メタボは美容の大敵

メタボリックシンドロームと深い関係のアディポネクチン。カネボウ化粧品の研究によると、このアディポネクチンが、ヒアルロン酸の合成を促進しているという。
表皮や真皮線維芽細胞では、アディポネクチンは生成されておらず、皮下組織や血液から供給されている。このアディポネクチンが、ヒアルロン酸合成酵素の遺伝子HAS2の発現を増加させ、真皮線維芽細胞でのヒアルロン酸合成を促進しているのだという。
一方で、メタボリックシンドロームになると、アディポネクチンは、減少する。アディポネクチンでヒアルロン酸の合成が促進されているのであれば、アディポネクチンの減少は、ヒアルロン酸の減少に繋がる恐れがある。
メタボリックシンドローム対応が、美容と深い関連があることを示す、興味深い事実といえる。
その他、血糖によるタンパクの糖化＝グリケーションや炎症による老化など、メタボリックシンドロームとの皮膚美容の関連は、実は深い。
こうした事実は、メタボ健診という制度の中では語られていないが、消費者のモチベーションに対しては、絶大な効力を発揮しそうな事実ではある。クリニックにとっては、肥満に加え対処できる分野であるし、自由診療へ、興味を持ってもらうための、キーワードともなるであろう。