[JHM] 高気圧エア・チャンバー隆盛③
[ 2008/5/16 ]
先日行なわれたヘルスケア関連の展示会『健康博覧会』では、高気圧チャンバーが、数多く展示されていた。その多くは、FRPや金属性の“ハードタイプ”のものだ。製品数では10種類以上になるのでは?というほどの活況だ。
ハードタイプの先駆けでキャビンタイプなどもラインナップするシェンぺクスや、医療用の大規模な高気圧酸素療法の機器で実績のある鉄製ボディのカワサキモータースジャパン、樹脂製の軽量ボディで完全無人制御のタイムワールド、外装に合成皮革などの装飾を行い、高級感を出したアドレクトなど、個性豊かな製品が市場に溢れている。
数の増加は質の低下を招くとも考えられるが、これらのハードタイプにはしっかりした製品も多く、多くの製品が市場に出回ることで、消費者への認知度の向上や市場への定着が進むと考えられる。
一方で、これまでブームを支えてきたのは、米国製の『オアシスO2』という“ソフトタイプ”の高気圧チャンバーといっても過言ではないだろう。米国および日本では圧倒的なシェアといって良い。
NASAで開発された特殊な繊維を用いたチャンバーは、FDAで耐久性の試験も行なわれ、米国では医療用途に数多く用いられている。
そうした米国での活用例
の一つが、脳性まひの治療について。医学会として100%の医療用酸素を使用した高気圧チャンバーと、“空気”を圧縮したオアシスO2が比較され、治療効果には、ほとんど差が無いことが、発表されている。
また、同様のジャンルでは近年、EDTAキレーションなどと併用して、自閉症の治療にも活用されていたり、がん治療の補完に用いた例が米国アンチエイジング医学会A4Mでも発表されている。
(JHM 73号より)