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JHM 話題追跡②

[ 2008/2/29 ]

処方薬サポートする商材も
医療ルートに道開く

 

頭髪に対するケアは、日本ではこれまで、アンチエイジング医療として積極的に行われていなかったといえる。背景には、男性用のカツラのメーカーなどが、その性格からもプライバシーを重視した秘密主義な、独自の市場を構築してきたことが医療への門戸を少なからず閉ざしてきたようだ。
確かに、AGA(男性型脱毛症)に対して一部の医師がまじめに植毛などの確実な方法で対処してきたが、こうした治療・施術は、職人気質な技術の習得が必要で、どんな医師でも行なえるというものではなく、治療にかかる時間も膨大で、片手間にできる医療ではなかった。
 そんな中に『プロペシア』が国内承認を得て、発売されたことで、医療への突破口を開いていく。TVのコマーシャルなどでも、AGAが医療で対処できるものであることが発信され、患者側からの医療に対する期待感は非常に高い。
 さらに、プロペシアの発売元・万有製薬が実施した調査(うす毛・抜け毛の悩みを持つ20〜40代の男性とその夫を持つ20〜40代の妻を対象)によると、6割強の妻が、うす毛・抜け毛ケアにかかる経費を夫の小遣いではなく、家計から出費しているという結果が。今や「発毛外来」は受診しやすい医療環境になってきたといえる。
しかし一方で、こうした市場が構築されてきたにも関らず、患者がAGA治療を受けたくても、受け入れてくれる医療機関がまだ足りない。さらには、AGAは単純に処方薬さえ投薬すれば良いというものでもなく、患者の悩みを受容することから、洗髪や食生活などの指導など、生活習慣にかかわることも多い。そして最短でも半年以上のフォローアップが医療機関に求められる。
これらのノウハウを提供するのがJSCAMサテライトの日本臨床医学発毛研究会で、会員の医師向けに「発毛診療医」育成のための講習とAGA処方医ネットワーク化をめざす。昨年第1回目の講習会をJSCAM認定医講習会として開催、今年も3月9日に2回目が開催されるが、「発毛外来」を実施する際の医療的な基礎知識やスキルを学んでいくことになるが、一方で育毛・発毛を医療施設としてフォローアップする周辺商材も紹介される。
その中の一つが、豊富なエビデンスを蓄積しながら医療分野に参入を開始した富士産業の薬用育毛剤【医薬部外品】毛歓(もうかん)だ。主成分は抗炎症作用をもつβ—グリチルレチン酸、血行促進作用を発現する酢酸トコフェロール、代謝賦活効果を有するパントテニルエチルエーテルの他に、湿潤剤の「桑白皮エキス」など。
 育毛効果をあげる最大の有効成分は、この配合成分の中で「桑白皮エキス」にある。同社では天然素材の桑白皮を70%エタノール抽出した後、酢酸エチル抽出(特許№3505200)するという独自の製法でエキス抽出に成功、ウサギを使った動物実験で毛周期変換能成分が存在することを確認した。また、「桑白皮エキス」を外用剤として1日1回塗布し、男性型脱毛症やびまん性脱毛症をもつ被験者68名の改善度合い(3ヶ月〜9ヶ月)をみた臨床試験で、「著効」、「改善あり」合計で58.8%の結果をみている(桑名隆一郎博士の指導のもと高知赤十字病院、国立名古屋病院、愛知県農協厚生病院の3施設で実施)。
 こうした基礎試験、ヒト臨床試験の報告は、平成6年から14年まで毎年、日本皮膚科学会や日本臨床皮膚科外科学会などの国内医学会のほかに、オーストラリア国際皮膚科学会などでも学術発表されており、国内外の大学機関、さらには開業医からも話題を集めてきた。
AGA処方薬「プロペシア」が牽引となって、今年08年はこの医薬部外品「毛歓」など多くの周辺商材がアンチエイジング医療に参入していくことは間違いない。

(JHM 第71号より)

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