分と言われています。このように一般食品としてでも、牡蠣が健康に対しての作用を多く持つことが分かりますが、同社では、この牡蠣肉から活性型エキスを抽出し、サプリメント化しているのです」と同氏は説明する。
また、同社の製品の大きな特徴の一つには、絶え間ないエビデンスの取得がある。今年も更なるエビデンスを取得していくとのことであるが、今までのエビデンスについては弊紙でも度々紹介しているが、安全性に関しては長々期試験も行うほどであり、機能性については抗酸化作用から疲労に対して、口内炎治癒など、薬局現場での良くある悩みについてエビデンスを蓄積しているのである。
「サプリメントは過大評価をしてはいけないし、過少評価をしてもいけません。ただし、そのように冷静な判断が出来るのが医療関係者なのです。だから、同社では医療関係だけへの販売を行なっています」と、医療関係者が冷静にサプリメントを評価することが、アンチエイジング医療の発展に繋がるのではという可能性のコメントをいただいた。
渡辺オイスター研究所代表取締役 渡辺貢PH.D.
先述したように、今後のアンチエイジング医療は、統合医療的な要素を取り込みつつ、新しい美容医療とも言える再生医療を意識せざるを得ない。
統合医療の中でも、高濃度ビタミンC点滴に代表されるような、免疫にかかわるサプリメントや機器は、今年も注目だ。プロポリスやアガリクス、フコイダンといったサプリメントは当然として、ビタミンCと相乗効果が高いことがデータによって検証されているサンメディカの『D-フラクション』や、B&Sコーポレーションの『アルベックス』などのサプリメント、温熱療法の『インディバ』などは、健康増進クリニックの水上治院長や赤坂アンチエイジングクリニックの森吉臣院長も実際に活用している、臨床での使用実績の多い製品と言える。ビタミンC単体では、得られない効果を、これらの製品がサポートしているのだ。
一方、再生医療では、幹細胞や線維芽細胞、血小板などの注入が、最も実践的で、皮膚美容に関連するプロダクツのうち、これらとの禁忌や相乗効果を持つものが、今後注目されるであろう。水面下でデータ取りを始めている企業がいくつか存在する。
需要高まる医療マーケット
このように2008-2009でのメーカー側から見たアンチエイジング展望について聞いたわけであるが、徐々にではあるが確実に医療でのマーケットが動き出しているように感じられる。
決して大量消費とはいえない医療マーケットではないが、消費者が慎重になっている昨今だからこそ、医療マーケットの需要が高まる。
医療との連携を行うことで確実な一歩を踏み出すことこそが、メーカー側から見たアンチエイジング展望であるのかもしれない。
(JHM82号より)