アテローム形成の過程で、酸化を抑制し、カルシウムの蓄積を阻害することで、動脈硬化を抑制するのがEDTAキレーションだ。
日本のアンチエイジング医療において、EDTAキレーションの果たした役割は、欧米に比べて非常に大きい。
ホルモン補充をアンチエイジングの大きな柱とする米国に対し、ホルモン補充に対しての比重が低い日本では、医療としてのアンチエイジングの代表的な手法であるといえる。

6年前にインターネットで「キレーション」を検索すると、ヒットは僅かに2件だった記憶があるが、現在では353000件のヒットがある。これだけの広がりを見せたのは、動脈硬化予防に対して、多くの医師が注目しているからであろう。もはや、EDTAキレーションを知らずして、アンチエイジング医療にあらず、といった状況だ。

このEDTAキレーションは、本来サプリメンテーションと表裏一体なのであるが、実際には組み合わせられるサプリメントが、あまり考慮されていない点が、気にかかる。血中のミネラルを排出してしまうため、ミネラルの補給とその代謝に必要なビタミンの摂取は必須である。キレーションという手法のみが一人歩きし、サプリメントの補給が軽視されている傾向があると感じるのは本紙だけであろうか。

効果測定にはPWVとFRAS4の組み合わせが最も一般的であるが、それに加えFMDなども今後、検討する余地があるであろう。




（JHM81号より）