[JHM] 食品としての“牡蠣”には必須アミノ酸、微量元素が豊富②
[ 2008/5/30 ]
試験は動物・ヒトで行なわれ、動物実験としては肥満2型糖尿病モデル動物で糖尿病の進行が著しいKKAy /Ta雄マウス(以下、KKAyマウス)におけるオイスターの活性酸素消去作用を検討した。
KKAyマウスに亜鉛、セレン、銅欠乏食を14日間投与し、ヒト糖尿病と同じく血中亜鉛、セレン、銅濃度の低下が生じたことを確認した後、同欠乏食の摂取下で、対照群(生理食塩水投与群)、低用量群(オイスター50mg/kg/ml)中用量群(オイスター150mg/kg/ml)、高用量群(オイスター450mg/kg/ml)の4群に分け、胃ゾンデにて28日間連続強制投与後、血清、肝中の亜鉛、セレン、尿中8-OHdG、肝及び腎中過酸化脂質の指標としてTBARS(thiobarbituric acid reactive substances)、肝中の亜鉛、セレン濃度、腎中SOD、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)活性、食後血糖を測定した。
一旦産生された過酸化脂質の消去には、GSH-Pxが主要な役割を果たしている。これにより、中用量群で生じている腎中の過酸化脂質の低下は、GSH-Pxの活性上昇に由来することが示唆された。
また、セレンの細胞内濃度が、直接GSH-Px合成を制御していることも報告されている。これにより、中用量群での腎中の過酸化脂質の低下で確認された抗酸化作用は、オイスター投与によるセレン補給効果に由来することも推察されるのである。
(JHM74号より)