抗老化医療③
【EGFについて】
53のアミノ酸を含むポリペプチドの構造をもち、生体内で形成されるタンパク質の一種「EGF」は、皮膚の表面にある受容体と結びついて新たな細胞の生産を促進する。老化と共に減少するこの生理活性物質は、損傷した皮膚を修復したり、紫外線などの有害物質から皮膚を守る重要なグロースファクターである。
発見者コーエン博士は、後にノーベル生理医学賞を受賞することになるが、その後、皮膚の角質層だけでなく胃や腸の表皮や血管内皮など、すべての再生を促す成長因子として確認されていく。当初、医療分野での応用だったことから、その成分原料は1g8000万円と驚くほどのコストがかかっていた。そして今、その後の製造技術の改良によってコストパフォーマンスを実現、化粧品への配合・添加が可能になった。
しかし、一方でEGFブームに便乗した虚偽、不当表示商品が一部出回っていることから、第三者機関による検証、情報公開が始まった。それが日本EGF協会で、専門家や医療関係者などと連携を取りながら第三者的な視点で検証することにより、消費者に正確で、安全かつ有益なEGFの情報を提供している。
また、日本EGF協会では、EGFやその化粧品の正しい普及啓発のために講演を行なうほか、公正な機関としてEGF原料の品質、生理活性の定量などを検証し、協会認定の品質保証と認定マークを与える。協会のホームページでは、この検証によって認定された化粧品とメーカー一覧を掲載している。
EGF原料は品質、定量測定をするにあたって、統一した原料規格を協会側は指し示している(医薬品レベルの製造環境を持ち、バイオ発酵技術によって抽出原料を精製、厳格な分析管理体制を敷く製造拠点を中国上海に構える)が、公正な情報開示をモットーにしていることから、他の原料供給を行なうメーカーからの検査・分析依頼も協会では行なう。
(JHM 第71号より)